SSブログ

#1909 啓雲中体育館、市立図書館は震度6で倒壊  Apr. 17, 2012 [26. 地域医療・経済・財政]

 4月13日付北海道新聞根室地域版に標記のニュースが載っている。大事な論点を含んでいるので紹介したい。消防デジタル無線を5.4億円もかけて前倒しでやるよりも先にやるべきことがある。優先順位が間違っているだろう。記者は坦々と数値を並べ、「これでいいの」と言わぬばかりに読み手に判断を委ねている。

===================================================
啓雲中体育館など
 
震度6強で倒壊も
  市内5施設、耐震補強へ

【根室】柴山能彦教育長は12日の市議会本会議で行政報告し、昨年度耐震診断をした啓雲中と落石中、昆布盛小の各校の体育館などと市図書館、市青少年センターがいずれも、震度6以上の地震で「倒壊する危険性がある」と判定されたことを明らかにした。5施設は災害時の指定避難所でもあり、早期に耐震補強を行う方針を示した。(栗田直樹)

 国の耐震基準(Is値)では、0.6未満は震度6以上で「倒壊する危険性がある」、0.3未満は「倒壊する危険性が高い」としている。特に、子供が学ぶ学校施設については文部科学省が基準を厳格化しIs値0.7以上の確保を求めている。
 校舎の耐震化改修を終えている啓雲中では、体育館はIs値0.32で、校舎と結ぶ渡り廊下の中央部が同0.22だった。…
 市青少年センターは体育館棟がIs値0.38、市図書館は1階フロアの一部で同0.45となり、市教委は緊急度や優先度を考慮して耐震化を図っていく。・・・

===================================================

 根室は地震が多い。北米プレートと太平洋プレートが根室半島沖でせめぎあって大地震が度々起きる。
 1994年10月4日22時22分に起きた北海道東方沖地震M8.2では釧路と厚岸で震度6だった。ところが、震源地に近い根室の震度は5。これは地震計を設置している場所が合同庁舎のあるところで、根室では有数の岩盤に設置されており、他の地点よりも震度が小さくでてしまうからで、他のほとんどの地区では震度6強だっただろう。震源地は釧路よりも根室のほうが近かったのだ。もう一度あのような地震が起きたら倒壊する可能性のある公共建物がいくつかあることがわかった。耐震診断が遅れていることは承知しており、耐震診断後速やかに工事がなされるものと思っていたが、そうではなかったということ。こういうことは後手に回ってはいけない。

 病院建て替えは藤原元市長時代および長谷川現市長の2代に渡り病院コンサルタントの長氏に3度講演会まで開いて具体的な提案をいただいた。それは売り上げの範囲内での建て替えで、すべてひっくるめて25億円以内でやるべきだというものだった。ところがこの提案を無視して、現市長は63億円もの巨額の予算案を市議会へ提出し、市議会は満場一致でこれを認めた。コストカットはなされず市民への説明もなかった。市議3名が要求した市民説明会開催も無視したのである。
 そしてにわかに消防デジタル無線化5.4億円の予算案が市議会にかけられている。財源手当てのために市債は増えている。市の予算規模も数年前までは140億円台だったのが、人口が2.9万人を割ったのに今年度170億円を超えてしまっている。病院事業の赤字特例債を10億円も発行していまその返済に苦しんでいる。また消防デジタル無線で市債発行額が増える。そして返済がすぐに始まるから、来年以降の予算編成に影響する。つまり、次の市長が使うべき予算を市債を発行して先取りして現市長が使っていることになる。

 その一方で、優先順位の高い中学校の体育館の耐震改修や小中高生が練習に励む青少年センターの耐震改修、利用の多い市立図書館の1階フロアの耐震改修が後回しになっている。柴山教育長の答弁では建物ごとの耐震改修工事スケジュールすら明らかになっていない。ものごとの優先順位を理解できないおろかな話だ。
 ちょっと頭をかすめたことがある、市役所庁舎の耐震診断は終わっているのだろうか?

 消防デジタル無線よりは、これらの建物の耐震改修を優先すべきだと判断する市民は多いだろう。
 誰にでも間違いはあるからチェック機能が必要なのだ。市議会議員は市民の代表として市政チェック機能を担い、「根室市議会ここにあり」とその存在意義を示したらいかが?

にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0