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#2007 サンマ初水揚げ一匹1500円 :放射能汚染はどの程度か?  July 11, 2012 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 サンマ初水揚げ(7月9日)があったが築地の卸値段で170gのサンマが1匹1530円の値がついたそうだ。刺し網で獲った傷アリのまだ痩せたサンマにこんな値段がついた。地元の鮮魚店にも入荷していない、高くてとても売れない。

時事ドットコム
「初サンマ、1匹1500円=品薄で高値に-築地市場」
 
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012071000157

 (2日目の7月10日は10倍の水揚げ量で値段は下落、緑町の鮮魚店「魚信」で一匹250~430円で売っている)

 ところで、米国西海岸で獲れたマグロからは放射性セシウムが6.3Bq/kg検出されている。広い太平洋を回遊しているマグロですら福島第一原発由来の放射性物質で汚染されている。このくらいなら食べても影響ないのだろう。
 福島県水産試験場は原発事故以来、継続的に163種類の魚介類の放射能汚染を測定して公表している。先日、3品目(水ダコ、ヤナギダコ、糸巻き貝)についてのみ安全宣言を出した。他の160種類は放射能汚染がひどくてまだ安全宣言がない。どの程度汚染されているかは福島県水産試験場のホームページにデータが公表されているから、誰でも確認できる。URLを記しておくのでクリックしてみるといい。

 福島県水産試験場 「水産物の放射能検査結果一覧」
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=815762BC1C25825F7D9B2AF5981FD2DE?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=10797


 サンマは和歌山沖や四国沖、九州沿岸で孵化し、房総沖や福島沖に稚魚が集まり餌を食べながら北上して根室沖までやってくる。2年ものだと3回福島沖を通って来ているから、放射能汚染されていることは想像にかたくない。そんなことは常識だから、水産試験場の職員の方々は先刻ご承知だ。ところが、釧路水産試験場はサンマの放射能検査をしていない、いったいどういうわけだろう?だれがどういう権限で測定をとめているのだろう?測定機器は釧路水産試験場にあるのだろうか?

  米国沿岸で獲れたマグロと根室・釧路沖でとれるサンマと福島県沖でとれるサカナに含まれる放射性セシウム濃度には次の不等式が成り立っていると推測できる。
   米国沿岸のマグロ<根室・釧路沖のサンマ<福島県沖のサカナ
   6.3Bq/kg < 根室・釧路産サンマ < 100Bq/kg超

 サンマの水揚げが始まっているから、福島県水産試験場のように何ベクレル/kgなのか測定してデータを公表してもらいたい。消費者庁の仕事にも環境庁の仕事にも水産庁の仕事にも関係がある。初水揚げの小売価格で一匹2000円もするサンマは庶民の口には入らぬが、たくさん獲れだすとじきに値段が下がる。大衆魚であるサンマはあまねく国民に広く食されているから、放射能汚染がどの程度なのかは多くのサンマ愛好家の関心事と言ってよい。

 継続的に測定してデータを公表していけば、放射能汚染が時間の経過とともにどのような下がり方をするのか貴重なデータとなる。大飯原発が再稼動しているから、今後全国どこかの原発で事故が起きたときに参照データにもなるだろう。こういうときは、あらかじめ手順を決めてしっかりデータを残すことが大事だ。

 武田邦彦教授がブログで「2012年6月頃のサカナの汚染状況」をとりあげている。その中に水産庁が公表している太平洋岸のサカナの汚染状況表が貼り付けられてあり、福島沖だけでなく、千葉県沖、宮城県沖、岩手県沖、青森県沖の魚の放射能汚染濃度が表になっている。福島県沖は49~1700Bq/kgで、100Bq/kgを超えるものは22/34で64.7%を占めている。青森県沖で獲られたマダラですら49とか60Bq/kgも汚染されている。

 食物連鎖による生物濃縮の問題もある。個別魚種ごとに棲息範囲も餌の種類も異なっており、影響がわからないから、個別魚種ごとに測定してみないと汚染の実態がわからない。
 100Bq/kgは放射性廃棄物として管理すべき基準だから、それは放射性廃棄物=危険なゴミであって食品ではない。そんなひどい汚染のものを若い人たちに食べさせてはいけないとebisuは思う。
 だからこそ、水揚げされたサンマがkg当たり何ベクレルなのか、データを公表してほしい。秋の脂の乗った美味しいサンマを安心して食べたいし、例年通り知人や親戚にも「○○Bq/kgだから、大丈夫だよ」と送ってあげたい。


 福島県水産試験場はやっているのに、釧路水産試験場はなぜサンマの放射能を測定し、公表しないのだろう?
 根室・厚岸・釧路の漁業協同組合がそろいもそろってなにも発言しないのはなぜだろう?
 自分たちも、そして子供たちも、孫たちも食べることになる。ほんとうにいまのままでいいのか?
チェルノブイリのあるウクライナやベラルーシではさまざまな奇形や小児癌が増えている。「放射能による奇形児」「放射能による障害」をキーに検索してみたらいい。
 2年くらいきつくたって何とかなる、仕事は正直に誠実にやろう、それが禍根を残さない最善の方法だ。

 武田邦彦教授は次のように書いている。
海とともに生きていた日本人、広島長崎で原爆の被災を受けた日本人、これまで世界に向かって「被曝は危険だ」と訴え続けてきた日本人、その日本人が始めて太平洋という公海を放射性物質で汚染し、国際基準では危険なサカナを水揚げしているというは実に恥ずかしいことです。

いずれにしても、当面、太平洋側(千葉沖から青森沖)までは食べない方が良いでしょう。また慎重な人は北海道沖、神奈川沖も避けることです。

*武田邦彦ブログ「2012年6月頃のサカナの汚染状況」
 
http://takedanet.com/2012/07/20126_794f.html

 わたしはサンマが大好きだし、還暦を過ぎているから100Bq/kgは論外として、50Bq/kg以下なら食べる。20Bq/kg以上なら生徒たちには2年程度我慢しろと伝えたい。
 若い人たちが遺伝子を傷つけるという小さくないリスクをあえて犯す必要はないからだ。地元沿岸に棲息している魚介類を食べればいい。幸いに新鮮で美味しいものがたくさんある。チカ、オヒョウ、カレイ類、コマイ、ホッケ、シャケ、トキ、ホタテ貝、ホッキ貝、真ツブ、アサリ、ウニ・・・

**#1956 本マグロ放射能汚染6.3Bq/kg、サンマは大丈夫か? June 1, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-01

 #2008 サンマ漁解禁2日目 :テレビも新聞もサンマの放射能汚染報道は一切なし July 11, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-11-1


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