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#1975 掛け算九九はどうやって覚える:FMくしろの教育番組から  June 15, 2012 [64. 教育問題]

  FMくしろで教育に関する番組をシリーズで流している。毎回、「釧路の教育を考える会」のメンバーが協力している。
(全道で一番学力の低い根室管内にもFM局は二つ(中標津と根室)ある、「FMねむろ」も教育問題番組を週1ぐらいやって教育問題への市民の関心を盛り上げたらいい。商売をやっている地域への貢献もFM局の使命のひとつに数えていい。)

 今回は九九の教え方今昔物語とでも名づけたいような内容。小中学校の先生たちに読んでもらいたい。
 学力低位層のこどもたちの中には中学生になっても特定の段の九九がひっかかってうまくいえない生徒が少なからず含まれている。小学校できちんと覚え損なったら最後、中学校で九九を教えてくれる数学の先生はほとんどいないから「落ちこぼし」となる。
 そういう生徒は逆九九も引っ掛かる段がいくつかある。そういうときは九九表を渡してお風呂で逆九九を練習しろと指示する。あとで先生がチェックをすることがだいじだ。
 逆九九を教えていない先生たちも半分以上いるようだ。ひょっとして逆九九という言葉自体を知らないのかもしれない。

 計算が著しく遅い生徒は九九をしっかりマスターしているかどうか確認した方がいい。特定の段だけだから、簡単に直せる。早口でよどみなくいえるところまで練習すべきだ。
 割り算の商を立てるのに時間のかかっている生徒はだいたい九九に問題ありだ。



●ストップ・ザ・学力低下 第4回 5月15日放送分
かけ算の九九について
http://www002.upp.so-net.ne.jp/singakukouza/stopgakuryoku4.html


ストップ・ザ・学力低下 第4回 5月15日放送分

 

大津(前説)
 ストップ・ザ・学力低下。
 このコーナーは、サンエス電気通信株式会社、株式会社エイコー、新橋ヨコハマタイヤサービスの提供でお送りします。
 このコーナーは第1・第3火曜日のこの時間にお送りしていきます。
 みなさんは、釧路の基礎的な学力がどのような位置にあり、学校ではどのような授業が行われ、今の子供達は家庭でどのくらい勉強しているか、ご存じですか? また、基礎学力が低下するとどういう事が起きるのか、人ごとではなく地域の問題として、一緒に考えて行ければと思っています。
 釧路の教育を考える会の方をナビゲーターに、様々な角度から基礎学力不足問題を考え、分析し、具体的な対策まで考えて進めていければと思っています。
 みなさんからのご意見・ご感想・ご質問をお待ちしています。
 
 (本編)
 では、今日は第4回目、今の子供の現状、算数の中の九九についてです。

 釧路の教育を考える会、事務局次長、池田さんです。こんにちは。
 

池田 こんにちは。
 
大津 よろしくお願い致します。
 
池田 よろしくお願いします。
 
大津 池田さん、実はですね、前回の池田さんの放送の後で、みなさんから「算数、実は、苦手だったんだよね」とか「算数が分からなくなった時点で嫌いになった」という声がたくさん来ているんですよ。算数って、教科の中で、一番大きなポイントを占めているようですね。
 
池田 そうですね。苦手意識が一番強い教科になるかもしれませんね。
 
大津 では、今日はその算数の、どんなところをテーマにお話いただけるんでしょうか。
 
池田 そうですね。前回話した中では、かけ算の九九に触れていたところがあったものですから、今日はその続きということで、かけ算の九九が身につきづらくなっていった理由や、これから、お父さん・お母さんがどのようにしていけばいいかという点についてお話していきたいと思います。
 
大津 はい、九九ですね。
 
池田 そうです。
 それで、実は、最近の子供さんの傾向なんですけれども、かけ算の九九がしっかり身についていないせいで、わり算やかけ算の暗算が苦手な子が多くなっているんですね。例えば、湖陵・江南に進学できるくらいの学力のある子でも、16÷2を自信がないと言って筆算してみたり、それから32×2の計算がすぐ暗算で出来なかったり、というような事が起きているんですね。
 
大津 小学生じゃないですよね、それは。
 
池田 ええ、中学生で、受験が近くなっている子供さんでも、ちょっと自信のないところはすぐ筆算してしまうようになっています。
 
大津 それ、問題ですね。
 
池田 そうなんです。
 で、今の子供達はそういう状況になっている訳なんですが、大津さんが子供の頃って、かけ算の九九をすごく苦労して覚えた記憶ってありますか?
 
大津 かなり前の古い記憶なんですけれども、ちょっと呼び起こすと、九九は、なんか、簡単に出来たっていう気がしますね。
 
池田 そうですよね。お父さん・お母さん方も、そう思っていらっしゃる方が多いんです。ところが、実は、そんなに簡単に身についていったものではないんですね。
 
大津 そうなんですか?
 
池田 ええ。
 というのは、私、退職された教員の方などにお話を伺う事があったんですけれども、その方がおっしゃるには、当時は、まず、2の段・5の段・9の段、という身につきやすいところからスタートしていったんだそうです。そして、それを練習している間は、次の段にはすぐに行かないで、他の単元の勉強を入れて、その単元を勉強している間に、かけ算の九九の補習をしたり、算数の授業の始めに計算の練習プリントをしたりして、少しずつ身につけさせて行ったんですね。
 
大津 あ、そう言えば、2の段とか5の段とか、簡単なところから覚えて行ったというのを、今、思い出しました。なんか、ゲーム感覚というか、先生の前に並んで、合格したら○をもらうというようなことをやった記憶があります。
 
池田 そうですね。そして、その補習や練習を続けていって、ある程度、生徒が身についたところまで来たら、次の3の段・4の段、そして、それが身についたところまで来たら、最後の6の段・7の段・8の段と進めていったそうで、実際にかけ算の九九をしっかり身につけるまでには、3ヶ月とか、長い場合、すなわち、なかなか身につかない子がいる場合は、半年近くもかけて一生懸命練習したということなんだそうですね。
 
大津 じゃあ、私の時代は、九九をゆっくりじっくり時間をかけてもらった世代なんですね。
 
池田 ええ、そうなんです。
 また、お父さん・お母さん方が習ったときには、習ってすぐにスラスラ言えたという訳ではなくて、例えば、6の段を例にすると、6×1=6、6×2=12、と順に進めていって、そこで、次の答えがすぐに出てこないときには、12にすぐ6を暗算で足して、6×3=18と、答えを出したんですね。ですから、すぐにスラスラできるようになった訳ではなく、分からなくなったら途中で足し算を入れたりしながら、たくさん練習をして、馴染んでいかせるという方法で身につけていったということなんですね。
 ですから、すぐに何でもかんでも出来るようになった訳ではないんです。ただ、練習中心で身につけていく方式だったため、無理矢理覚えろと言われた訳ではないので、あまり苦労した記憶は無いと思います。
 
大津 無いです。なんか、簡単に覚えちゃったと思っていたんですけれども、昔は、時間をゆっくりかけて、子供達が「覚えられない」と思わないようにしていたんですね。
 
池田 そうです。できるところを何回も繰り返しながら、ちょっとずつ出来ないところをプラスしていって、「覚える」というよりは、むしろ「体に馴染ませる」というような勉強のさせ方をしていたんですね。
 
大津 まさに、そうだと思います。
 
池田 以前は、そのように、かけ算の九九を習っていったんですけれども、ところが、皆さんもご存じのように「ゆとり教育」が始まりまして、このときに学校の先生方は「このままで行くと、かけ算の九九どころか、学校で習う基本的な事がなかなか身につかなくなる」と言っていたんですね。
 で、その理由は、復習の機会があまりない、一回習ったら、そこでサッと全部覚えて、次の内容、次の内容と進んでいく、そういうカリキュラムになっていたからなんです。
 
大津 じゃあ、今の子供達は、自分が覚えきらないうちに次に進んでいってるってことですよね。
 
池田 ええ、そうです。
 ですから、家でちゃんと復習をやっている子は、ある程度学力は保証されていくんですが、家で全然勉強しなかった、復習しなかったという子供さんは、なかなか身について行かないんです。
 それで、今「出来る子と出来ない子の学力の2極化が進んでいる」と言われていますけれども、実は、こういうカリキュラムの部分に大きな理由があったのではないかと思っているんです。
 
大津 うちの次男がちょうど、ゆとり世代なんですよね。で、今、どうだったかと、ちょっと思い出してみると、やっぱり九九は学校では覚えきれなくて、ちょっとスパルタかも知れませんが、寝る前に天井に張り紙をして「何で、こんな簡単な事が覚えられないの」と怒った記憶があるんですけども、これって、私の勘違いなんですね。自分はちゃんと覚えられたのに、息子は覚えられないっていうのは、勉強時間の差なんですね。
 
池田 いや~、大津さんは優秀ですから、すぐに覚えられたのではないかと思いますが。
 
大津 いいえ、違います、違います、優秀ではないんですけれども。
 ただ、ちょっと今、池田さんの話を聞いていて、ああ、そういうカラクリか、そういう事だったのか、と思いました。
 
池田 それで、この「ゆとり教育」も「脱ゆとり」の路線に変わって、小学校では去年から新指導要領で授業が進むようになり、教科書の内容も復習を入れながらというものになったんです。けれども、実際に学校の授業の様子を聞いてみると、やはり勉強する内容が増えたものですから、勉強内容を進めるのに時間がかかってしまっているようです。今、小学校の2年生の算数の教科書は上・下と2冊に分かれていて、かけ算の九九は、その下の教科書の最初に入っています。要するに後半に習うようになっているんですね。ところが、学校では、前半の部分でかなり時間をとってしまって、後半の方は、端折ったような形で授業が進んでいるという話が出てきています。場合によっては、かけ算の九九を3学期の終わりにサッとやってお終いになってしまった学校もある、という話も耳に入ってきています。そうすると、お父さん・お母さんの頃のように馴染んで覚えるということが出来ないですよね。
 
大津 そうですよね。
 
池田 そして、小学校2年生だと、後半でかけ算の九九をやった後、すぐに3年生になってしまいます。そして、大抵、小学校2年生から3年生になるときには、担任の先生が変わってしまいますから、子供達がかけ算の九九が身についているかどうかが、なかなか分からないまま、どんどん勉強内容が進んで行ってしまう可能性もある訳です。
 そうすると、小学校3年生の先生がどれだけ気を使ってくれるかで、子供さんの学力がかなり大きな差がでてしまうと思いますね。
 
大津 その、端折ってしまうというのに、ちょっとビックリしてしまったんですけれども、それって帳尻合わせですよね。
 
池田 そうです。
 
大津 じゃあ、かけ算の九九を覚えているかどうかを、親も気がつかない、先生が変わって先生も気がつかなかったら、そこはノーマークで、気がつかれないまま過ごしてしまう子供達がいるっていうことですよね。
 
池田 そうですね。そのままスルーされてしまう子供達も出てくる可能性はある、と思いますね。
 
大津 う~ん、大きな問題ですよね~。
 じゃあ、お母さん方は、まず、かけ算の九九がちゃんと覚えられているかどうか、家庭でチェックした方がいいということですね。
 
池田 ええ、そうですね。
 元々、かけ算の九九はそんなに簡単に覚えられるものではないですから、やはり家庭でもしっかり練習すること。なかなか身につかないことは、これはしょうがないことなので、その場合は、何回も繰り返し練習をして馴染ませていくと考えるといいと思います。やはり3ヶ月や半年、長い場合はそのくらいまでかかると気持ちで、かけ算の九九はそう簡単には身につかないという意識で、子供さんに教えていって欲しいと思います。
 
大津 分かりました。そうすると、子供を叱らなくてもいいって言うことになりますよね。
 
池田 ええ。そうすれば、親子喧嘩をしなくても済むと思いますよ。
 
大津 分かりました。ありがとうございました。池田さんでした。
 
池田 ありがとうございました。
 
大津 今日のお話、どのように感じましたでしょうか。かけ算の九九が出来ていないと、後々困るというのは、よく分かりますよね。小学校2年生のお子さんをお持ちの方は、下の教科書の最初に出てくるということですので、この時期に家庭でしっかりサポートすることがポイントになりますね。そして、算数の授業で、先生がこのかけ算の九九にどのくらい時間を取ってくれているのか、親も気にかけるべきだということですね。
 また、3年生以上のお子さんをお持ちの方は、今一度、きちんと九九を覚えているかどうかチェックが必要です。
 
 このコーナーでは、皆さんからのご意見、ご感想をお待ちしています。
 宛先はファックス 0154ー47ー0111、Emailは761@fm946.comです。
 以上、ストップ・ザ・学力低下、このコーナーは、サンエス電気通信株式会社、株式会社エイコー、新橋ヨコハマタイヤサービスの提供でお送り致しました。
 次回は6月5日です。

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