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#1961 プロテオグリカン :難病指定クローン病へ効能はあるのか?潰瘍性大腸炎へは? June 5, 2012 [38. cancer]

 釧路には"fit"という生活情報誌がある。その2月号にバイオマティックジャパン(株)のプロテオグリカンが載っていた。釧路市議の月田さんからクローン病に効くようだと半年以上前に飲み会の席で聞いていたので記憶に引っ掛かっていた。

(90ページを超えるこの生活情報誌に「釧路の教育を考える会」の教育コラムが連載されている。会の副会長三木さんが先々週30部ほどもってきてくれた。メンバーが順番に執筆しており、2月号に「vol.10働きたくなる企業って?」というタイトルの拙文が載っているのでお読みいただけたらうれしい。最新刊は「vol.14釧路学力向上提言書」、これは教育基本法にもどって学力向上を論じた力作である。ブログ"情熱空間"の右側に「釧路の教育を考える会コラム」というリストがあるのでそこをクリックしてください。)

*ブログ"情熱空間"
 
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/

【クローン病とは】
 クローン病は消化器が非連続に炎症を起こしたり潰瘍を生じて粘膜が脱落するもので難病指定されている。発症年齢は20歳前後が多い。原因はよくわかっていない、腸内細菌が関与しているのかなんらかの自己免疫反応異常により引き起こされるのか定かではないが、大腸が炎症を起こ部分的に壊死していく厄介な病気である。小腸や大腸粘膜が潰瘍を起こし脱落・出血したらその部分を切除せざるを得ないが、それで治るわけではなく何度も繰り返すのでやっかいなのだ。遺伝的素因も疑われているが、病原遺伝子は特定されていない。

*クローン病(難病情報センター)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/81

【二人の青年】
 私は6年前にスキルス胃癌と巨大胃癌を併発して釧路医師会病院へ入院し手術したが、そのときに70歳前後の老人に混じって20歳くらいの若者がひとり同室だった。大腸が炎症を起こして手術したが術後また再発して再手術していた。どうしているかな。根室高校で同級生が二人同じ町の出身で通学のため根室に下宿していた。田舎では優秀だった筈だが、希望通り釧路の学校に進学するもクローン病を発病して中退、体調が思わしくなく生活に制限を受けるから働くこともままならない、精神的にもきつい様子がみてとれた。一ヶ月に1度の定期診察なのに1年半で3度一緒になった。「おー、ひさしぶりだな!」、お互い無事を確かめあっていた、最後に遭ったのは彼が再手術する少し前だった。

 私は6年前に胃の全摘手術をうけたあと、経過観察で1年半ほど毎月釧路医師会病院へ通院したが、あるとき進学したばかりの元塾生が入院したのを知り、診察のついでに病室へ見舞った。クローン病だった。

【自己免疫反応異常とプリテオグリカンの作用】
 プロテオグリカンは腸内細菌環境を整える作用がある、そしてアトピー性皮膚炎にも症状の緩和作用があるらしい。
 どうやら自己免疫反応異常を正常に戻す作用が期待されているようだ。サイトカインやNK細胞などの免疫細胞をプロテオグリカンが賦活化するようだ。作用機序の解明はこれからされるのだろうが、釧路の会社がシャケの鼻先の軟骨から抽出技術を確立して値段が下がった。
 まだ医薬品として承認されたものではないから効能を謳うわけにはいかないが、難病指定されているクローン病の自己免疫反応異常を抑える効果があるなら試してみる価値はありそうだ。

【サプリメントとしての利用】
 ホームページを検索したが製品仕様と価格が明示されていない。聞いた話しでは数千円だったと記憶するが定かでない。用途は「化粧品用」となっているが錠剤もあるから掛かりつけ医にサプリメントとしての使用を相談してみたらいい。

【巨額の臨床治験コストとオーファンドラッグ】
 前臨床と臨床治験をクリアしなければ医薬品としての効能を書くわけにはいかない。医薬品の承認を取るためには数十億円かかる。クローン病患者のためには製薬メーカと提携するのが一番だが、クローン病患者数が3万人、潰瘍性大腸炎患者数12万人だから市場はそれほど大きくない。医薬品承認をうけるには前臨床や臨床治験で数十億円単位のコストがかかるのが実情だ。難病指定されると医薬品(オーファンドラッグ/orphan drug)に厚生省の補助金が使えたはずだ。

(【余談】
 わたしは臨床検査会社最大手のSRLと帝人の治験部門を統合した合弁会社のシステムと経営管理部門の役員をしていたこともあるのでその辺りの事情を耳にしたことがある。W君から聞いた。
 1990年代の後半、当時は臨床治験検査受託会社としては国内最大手だった。赤字部門をだしあって合弁会社としたが2年で黒字転換した。視点を変え、事業分野の重点をシフトすれば黒字転換は案外簡単だった。予定の3年間が2年ですんだ。性格の異なるふたつの会社が合弁を組んで経営するのはなかなかたいへんだ。一緒に出向したOさんが有能な男で助かった。東大・東大大学院出の応用生物統計専門家のMも重要な役割を果たしてくれた。管理部門ではSとS女がよくやってくれた。帝人側から出向してくれたIさんも酒を飲みながらたまには酒に付き合ってくれて相談に乗ってくれた。Mさんという薬剤師が業務に精通していて困難な時期を乗り切ってくれた。システム部門のK君も、数えあがるときりがない、全員紹介しなければならなくなりそうだからこの辺にしておく。
 3年目の直前にSRL側で帝人持ち株を引き取らせてもらった。合弁解消・株買取は当初三つの目標の一つだった。黒字転換したから帝人本社には依存がなかった。この手の合弁会社はだいたいうまくいかず、赤字のまま帝人側で引き取らざるを得なくなるのがいつものコースだが反対になったと、帝人本社常務は笑って快諾してくれた。器の大きい人だった。当時の帝人本社専務M氏と常務I氏にはたいへんお世話になった。さすがに百年を超えて歴史のある会社の本社役員、紳士だった。SRL側の社長は元厚生官僚のKさん、こちらは官僚出身とは思えぬ切れ者の経営者だった。合弁会社設立の新聞公表後、会社立ち上げが暗礁に乗り上げスケジュールが間に合わない。社内でだれかいないかとの問に治験部門のシステム屋のWが「一人だけいます」と私の名前を挙げてしまった。別の子会社でちょうど面白い仕事に取り掛かり始めたところだった。ずっと大きな仕事だった。子会社社長から「本社からの指示」と事情を打ち明けられて、数日後SRL本社へ用事があって行ったら、社長のKさんがちょうど外出するところでエレベータ前でつかまった。「聞いたか?」とkさん、「やり方を含めて全部お任せいただけるなら目標3点は3年以内にクリアできます、やり方を含めてお任せ願えますか」と合弁会社経営の最終判断にかんする権限委譲をお願いし、了解をいただいた。無茶な要求を笑って「わかった、全部任せるよ」と即決。状況判断が的確で思いっきりのいい人だ。馬が合った。健康事業部門の友人Kが厚生省にいくと午前中から新聞をかぶって寝ていることがあると私に囁いたことがある人だった。そういう噂を聞いてから1年ほどで創業社長Fさんがスカウトした。本社社長であるKさんへの経営に関するレポートは十数通、計画は前倒しでクリアした。懐かしい思い出だ。面白い仕事をさせてもらった。感謝している。Kさんの話はカテゴリー「養老牛温泉夜話」にある。)

*IBDの統計情報:クローン病と潰瘍性大腸炎の患者数
http://www.jimro.co.jp/ibd/01kiso/2.htm

【サプリメント(錠剤)の服用の勧め】 
 若い人たちがクローン病で苦しんでいるのを知っているから、プロテオグリカンのあることを伝えたい。価格については釧路のバイオマテックジャパン(株)もしくは販売元の「長江建材㈱サプリメント商品開発部」へ問い合わせられたい。薬としての効能についての問い合わせには臨床治験をやっていないので応じられないことはあらかじめ理解いただきたい。
 ホームページのURLを書いておくのでクリックして製品内容についてよく読んでから問い合わせしたらいい。掛かりつけ医の相談することも忘れないように。医薬品ではなく、サプリメントとしての扱いしかできません。

 釧路市新野24-1056 Tel 0154-68-4444
*バイオマテックジャパン株式会社ホームページ
http://www.biomatecjapan.com/


**コメント欄への釧路のつきたさんからのサジェッション…

「プロテオグリカンを紹介していただきまして有難うございます。
潰瘍性大腸炎の治療効果につきましては、某大学のレポートからも有効性が確認されています。
ただ、まだ医薬品ではありませんので、薬としての販売はできません
サプリメントとして錠剤が商品化されていますので、そちらをお試しいただくしかないと思います
釧路市の長江建材㈱サプリメント商品開発部で取り扱っています。商品名は「夢楽寿」です。」


【高校生へ】
 エイズもSARSもクローン病もアトピーもみな免疫に関係があります。生物の授業で細胞性免疫や体液性免疫の話しが出てきたら、そこから興味のある分野の本を探して読んでみよう。新書版に免疫関係の専門書を平易にくだいた解説本がたくさんあります。


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つきた

プロテオグリカンを紹介していただきまして有難うございます。
潰瘍性大腸炎の治療効果につきましては、某大学のレポートからも有効性が確認されています。
ただ、まだ医薬品ではありませんので、薬としての販売はできません。
サプリメントとして錠剤が商品化されていますので、そちらをお試しいただくしかないと思います。
釧路市の長江建材㈱サプリメント商品開発部で取り扱っています。商品名は「夢楽寿」です。

尚、高柳眼科のプロテオグリカンはバイオマテックジャパン社のものとは別物です。
by つきた (2012-06-05 10:56) 

ebisu

つきたさん、情報ありがとうございます。
高柳クリニックについては記事本文を修正しておきます。
by ebisu (2012-06-05 11:11) 

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