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#2115 石原発言:公的会計への外部監査と複式簿記の導入 Nov. 4, 2012 [91.経済]

 4日朝7時半からのフジテレビ「新報道2001」に石原慎太郎が生出演していた。大阪へ行って橋下氏と会談してもどったばかり、朝早いのにご苦労さんなことだ。ろれつが回っていないところはやはり寄る年波ということ。
 だが、国や地方自治体に外部監査と複式簿記を導入せよという主張はまともだ。

 根室市立病院の会計を例にすこし補足説明しておくと、複式簿記は導入されている。損益計算書ばかりでなく貸借対照表も作成されている。だが、これは公的会計基準にしたがって作成されており、民間企業に強制適用になっている企業会計原則とはまったく異なる基準に基いている。これを廃止して、民間基準に統一しないとインチキがまかり通ることになる。
 13億円もの赤字なのに、決算書上は黒字ということになれば、民間企業だって経営改善が進むはずがない。市立病院を見たらいい、何人事務長が変わっても経営改善なんてやれたためしがない。経営改善のために数年前に課を新設したが、経営改善業務そのものを業者に丸投げしている。他人事になっている。民間の企業会計原則に準拠して財務諸表作成を義務付けたら、赤字を黒字というようなインチキは一切不可能になる。正しい情報公開がなされれば、市民も病院スタッフも病院経営に関心をもつ。市長はそれが嫌なのだろう。

 根室市立病院の昨年の経営は実質13億円の赤字であるが、損益計算書上も貸借対照表上も赤字の計上はない。一般会計から赤字分以上に補填すれば「黒字」ということになる。民間企業でこんな事をしたら粉飾決算であるから、外部監査では認められない。赤字は赤字として表示され、経営改善が進むことになる。公的会計基準なんてダブルスタンダードを採用し続けるから、小役人が問題を先送りして、雪だるま式に問題を大きくしてしまう。

 一般会計も同様で、150億円しか財源がなくても、市債を発行して借金すれば170億円支出しても赤字は消せる。資金収支が赤字か黒字かを見ているだけで、収入を上回って支出しても赤字にならないのである。家計に即して言えば、年収500万円でも100万円借金して帳尻を合わせると、「赤字」が解消できるのだ。そんなバカな話しはないだろう。しかし、公的会計では百年以上もこのようなバカな公的会計基準で予算書と決算書を作成している。

 石原氏の言うように国も地方自治体も民間の企業会計原則を法律で強制適用し、外部監査の導入も義務付けるべきだ。公認会計士は司法試験のように試験をやさしくして、合格者を増やしたから、資格をとっても監査業務にタッチできない会計士補が増えている。国と地方公共団体の会計監査を「市場開放」してやればいい。

 標準監査手続きによって行われる外部監査はきつい、規定の整備やその通りの実行はもちろんのこと、内部牽制制度も求められるから、お金をめぐる不祥事は百分の一以下に減少する。インチキの95%は一掃されるだろう。事業仕分けなんてド素人のパフォーマンスがなんの力もないことはもう国民には承知の事実だ。プロによる外部監査を導入すべき時期が来ているということ。

 東京都は公認会計士による外部監査を導入して、行政経費支出を徹底的にチェックしたという、結構な話だ。東京都による銀行経営はずいぶんと無責任だったし、オリンピック招致も老害にしか見えなかったが、国や地方公共団体に外部監査を義務付けるきっかけになってほしい。


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