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#2130 衆院解散と悪あがき 喧嘩の仕方◎ 仕事×  Nov. 16, 2012 [B7. 政治に求めるもの]

 一昨日(11/14)の安倍自民党総裁との党首討論で野田総理は解散を盾に、議員定数40人以上削減、議員歳費のカットなどいくつかの項目について協力するように迫った。なかなか見ごたえのある迫真の討論だった。

 冷静にみれば要求した項目は、結局自分たちがぐずぐずしてできなかったことを押し付けただけのようにも見える。
 財源はあると言い切ってマニュフェストを掲げて選挙に勝って政権を手に入れたものの、かれらのマニフェストは話半分にもならぬ。それどころか、やらぬといった消費財増税に命をかけて法案を通してしまった。ほんとうのところは政権をとって財務大臣を拝命して官僚から説明を受けて、自分達の空理空論に気がついたからだろう。そして何の説明もせずに変節した。言訳するのも恥ずかしかったのだろう。

 仕事のできない者ばかりの寄り合い所帯なのだから、16兆円の財源源捻出は、できてもせいぜい半分だと判断すればよかったのだろうが、30代でまともな仕事の経験のないかれらはそういう見切りすらできなかった。
 12月16日に行われる選挙で何を約束しようとも、誰が信用するのだろう?話半分ならまだいい、やらぬといったことに「命を懸ける」ような裏切りをまたやらぬと言い切れるか?まるで子供、30代で仕事の経験がない民主党幹部はもう一人もいらない。

 過半数を獲れる政党はないだろうから、混迷の時代の幕が開く。日本経済は縮小していくのに、赤字特例公債は毎年40兆円から50兆円も積みあがる。日本が財政破綻したら、EU加盟国全部が一気に財政破綻するほどの影響が出るのだろう。
 わたしたちは縄文時代以来1万2千年の日本列島の歴史の中で、初めて人口縮小という大転換期を通過しつつある。
 国と地方の借金はすでに1000兆円である。財政悪化で通貨円への信任が失われれば、長期にわたってとんでもないスケールで円安が進むだろう。人口縮小で日本人がもつ金融資産はこれから取り崩され、生活費へ回る。人口縮小と学力低下、そして製造部門の弱体化した日本でGDPや消費総量は減少し続ける。現実を直視し、経済成長なんて幻想はさっさと棄てて、価値観の転換とそれにふさわしい社会の具体的な段取りを示し、その糸口をつけなければならぬ。

 壮大な実験がはじまってしまった。価値観の転換をしなければ乗り越えられない大きな壁が目の前に見えている。
 規模が巨大すぎて夕張市の破綻例は参考にならないから、どういうことになるのかだれも予測がつかぬ。
 例えば、原発事故の後始末、貿易、為替、公的部門のリストラ、給与カット、類を見ない失業者の増大、年金給付額切り下げ、ガソリンの値段(300円/ℓ?)、暖房費の高騰、食品価格の高騰、医療と医療保険、地方交付税交付金半額カット・・・だれに的確な予測ができる?ため息がでそうだ。

 だが、負けてはいけない、あきらめてはいけない。このままでは次世代に残す負の遺産が大きすぎるから、団塊世代はこの負の遺産をできるだけ小さくすることに全力を尽くすべきだ。
 われわれ団塊世代が死に絶えるまで充分な時間がある、残された時間を無為に過ごすな。還暦を過ぎたからこそ、誰に遠慮もなく損得抜きで物が言え、行動できる。やるべきことをやりきってから消えていこう。

 価値観の転換、強い管理貿易(鎖国)による国内の雇用確保、仕事の分かち合い、教育改革をしなければ日本は未曾有の経済的衰退にみまわれる。いまのところ、そういうことを言い出している政治家は一人もいない。「正直の上にバカがつく」のではなく、バカの上にバカがつく凡庸な人ばかりのようだ。
 わたしは10年前にふるさとに戻り、ふるさとの子どもたちの学力を上げるために私塾を開き、微力(=バカ)を承知で行動している。50歳をすぎたら、ふるさとのため、世のため他人のために働く、そういう価値観をもった人が日本国中に増えてもらいたい。だれにでもやりうることはあるものだ。

 4年前の10月に書いた「これから10年間の日本経済のシナリオ」をお読みいただきたい。#1853も民主党の仕事の実態に触れていて面白い。


*#346 これから10年間の日本経済のシナリオ 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-10-10

 #484「国民の95%が幸せ…屈託のない笑顔」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-01-11-1

 #829「国家財政破綻の瀬戸際」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-12-12

 #1148 「馬場宏二 過剰富裕化論」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-05-2

 #1158 「過剰富裕化論(2):過剰富裕化とは何か」 Aug. 12, 2010
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-12

 #1162 「過剰富裕化論(3): 経済学部を目指す高校生へ」 Aug. 16, 2010 
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-16

 #1164 「過剰富裕化論(4):人類史上最短労働時間の社会への道」 Aug. 18, 2010 
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-18

  #1165 「過剰富裕化論(5):節度ある明るい未来」 Aug. 19, 2010
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-29

#1185 日銀金融緩和策公表も効果なし:資金の過剰富裕化は何をもたらすのか  Sep. 1, 2010
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-01


 #1254 「経済成長論の終焉」 Oct.24, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24-1

 #1482 「東北大震災とパラダイムシフト:良寛をめぐって」 Apr. 22, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-21

*#1755 "1ドル=200円"の時代は来るのか(1) Nov. 29, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-29

 #1852「月間貿易赤字が過去最大(1月度):超長期的視点からの主張」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-21

 #1853 「日本人の美質と品性:中位数年齢45歳"熟年国家"のまやかし」 Feb. 22, 2012 
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-22

 #2122 赤字特例公債、ちょっとまってくれ Nov.9, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-09

 #2126 "lame duck"の野田政権はどこへ行く? Nov. 12, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-12

【11月18日追記】
 財源のない子ども手当てが継続不可能であることを支給開始になったばかりの2010年6月1日の弊ブログに書いていたのをたまたま見つけた。民主党幹部は揃いも揃ってこんなことすらわからなかった。30代で責任ある仕事をしていないと、こうも無責任な仕事になるものなのか。

 #1050 貝殻島昆布漁解禁と子ども手当て支給開始に寄せて Jun. 1, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-06-01


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