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#2153 根室高校と根室西高校の就職状況 Dec. 7, 2012 [60. 進路(進学・就職)]

 前回ブログ(#2152)の最後のところで、中学校のある先生が根室西高校のほうが就職に有利だと生徒に説明したという話しを書いた。事実誤認もはなはだしい。タイミングよく、北海道新聞が採りあげているので紹介して解説する。
(根室支局の栗田さん、ebisuの心のつぶやきが聞こえたのかな?いい記事をありがとう。笠原さん、「「黒船」襲来」シリーズは広い視点としっかりした取材そして構成、なかなかのもの。新しいボスも北方領土問題を精力的に取り上げている。前記者のKさんのときとは色が違うけど、三色並んでみるとなかなか見事なもの、道新ファン53年のebisuはたのしんでいます。(笑))


  12/6の北海道新聞に根室管内の高校生の就職状況が載っている。
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 管内高校生
 就職状況 依然厳しく
   求人は5割増 地元志向強く
【根室】来春卒業を予定する管内の高校3年生の就職状況は今年も厳しい状況だ。根室公共職業安定所によると、高校新卒者の管内求人倍率(10月末)は0.85倍。管内の求人数は前年同期に比べ5割増えたが、地元就職熱の高まりで求職者数も約2割伸びているため、前年同期に比べ0.17ポイントの改善にとどまっている。(栗田直樹)

 管内の求人数は前年同期比49%(69人)増の211人。介護施設の増床が相次ぐ医療・福祉分野で40人(同14人増)と大幅に増え、製造業の求人も39人(同7人増)と堅調だ。募集前倒しや退職希望者補充の傾向も強まり、過去10年で最も多い求人が集まっている。
 雇用環境の改善が見込まれたが、就職希望者も39人増の249人。「地元での就職志向がこれほど高いのは近年例がない」(同職安)自体で、管内各校は就職指導を強化している。

 根室西高校では3年生70人のうち46人が就職希望。2年前まで就職と進学が半々だったが、昨年から7対3の割合に。20人が内定を得たが、教師陣は履歴書記載や面接のの指導などをきめ細かく展開中だ。
 一方、根室高校では196人いる3年生のうち過去5年間で最も多い68人が就職希望。51人が内定を決めた。
 管内全体の就職内定率は10月末で48.2%(前年比13.4ポイント増)となっている。
 管内の高卒者の就職状況について、根室職安は「景気が不安定で、進学しても確実に希望の職に就ける見通しがたたないため、高校卒業後に地元就職に動く生徒が増えている」と話している。
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 根室高校の就職内定率は75.0%、根室西高校は43.5%である、大きな差がある
 就職内定先のリストがあればさらに差が大きくなる。たとえば、大地みらい信金は地元の金融機関だが、最近の採用は大卒がほとんどで、年に一人根室高校卒業生をとることがある程度。一昨年は3科目1級保持者だった。根室西高校は実績がないだろう。新製品開発が活発で活気のある歯舞漁業組合も根室高校卒業生がほとんどだろう。市内の有力な就職先はほかにもいくつもあるが根室高校が圧倒的に強く、根室西高校は実績のない企業が多い。
 だから、就職内定率だけ見ていてはダメだ、就職先や雇用形態までみないとその違いが分からない。

 内定している就職は全部が正規雇用ではない。非正規雇用はどれくらいの割合なのかそれも取材して載せてほしい。高校生にとって就職が正規雇用か非正規雇用かはたいへんな違いだ。
 年収を比べてみるとその違いはいっそうはっきりする。市立病院の看護師さんが根室で初任給が一番高い、21万円である。夜勤手当も入れるとボーナスとあわせて350万円前後にはなるだろう。ところが非正規雇用だと年に数ヶ月仕事がないのが普通で、月収も12万円程度だろう。年収だと100~120万円だから、正規雇用のトップクラスと非正規雇用では年収に200万円もの差がつく。これが10年たったらその差は300万円を軽く超えてしまう

 正規雇用でも実情は半数が3年以内に退職している。転職できたものはすくないだろう。3年では満足なキャリアを積むことができない。子どもたちは多難な状況の中を生き抜いていかなければならない。

 「地元志向が強まり」と書いてあったが、札幌の高校や大学へ進学してもなかなか就職につけないのが実態であり、そういう情報が生徒や親たちに浸透してきたからだろう。経済的な疲弊とあいまって、就職先がないので「とりあえず専門学校や偏差値40以下の大学へ進学」という層が少なくなったのだろう
 現在の中学生のお父さんやお母さんの時代とは就職状況がまるで違ってしまっていると考えたほうがいい。

 基礎学力がしっかりしていないということは、嫌な勉強でも基礎のところはしっかりやろうという気構えが中高生の両方の時期に渡ってなかったことを意味しており、学力の低さばかりでなく辛抱強さのなさが雇用者側から見ると「使えない」と映る。
 基礎学力の充実を通して子どもたちは辛抱することを経験し、強くなるのだが、そこを避けて中高生の大事な期間を過ごしてしまうとアウト、そういう時代である。

 一人前の職人になるには、辛抱と努力がいる。誰にも言われなくても先輩や親方の仕事を見てその「技を盗む」、これは学校の勉強よりもずっとむずかしい。50年前でも一人前の職人になれるのは5人弟子入りしたら一人だから、いまの子たちは10人に一人ぐらいなのだろうな。好い加減な仕事しかできぬ半端職人が増える。
 職人になるなら、世の人々に一人前と認められる職人を目指せ。それには辛抱とたゆまぬ技の鍛錬が必要だ。文句を言わずに修行一筋に3年間がんばってみることだ。どんな職種の職人だろうと3年間一心不乱に修行できたら仕事が面白くなることだけは還暦を過ぎたebisuが保障しよう。 


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