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#2094 安倍自民党新総裁誕生 :小欲知足の時代が来る  Sep.27, 2012 [B7. 政治に求めるもの]

 党員票では石破氏が300票のうち166票の過半数を制し、2位の安倍氏は87票とダブルスコアに近い圧倒的な勝利、ところが国会議員の決選投票というわけのわからぬ方法で、自民党員の意志が覆された。これでは党員選挙なんてやる必要がない。

 おかしな政党だ、総裁候補者5名がそれぞれ大臣経験者の息子というのも大いにヘンだが、これまた2世が多い自民党国会議員のセンスが一般党員とはかけ離れていることを証明してしまった。やっている本人たちは真剣そのものだが、外側から見ているとまるで茶番劇。
 自民党はあいかわらず旧いままなのである。旧いままだから前回衆議院選挙でノーを突きつけたのに、まだ分からないらしい。秋田県連の4役が、総裁選挙は民意を反映していないと役職辞意を表明した。あたりまえだろう、これでは先がない。

 勝利した安倍氏は、まず谷垣元総裁を褒め称え、次いで石破氏と、選挙を戦った総裁候補を次々に称えた。なかなか卒がないし耳障りのよい挨拶だった。潰瘍性大腸炎と半ば精神疾患も併発かと思えるような状況下で総理大臣の座を放り投げて挫折を味わったから、思いやりという点では器は確かに大きくなったようだ。就任スピーチがうますぎたのか、きらいな石原への票が少なかったのがうれしかったのか、谷垣氏は涙を浮かべんばかりの安堵の表情で安倍氏のねぎらいの言葉に何度もうなずき、最後に深々と頭を下げた。実に正直な人で、駆け引きのできぬ人にみえた。政治家としてはともかく、いい人だな。
 谷垣氏を裏切った明智光秀役の石原君は37票、同じ派閥で安倍に降板を迫った町村氏にはたったの7票、一番若い泡沫候補の林君(51歳)はたったの3票だった。林氏は状況判断もできぬようだ、鷹揚な二代目か。人材不足は民主党と変わらぬ。
 安倍氏は領土問題ではタカ派と目されている。言うことは勇ましい、そして経済は成長路線派。200兆円の公共事業でもやろうというのだろうか?まさかと思うが、経済政策は旧い旧い自民党そのものなのだろうか。

 1990年にバブルがはじけて以来、デフレが続き、経済成長や国民所得の増加があっただろうか?
 日本の総人口は縮小し始めた。もう経済成長は50年間ありえないと覚悟を決めなければならぬ。経済政策の裏付けのない勇ましい発言だけでは経済も政治も持たぬ。そういう岐路、いや、崖っぷちにたっている。いま日本は大きな時代区分の狭間にある。
 税収に見合った歳出予算を組まなければならない時期があと数年で来る。外人が持っている日本国債はすでに60兆円、国際的な日本の財政スタンスは急激に変化し始めた。日本国債の金利が上がる時が来るが、10年なんて余裕はないだろう。金利が4%になれば税収全部を補填しなければ金利支払ができぬ、そういう日がやってくる。現にスペイン国債は金利が一時7%水準にあった。
 年金支払も、公務員人件費も公共事業も半減どころではすまない事態が来る。不可避だ、財務省は恐ろしくて震えているだろう。
  領土領海には安倍・石破は最強のタッグといえるだろう、竹島と尖閣列島で韓国及び中国が強硬な姿勢にでるから国民がこういう人物を自民党総裁に望んだということ、そしてこの二人が共通にもつ弱点は経済政策である。消費税を増税しても変わらぬ財政赤字問題、1000兆円を超えそうな国債残高、破綻している年金制度、デフレ、どの問題もますますこじれて経済破綻が早くなるだろう。それはそれでいい。

 民主党も野田党首が再選された。うまく小沢を追い出したから敵ナシで圧勝だった。そういうことはなかなかやり手だ。しかし、民主党が選挙で約束した、「増税なき財政再建」「コンクリートから人へ」「公務員人件費20%削減」など、言っていたことはことごとく葬り去られた。それどころかやらないと言っていた増税を決めてしまった。
 この先、民主党が何を約束しようが、それと反対のことをするということ。民主主義政治や選挙制度を根幹から崩壊させてしまった。

 日本維新の会は田原総一郎が司会をして2度目の会合を開いたが、外交・防衛で具体策のないことがハッキリしてしまった。維新八策も具体策ナシでは民主党マニフェストのように絵空事になりかねない。なんだかきな臭くなってきた。

 さて、言っていることを愚直にやるのはイデオロギーの強い政党のみのようだ。公明党と日本共産党の2党だ。どちらも困るというイデオロギーに関係のない国民は次の選挙で、どの政党を選べばいいのだろう?

 福島第一原発事故による大規模な放射能汚染、年金破綻、GDPの2倍を超える国債および地方債、税収の2倍の支出の常態化、尖閣列島及び竹島問題そして北方領土問題と、国難とも言うべき時期に政治にこれほど人材が不足したことは日本史上初めてではないのか。公務員がわが世の春を決め込んでいた時代もそろそろ終わる。いまが絶頂だ、たのしめ。
 日本の行く手に待っているのは奈落の底だが、心配いらぬ。苦しい時代が永遠に続くわけではない、経済破綻を原動力として日本には価値観の転換が生ずる。職人仕事の時代、小欲知足の時代の幕開けをこの目でぜひみたいものだ。30年はかかるだろう、団塊世代の私には寿命が少しばかり足りぬようだ。これから価値観の大転換を担うことになる若い人たちがうらやましい。(笑)



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Hirosuke

20年以上も前に選挙権を放棄している僕にとっては、
そもそも話題にする事すら余りにも馬鹿馬鹿しく、
政治に関して文句を言う権利もないのでしょうが、
ふと思いついたので試しに言ってみます。

どうせ何もかも結局は業者に丸投げしているのだから、
いっそのことカルロス・ゴーン氏に首相の座を委託して、
いかんなくコスト・カットの手腕を振るって欲しい、
と考えるのは言い過ぎでしょうか。

by Hirosuke (2012-09-27 07:11) 

ebisu

私も10年ほど選挙にモラトリアムを決め込んでいた時期があります。投票したい人がいなかったからです。
でも政治の状況はどんどん悪化していきました。
投票しなければ、議員たちは少ない固定票で当選し、ますます好き勝手をやります。

民主党のようにマニフェストと反対のことをやるようでは、民主政治や選挙制度は根っこから崩壊してしまいました。

結局、投票しようがしまいが、政治はよくならなかった。
議員をやるものたちが、国民のことや国のことを忘れ、個人的な利害に目がくらんでいるのでは、この国の将来はしばらくの間ダメになるしかないのでしょう。

政治の世界にコストカッターのカルロスゴーンの登場というアイデアは面白い、国民はそういう政治家の登場を望んでいるのでしょう。そういう人物が登場したら、一気に火がつく可能性がありますね。とても危ない気もします。(笑)
by ebisu (2012-09-27 09:24) 

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