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#2266 『カルク』改善への視点(3) Apr. 18, 2013 [64. 教育問題]

 『カルク』は根室市教委が市内の教諭で作る教育研究会算数・数学サークルのメンバーに委嘱して作成した問題集で、道教委のチャレンジテストを参考にして編集したものだと、15日付の北海道新聞が報じている。いいできだとわたしも思う。

 今日も生徒がもってきた『カルク』をぱらぱらめくり、眺めてみた。
 今度はすこし高いところから見てみたい。

(1)  「文字式の使用」のところで文章題を取り扱っているが、「基礎計算問題集」なら文章題は外していいのではないだろうか、議論のあるところだろう。
 入れるなら、方程式の「基本短文章問題」を50題くらい入れたい。解説と併せると問題集はさらに厚くなる。内包量に関する問題は使われる言葉は違っていても、パターンは同じだから、同じフォーマットで扱う工夫があると生徒には理解しやすい。これはニムオロ塾方式の表を使ってもらえばいい。距離・時間・速度問題も食塩・食塩水・濃度問題が同じパターンで扱える。学校によっては年度によって生徒のレベルの差があるので、食塩水の問題を授業や定期テストで取り上げない先生もいる。『カルク』にもぱらぱらめくっただけだが、速度の問題はあったが食塩水の問題があっただろうか?「割合」のところで取り上げられていたかもしれない。方程式の短文章問題の項を設けてその中で両方を取り上げてほしい。

(2) 小学校で習った問題が学年ごとに整理されて並べられているが、成績下位層には時間の計算があやしい生徒が多い。たとえば、「午後3時16分-午前8時43分」というような問題である。

(3) 3桁同士の乗算も小学校のところに入れておきたい。
 根室高校普通科でも3桁同士の掛け算にとまどう生徒がいる。成績上位層のガンマークラスにもいる。小学校でも中学校でも3桁同士の乗算の問題がでてこないからで、2桁×3桁まではやっているが、3桁×3桁のやり方を類推できない生徒がいるのである。やったことのない問題は案外できないもの。

(4) 単位の換算問題がなかったようだが、苦手な生徒が多いので計算練習問題があっていい。
  ① 秒速⇔分速⇔時速
  ② cm ⇔ m ⇔ km
  ③ cm^2 ⇔ m^2 ⇔ km^2
  ④ m^2 ⇔ a ⇔ ha ⇔ km^2
  ⑤ cm^3 ⇔ m^3
  ⑥ g ⇔ kg ⇔ t
  ⑦ cc ⇔ dL ⇔ L ⇔ kL
  ⑧ cc ⇔ g ⇔ kg ⇔ m^2 ⇔ t
 等々。

 解説の仕方が幾通りもありそうだから、方針を決めるまででも一苦労ありそうだ。解説は単なる計算トレーニング問題に比べると難易度が一段高くなっている。

【まとめ】
 単なる計算トレーニング問題集なら、短文章題も単位換算問題も必要ないだろう。無理があるとは思うが立式も「基本計算」に含めて考えるというなら、短文章題は50題ほど入れておきたい。基本に属するなら多少ははみ出してもいいという考え方でもかまわないからで、議論の分かれるところだと思う。
 (2)の10進数でない時間の加減算は繰り上げ繰り下げがより複雑になるので、「基礎計算問題」に含めていいというのがebisuの意見である。
 (3)は純然たる計算問題だから、これを含めることに異論はないだろう。
 (4)の単位換算問題は苦手な生徒が多いので「基礎計算問題」に入れるべきだろう。
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【データ】
 ①小学3~6年問題(学年別) 1~17ページ
 ②中1年問題          18~51
 ③中2年問題          52~67
 ④中3年問題          68~93

 解答・解説
 ①    93~98
 ②    99~131
 ③   132~147
 ④   148~172


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コメント 2

合格先生

 実際に、実物を見てみないと何とも言えないというところもありますが、今回、数量関係の問題や文章問題も入っているんですね。そうなると、改訂にかける期間が長すぎですね。
 使用して、問題点が発生したら、即、集約できる体制が必要でしょう。2年間使ってみて「それでは問題のあった部分を思い出しながら直しましょう」では、実際に扱ったときの感覚が薄れて、しっかりとした改訂にならないと思います。

 実は、こちらでは、あるところで「算数検定」を実施してみました。受験者は小学校3~5年生が主流で、その子たちが小学校2年生の上の教科書の前半部分が試験範囲になっている級を受験した際、一発で合格したのが約半数程度です。
 ということは、小学校2年生の内容が、上の学年に行っても補完されていないことを意味しています。そして、そのまま小学校を卒業した場合、中学生になってもできるようにはなっていないという状況のままだと考えた方がいいですね。

 で、おそらく、学力向上に対して、今まであまり積極的に動いて来なかった理由が、こういった部分に垣間見える「子供たちの学力レベルの具体的認識が甘かったせいではないか」と思うのです。「最近、できない子供たちが増えたし、授業中も落ち着きのない子が増えたよな~」という漠然としたレベルにとどまっていて、そこからの進歩がなかったのではないでしょうか。

 今回の「カルク」では、この辺の認識が深まるのではないか、という期待があります。実際にやらせてみて、子供たちに聞いてみたら「1キログラムが100グラムだ」と答える子が予想以上に多かったり、その他の単元でも、予想以上の学力状況の悪化が見えた場合、これは、真剣にならざるを得ないでしょう。そうなると、改訂も早まると思いますし、各学校の先生が独自の取り組みを始めるかも知れません。
 いいきっかけになってくれるといいですね。
by 合格先生 (2013-04-18 06:24) 

ebisu

合格先生へ

そちらで実際に3~5年生に小学2年の<上>の教科書を範囲の問題をやらせた結果が合格判定がおよそ半数ですか。根室も似たような結果が出るでしょうね。
ご指摘の通り、中学校では教えませんから、塾で補習するか、学校で放課後補習しないかぎりほとんどがそのまま高校生になる。

『カルク』をやらせたら、学年別に問題が並んでいるので、何年生のどの項目の「学び」あるいは「授業」に問題があったのかが分かりますから、小学校の先生に結果をフィードバックしてほしいですね。
by ebisu (2013-04-18 12:21) 

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