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#2134 データと分析(1)学力テスト総合C 学校別・科目別平均点 :学力低下と人口減少のダブルパンチ Nov. 21, 2012 [64. 教育問題]

 市街化地域の中学校3校で11月9日に行われた学力テスト総合Cの結果が出た。前回10月11日に行われた総合Bと比べてみると、五科目合計点が11.5点上がっていることがわかる。
 この時期になると生徒も先生も学習・指導に力が入るからだろう。放課後補習をする学校が増えていることも平均点の底上げに役に立っているだろう、歓迎したい。柏陵中学の数学が顕著に上がっているのはたった2週間ほどの放課後補習の成果かもしれない、ブカツを停止したので参加人数が多かったようだ。

 一生懸命に放課後指導をしてくれた先生達に感謝!三者面談が行われている時期だから、放課後補習で子どもがお世話になっていたら、先生の目を見て一言「ありがとうございます」と伝えたい。本来の仕事に精を出してくれている先生に感謝の言葉を伝えることは、そういう先生たちを元気にする。生徒と親に喜んでもらえるのはうれしいもの、先生たちは仕事のやりがいを感じるだろう。
 5科目合計3校平均点が11.5点上がって、127.2点になっている。やる気になって努力すれば3ヶ月で五科目平均点は20~30点上げられる。そうすれば札幌よりも根室のほうが平均点が高くなる。そうしたらもっともっとほめたくなる。
 ほめられて伸びるのは生徒だけとは限らない、先生だって人間だから、がんばってやって成果を出してほめられたら素直な先生たちは喜ぶよ。
 学校別・科目別の学力テストデータ公開がなければこんなことすらわからないから、先生たちの努力に「ありがとうございます」と感謝の言葉も伝えられない。学校別・科目別データ公開がいかに大事なことであるかがご理解いただけると思う。地域でいい先生たちを育てるには学力テストデータの公開が必要条件ですらある。
 そして学校間で平均点を競ったらいい。この19年間の学力低下は、市街化地域の3校の生徒数の人数が40%も減少して、1学年のクラス数が3から2となったことで競争条件が弱くなったことと関係があるとわたしは推測している。競わなければダメになる。団塊世代が中学生だったころ、光洋中学校は10クラス550人、学力テストは9科目220点満点だったが、10クラスで平均点を競っていた。たいへん活気があったように記憶している。10クラスでトップというのは担任にとっても晴れがましいことなのである。山本幸子・大岩両先生がわがことのように喜んだのを笑顔とともに記憶している。お二人ともこの数年間に亡くなられた。10年前にふるさとにもどってきて何度もお話しする機会のあったことを喜ばねばなるまい。

2012年11月9日
学力テスト総合C 学校別・科目別平均点表
 国語数学英語社会理科合計
光洋中学校33.423.020.026.320.5123.2
柏陵中学校32.926.422.629.824.6136.3
啓雲中学校33.119.419.328.322.0122.1
3校平均値33.122.920.628.122.4127.2

2012年10月11日
学力テスト総合B 学校別・科目別平均点表
 国語数学英語社会理科合計
光洋中学校30.923.419.221.221.0115.7
柏陵中学校33.022.618.522.226.8123.1
啓雲中学校26.819.616.520.524.8108.2
3校平均30.221.918.121.324.2115.7

 さて、いいことばかりではない、問題もあるから少し書いておく。
 70%超の得点層が3校合計で12人(5.7%)しかいない。9年前には50人を超えていたから、成績上位層の激減の様子がよくわかる。1学年の人数が340人ほどだったから、成績上位層(70%超)はおおよそ15%を占めていたことになる。

 5科目合計点(300点満点)で20%・60点以下の得点層は日本語の語彙力は小学4年生以下である。数学も分数や小数点の位取りがわかっていない。そのままだと単純作業の肉体労働しか仕事はないだろう。この層が3校合計で27人・12.7%もいる。都会へ出ても仕事を見つけるのはかなりむずかしいから、ほとんどが地元に残り非正規雇用(バイト)で働くか、親に寄生するしかないだろう。とても自立ができるレベルではない。

  上位層  中位層 下位層(底辺層)
210点超209~91点90点以下60点以下人数合計
人数     %人数     %人数     %人数     % 
光洋中学校11.16371.62427.389.188
柏陵中学校811.04257.52331.51317.873
啓雲中学校35.93262.71631.4611.851
3校平均値125.713764.66329.72712.7212


 90点以下が63人(29.7%)いる。百点満点なら33点以下の得点層であるから、学力は著しく低い。この層は専門学校と短大と就職組みに分かれるだろうが、都会で正規雇用の仕事を見つけることができるのはよほどの幸運に恵まれるか、一心不乱の努力ができる者だけだろう。そもそも努力や辛抱ができていたら、このような点数にはならない。
 この学力層にはブカツに熱心で小学校時代に家庭学習習慣を躾けていない家庭の子どもたちが多いことは事実だ。6時半までブカツをやったら、家に帰ったら「メシ」、そのあとは疲れてテレビを見るか、ゲームかパソコン、メール、そして就寝だ。6時半までブカツをやって、食事をしてから勉強をする子どもはよほど精神力と体力に優れた者だけだ。まして、土日にブカツや試合を繰り返すなんて、キチガイ沙汰にしか思えぬ。
 ブカツを5時か5時半でやめられたら、晩御飯を食べるまでの1時間を勉強に費やせる。たったそれだけのことを毎日無理3ヶ月間させれば、躾けはできる。親には自分の子どもを躾ける義務がある。躾けは学校任せではいけない、基本的に家庭の責任である。

 根室市内はこの3校のほかに郡部校がある。歯舞中学校、海星中学校、落石中学校、厚床中学校である。
 これらの学校の生徒数の合計は概ね50人位だから、3校の学力階層別人数を1.24倍すると、市内全部の中学校の学力階層別人数の推計ができる。計算すると、210点超は15人、90点以下は78人、60点以下は33人である。
 親の後を継ぐものは別にして、地元に正規社員の職があるのは上位3分の1の階層で得点は150点超と考えていいだろう。

 210点超は光洋中は1人、柏陵中が8人、啓雲中は3人である。偏差値50以上の大学へ一般入試で合格できる可能性が半分以上ある生徒と見ていいだろうが、たったの12人、市内全部あわせても15人しかいない。つまり、根室高校から中位校以上の大学へ一般入試で合格できる生徒はこれくらいしかいないというのが現実である。
 根室高校普通科は北海道の公立高校で偏差値42であるが、3年くらいで40に落ちるかもしれない。全道の高校を100校と假定すると、偏差値42は80番付近、偏差値40だと84番くらいである。
 全国一斉学力テストで北海道は47都道府県中、最底辺付近に位置する。根室だけ見て学力を判断してはいけない、広く全道や全国を視野に入れて学力を判断すべきだ。

 言いたいことをまとめると、この10年間で中学生の学力が著しく低下したということ。成績上位層の比率が3分の1になってしまった。生徒数は340人から260人に33.5%減少している。自立が困難な最底辺層(百点満点換算20点以下)が33人いる。運転免許の試験問題をクリアするのですら苦労するだろう。仕事で必要な資格があっても取得は難しい。
 平均点が33%(五科目合計90点)以下の生徒は78人いる。この学力層は社会人になったときに自立するのが著しく困難になると予想されるから、仕送りを受けるか、地元で親に寄生して生活するしか選択肢がないだろう。

 学力が低下していることのほかに町にとって大きな問題が三つある。
 一つは生徒数と20代の若者の激減である。1995年(平成7年)には1学年440人いたが2025年には1学年170人に減少する。
 二つ目は20代の人口激減と若手労働力の深刻な不足である。現在20歳代は根室市に2500人いるが、13年後の2015年には1000~1200人に半減する。これは市のホームページの年齢別の国勢調査をみれば誰にでもわかることで、市内で深刻な人手不足が予測される。
 三つ目は高校を卒業して小学生レベルの学力しかない低学力層でも、深刻な人手不足で使わざるを得なくなるということ。

 これらのことから、子ども達の学力低下を放置しておいたら地元経済は深刻なダメージを受けるというのは当然の結論である。
 だれが子どもたちの学力向上の邪魔をしているのかよく考え、よく見てみよう。根室の町をダメにしているのは、歴代市長や教育長、そして教育に関心がなく町を食い物にしているごく一部の根室人だけではない、小学校のうちからブカツに狂って家庭学習習慣を躾けることのできない親にも責任がある。なあに、そうむずかしいことではない、原因が分かれば対処の仕方はある、先延ばしせず、逃げず、真正面から戦えばいいだけだ。小欲知足と正直と誠実が武器だ。基礎学力があり、そしてまっとうな人間を育てよう。


*根室市の人口減について国勢調査結果を分析してある。
 #2133 世のため人のため 60歳になったら若者に職を譲ろう Nov. 18, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-19

**札幌在住の方で中学生のこどもにいる方は、学力テスト総合Cのデータを提供してください。札幌と根室のデータ比較をしてみたいのです。有意義な分析になると思います。
 このブログ専用公開アドレス: ebisu_12@yahoo.co.jp

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*#2152 期末テスト 中2が健闘 五科目合計点で平均58.8点アップ Dec. 6, 2012 
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-06

 #2143 データと分析(5) 学力テスト総合Cから根高普通科への合格基準点を推計してみる Nov. 29, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-28
 #2142 データと分析(4) 全国学力・学習調査 根室管内版を読む Nov. 28, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-27-1

 #2140 データと分析(3) 論より証拠 学力テスト情報公開のメリット Nov. 26, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-26

 #2138 データと分析(2) 語彙力がないままの学力向上はない Nov. 25, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-25

 #2134 データと分析(1) 学力テスト総合C 学校別・科目別平均点 :学力低下と人口減少のダブルパンチ Nov. 21, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-20





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コメント 4

もやしさんま

根室市の平均年収が全道の平均年収よりもひとつ抜けて高いことが話題になっていますね。大人の成績は良いんですね。(°д°)意外です。こうなると根室衰退ってもしかしたら思い込みってはずもないのだがわからん。
by もやしさんま (2012-11-21 22:56) 

ebisu

水産資源がダントツに豊かだということでしょうね。
蟹の密漁だけで昭和40年代には年間百億円あったのではないでしょうか。1世帯当たりに換算すると80万円ほど。
歯舞コンブ漁師はコンブだけで800万円前後、それに出稼ぎがあるので、1000万円超の年収。漁師の中ではコンブ漁師は豊かなほうではありません。
そして、規模が小さなわりには社長や社長の親族が手にしている役員報酬が大きい。これも根室の特徴。
年収の平均値の推移表を描いたら、昭和40年代のほうがはるかに多いでしょうね。
根室はいまでも水産資源の豊かな漁師町です。
だから乱獲をしてはいけない。
羅臼の漁師が10月下旬にジャミサンマを「乱獲」していましたが、自制してほしいものです。来年は180gの脂の乗った大型サンマになってもどってくるのですから。

水産資源が豊かである限り、根室は豊かな町です。昔は中標津とは比べものにならなかった。根室の景気はよかったし、活気も段違いでした。(笑)
by ebisu (2012-11-22 00:29) 

cccpcamera

 根室の子が、勉強しない理由は、金持ちだからですか。羅臼の町を通った時、豪邸が建ち並んでいるのに驚きました。
 首都圏の観光地の話ですが、中学校で成績不振で、バイク無免許運転で、何度も警察の世話になっていた少年は、今は、土産物屋をついで、数台のベンツを乗り回しています。その他、成績不振の少年は、その後、観光漁師になって、皆さん金持ちです。その中学校で、一番成績良かった少年は、早稲田に行って、今は、貧乏サラリーマンです。こういう地域で、子供たちに学習意欲を起こさせるのは、不可能に近いような気がします。

 ところで、「偏差値50以上の大学へ一般入試で合格できる可能性が半分以上ある生徒」とお書きですが、偏差値50は、日東駒専クラスをイメージしてますか、それとも、その下のクラスをイメージしてますか。MARCHではないですよね。偏差値と言っても、ベネッセと駿台では、だいぶ違うので。
by cccpcamera (2012-11-22 09:05) 

ebisu

cccpcameraさん、おはようございます。
北海道新聞で「領土問題について聞く」というシリーズがはじまりました。一回目は堀辰雄元道知事(?)だったかな、昨日21日の記事は千島歯舞居住者連盟理事長が取材対象です。

根室管内羅臼の話しでしたね。
羅臼の漁師の長男坊が同級生にいました。当時根室管内で一番多額の所得税を支払っていました。同期にはもう一人羅臼の漁師がいました。コンブ漁師の息子・娘も同級生や同期には何人かいました。

昭和40年代、50年代はそういう時代のまっただ中でしたね。
漁業関係の親戚は兄弟揃って当時月収50万円。
ばかばかしくって勉強なんかやる気になりません。
密漁も多かった。

羅臼はコンブ漁師の収入も根室歯舞のコンブ漁師よりも5割は高収入でしょう。羅臼産のコンブは国内最高品質ですから、ほとんど高級料亭、ラーメン屋でもダシにお金をかけているところは高価な羅臼コンブを使っているお店があります。たしか黒磯駅前のラーメン屋もそうしたお店だった。値段が高いのと品物が少ないので一般人には手に入りません。

もちろん勉強する必要ありません。長男は家業を継げばいいのですからね。娘は嫁いでもコンブ漁の時期には実家へ手伝いに来れば、副収入になります。バイト代を支払うのは親か兄弟ですから。
中学生で毎年夏休みにコンブ漁を手伝いに行って、その都度じっちゃんばあちゃん、おじさんからお小遣いをいただいて、「先生、貯金200万円になっちゃった」と笑顔でいう生徒もいます。
気前もいい、「みんなおごってやるからね」、たしかにかに一部の市民は豊です。(笑)

東京の埋立地で花咲小学校のそばの雑貨屋さん程度のお店を開いていた親戚は、その後ビルに建て替え、セブンイレブンを開業し、全国3番目の売上とか。周りはビルだらけで20年くらいでオフィス街へ変わり売上がうなぎのぼり。

金融や情報産業で濡れ手に粟のような儲け方のできる時代の到来。
マジメにことこと努力するということの価値が低くなりました。
学習意欲を起こさせることは確かにむずかしいのでしょうね。

偏差値50以上というのは代ゼミの偏差値です。駿台はそれより少し高い。ベネッセはかなり低い。もちろんMARCHではありません。そういうレベルになると5人前後かな?
中学時代の学力テストの成績分布から推定すると、来年くらいからそうなります。がくんと落ちます。
根室高校は推薦枠でなんとか「食いつないでいる」状態です。
by ebisu (2012-11-22 10:21) 

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