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#1956 本マグロ放射能汚染 6.3Bq/kg 、サンマは大丈夫か? June 1, 2012 [74.高校・大学生のためのJT記事]

 5月30日付のジャパンタイムズに米国沖合いで獲れたマグロの放射能汚染記事が載っていた。共同通信が配信した記事だが、ネタ元は米国科学アカデミー紀要だから全文引用転載する。

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Tuesday, May 29, 2012

Fukushima cesium isotopes found in tuna caught off U.S.

Kyodo

Trace amounts of radioactive cesium released from the crippled Fukushima No. 1 power plant have been found in bluefin tuna caught off the U.S. West Coast, according to a study in the Proceedings of the National Academy of Sciences published online Monday.

While the amounts are not considered a health hazard, the finding reflects the magnitude of the disaster, which released massive amounts of radiation into the air and sea.

A Stanford University researcher and two others wrote that they have found "unequivocal evidence" that the tuna transported radioactive cesium released in the disaster across the Pacific Ocean after the powerful earthquake and tsunami crippled the power plant in March last year.

According to the study, the isotopes cesium 134 and 137 were found in 15 bluefin tuna caught off San Diego, California, last August. The cesium 134 reading was 4 bequerels per kilogram and cesium 137 reading was 6.3 bequerels per kg. Cesium 134 has a half-life of two years and cesium 137 a half-life of 30 years.

The tuna are believed to have been near Japan when the meltdowns occurred and migrated to the United States on ocean currents.

In comparison, no cesium 134 was found in tuna caught in 2008, while a tiny amount of cesium 137 that would naturally exist in the environment anyway was found in them.

Tokyo Electric Power Co., which runs the coastal power plant in Fukushima Prefecture, estimates that 900,000 terabequerels of radioactive material were released into the atmosphere and that 18,000 terabequerels of it entered the ocean. A terabequerel is 1 trillion bequerels.

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 福島原発事故由来のセシウム137(半減期30年)が6.3Bq/kg検出された。放射性廃棄物処理基準が100Bq/kgだからその10分の1程度なら食べるには勇気がいる。大型になるにしたがって体内に蓄積された放射能は新陳代謝により薄まるが完全にはなくならない。

 私が関心があるのは大好きなサンマの放射能汚染である。サンマは根室水産業の主力魚種のひとつであるから二重の意味でわたしはサンマの放射能汚染を気にしている。
 サンマの回遊経路に房総半島沖や福島沖が含まれている。紀伊半島周辺海域や四国、九州付近で生まれたサンマは房総沖や福島沖を通って小さな魚やプランクトンを捕食して成長しながら根室半島沖合いに北上してさらに餌を食べて大きくなり水揚げされる。大型サンマは2年ものだから、汚染された海を3度回遊することになる。マグロの10倍程度の数値が出る可能性がある。わたしは10Bq/kg程度までなら食べるつもりだ。だが、こどもたちには10Bq/kgを超えた魚は絶対に食べさせたくない。個体差があるから5Bq/kgの辺りでラインを引いておきたい。
 こどもたちの癌死のリスクを高め、そしてそのまたこどもたちへ遺伝的影響がでるだろうから食べさせたくない。
 100mSvを超えると癌死が急激に増え、明白に影響が出るという。そういうレベルなら汚染された個体だけでなくその子孫の遺伝子へも影響がでると推測せざるを得ない。地域によってはこどもたちが50mSvもの被曝をしてしまっている。SPEEDYのデータを隠したからだ。
 いまも空間線量の高い地域に子どもたちが住み続けている。食品汚染からできるだけ子どもたちを遠ざけないと100mSvの限界値を超えてしまう者たちが続出することになる。
 根釧原野の放射能汚染は東京よりひどいというシミュレーションデータもある。風向きや大気の流れで釧路と根室に福島原発事故で放出されたさまざまな放射性物質がふりそそいだようだから他人事ではない。そのご根室振興局では詳しい測定データを公表しただろうか?

 米国科学アカデミーの研究データだが、この組織に該当するのは日本学術会議である。きちんとした調査をしてデータを公表してもらいたい。肝心の日本の学術機関が福島原発事故による海洋汚染や魚の汚染に沈黙し続けるのでは信頼を失う。
 正直に誠実に調査をし、遅滞なく結果を公表するのがベストである。学術機関ばかりでなく生産者たる根室の水産業界にも求められている。東京電力相手の訴訟の準備もしておく必要がある。
 数年すれば放射能汚染濃度は薄まる。最大でも30年たてば半減する。90年で1/8に下がり、百年でほぼ10分の1だ。放射能が10分の1になったときに、遺伝子がさまざまに傷つけられた日本民族が残る。遺伝子レベルの大規模な劣化が起こり、元に戻るまで数千年かかるのかそれとも縄文時代以来受け継いできた遺伝子は永遠に失われるのか、だれにもわからぬ。

 汚染の規模については放出された放射性物質の総量が記述されているが、途方もない量でebisuの想像力を超えている。半減期30年のセシウム137は広島型原爆の168.5個分が放出された(1、2,3号機分のみ、4号機は計算値に算入されていない)という(2011年8月25日の東京新聞)。この数字は原子力保安院の公表データ(セシウム137が1.5×10^16Bq)に基いて計算されているのだが、Natureではセシウム137の放出量が3.5×10^16となっているから広島型原爆393個分となる。
 大飯原発の再稼動が決まったようだ。政府の責任で再稼動を判断するというが、福島第一原発事故で被害があまりにも大きすぎてだれにも責任がとれないことを知ったばかりではないのか?
 われわれ世代だけの問題ではなく、この弧状列島に住むこれから数十世代の人間やその遺伝子に係わる問題だから、現在の世代が責任をもてるわけがない、再稼動をしてはならぬのである。
 目先の便利さと日本民族が1万2千年に渡って受け継いできた遺伝子プールとを秤にかけたら後者のほうがはるかに重いことはあたりまえで、こどもにでもわかる理屈が便利さや欲に目のくらんだ大人には理解できない。
 親会社から子会社へ次々と東京電力の役員たちが天下りつつあるが、トコトン腐っているようだから東京電力は潰して破綻処理すべきなのだろう。
 ならぬことはならぬ。

 英字新聞を読む機会のない根室の高校生のためになるべく関心が高いと思われる記事を紹介している。ダウンロードして、一文ずつノートに書き取り、構文解析をしながら読んでほしい。
 そして原発事故と放射能汚染の問題、根室のサンマとのかかわり、日本民族がこの弧状列島で縄文以来1万2千年に渡って受け継いできた遺伝子がどうなるのか、などなどについてやわらかい頭でじっくり考えてもらいたい。


*ジャパンタイムズ
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120529b7.html

**同じキーで検索した別の記事より
・・・・・
“We were frankly kind of startled,” said Nicholas Fisher, one of the researchers reporting the findings online Monday in the Proceedings of the National Academy of Sciences.

The levels of radioactive cesium were 10 times higher than the amount measured in tuna off the California coast in previous years. But even so, that’s still far below safe-to-eat limits set by the U.S. and Japanese governments.

The results “are unequivocal. Fukushima was the source,” said Ken Buesseler of the Woods Hole Oceanographic Institution, who had no role in the research.

Bluefin tuna absorbed radioactive cesium from swimming in contaminated waters and feeding on contaminated prey such as krill and squid, the scientists said. As the predators made the journey east, they shed some of the radiation through metabolism and as they grew larger. Even so, they weren’t able to completely flush out all the contamination from their system.

***ふがいない日本学術会議
http://scienceportal.jp/news/review/1110/1110061.html


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