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#1901 根室市の人口2.9万人割る Apr. 11, 2012 [87.根室の話題]

 4月5日の北海道新聞根室地域版から。

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 市の人口2万9000人割る 3月末
【根室】市は4日、3月末人口が2万8923人(速報値)になったと公表した。2月末に比べて164人減り2万9千人台を割り込んだ。2010年3月に3万人を割った後も現象が続き、ちょうど2年で千人も減らした。
 前年同月比では407人の減。3月は官公庁や企業の異動による転出が集中し例年人口は大きく減り、4月は転入で多くなる傾向がある。10年4月末は前月比36人減らしたが、11年4月末は同27人増だった。今月、転入が増えれば4月末で2万9千人台を回復する可能性は残されている。
 一方、管内2位の人口を持つ中標津町は3月末、2万3934人(前月比274人減)だった。(栗田直樹)
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 2年間で千人の人口減少のペースは前市長のときよりも年間で100人も多くなっている。年頭の市長の施政方針を市役所ホームページで検索してみた。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/doc/1db1c7e62c539df0492579d4001f78ad?OpenDocument

平成18年9月に市長に就任し、5年半が過ぎようとしています。この間、一貫して「根室の再生・再興」の理念のもと「希望の根室」を目指し、市民・市議会・産業経済界の皆様との連携を深め、市政運営にあたってきました。
1.「根室再興政策プロジェクトの加速的な展開」

 市長は前年度も似たようなことを言っていたが、人口減少は歯止めがかからぬどころか加速している。「根室再興」は単なるお題目にすぎず、有効な具体策がない。市長は2011年度予算のときにも「3万人を割った人口減少に歯止めをかける」と言明しているが、事実は人口減少の加速である。市長と企画部門の行政能力の欠如を示すものだろう。いやいや、行政だけで人口を増やしたりマチを活性化できるわけではない。地元経済界の役割も小さくないはず。それゆえ、行政の役割を過大視した所信表明自体が世の中の仕組みへの無理解を表すものとなっている。人材不足とはこういうことをさす。

 歴代市長と経済諸団体がお互いに不都合なことはことあげせず、なあなあでやるというのがこのマチの旧弊である。それが続く限り、マチの将来に希望の光は見えぬ。

 どういうわけか自らが招聘した病院コンサルタント長氏の提案(25億円での建て替え案)を無視し、コストカット努力をせずに63億円という巨費を投じて市立病院建て替えが進行中である。病院職員が危機感をもっていた老人医療(療養病床)の問題は無視されたし、市民説明会はついに一度も開かなかった。市長の諮問委員会であった「建て替え市民整備委員会」は形骸化して、審議すらできなかった。当日に資料を見せられて「明日道庁へもって行かないとならないのですぐに承認を」というようなことを市長は平気でやった。憤慨した委員も中にはいたようだ。もう一つ言うと、地域医療協議会が市立病院で老人医療のための療養病床をもつべきだと提言していたにも関わらず、市長はこの要望も無視した。かたくなで閉鎖的な市政運営にあきれている市民が多いのだろう。医療が必要になる前に根室から老人予備軍が"流出"していくことになるだろう。お題目は「根室再興」でもやっていることは「根室衰亡」の手を着々と打っているようにみえてしかたがない。
 最近のことを挙げると、消防のデジタル無線は5.5億円もの予算案を組みながら、何にいくらかかるのか消防本部のホームページを見ても一切説明がない。50もサイトがないのだから、1サイト1千万円以上ものコストがかかることになるのだろう。デジタル無線に救急車や消防車両1台当たり1000万円を超えるのである。何にいくらかかるのかホームページ上で説明すべきだろう。5億5千万円の投資の説明義務が市の消防本部にはある。市議が調べて報告会を開いて公開したっていいし、ブログ上で明らかにしたっていい。それくらいのことはやってもらいたいものだ。
 とにかく市民とのコミュニケーションを拒絶しない姿勢が大事だ。内容がわかれば納得して賛成する市民は多いだろう。

 #1395をクリックしてみてもらいたい。2009年6月に根室青年会議所が実施した市民アンケートの結果が載っている。2011年度2月に市長は「根室に住み続けたいと思う市民アンケートの数値80%台(03年度63.3%)達成も目標に掲げる」とも言った。
 しかし、このマチに住み続けたいと思う人は驚くほど少ない。「できれば住みたくない」と「住みたくない」をあわせると40.1%である。なぜだろう?

 市民の多くはうんざりしている。自然豊かな根室にうんざりしているのではない、相互批判を欠き、不都合な真実に目をつぶり続け、旧弊が維持されることにうんざりしているのだ。旧弊が維持されればこのマチは衰退を続けるだけだ。見切りをつけ、あるいは職を得られずマチを去る市民が増える。
 そんなマチのありように終止符を打ちたい。住んでいる人間がマチを変えるしかない。そのために10年前に古里へ戻ってきた。人を育てることが一番の近道だろう、だから私塾だ。学力が高く独立精神の強い子どもたちを百人育てたい。その中から将来根室を担う者が出てくることを期待している。

 団塊世代のわたしが高校を卒業して東京へ出て行った昭和42年は人口が4.8万人ほどもいた。中標津町は1.6万人だった。比率で言うと3対1、人口差は3.2万人。45年後この二つのマチの人口差は0.5万人(5000人)を割った。根室は2.9万人中標津は2.4万人、この現実を見よ。
 これ以上一部の者たちの恣意的な市政運営=旧弊を続けてはいけない。それぞれが自らの職務を正直に誠実に遂行し、言うべきことを言うべきときに言わねばならぬ。軋轢や摩擦を避けたら旧弊は取り除けない。この地に住むわたしたちに覚悟が求められている。
 ニムオロ塾では学力が高く一人でも戦い続ける強い精神と不屈の根性をもった若者たちを育てたい。そういう者たちがあまりに無少ないからこのテイタラクがある。
 親が旧弊に染まっていても子どもは別である、首都圏で25年間企業経営のプロでもあったebisu塾長がしっかり鍛えてやるからニムオロ塾に来い。このままでは人口減少とともに多くの企業がつぶれていく。親から家業を引き継いで同じ経営のやり方をしていた企業の大半がつぶれた。その中には根室の老舗がいくつも数えられる。


*中標津町人口統計のページ
 
http://www.nakashibetsu.jp/nakashibetsu.nsf/doc/jinkou?OpenDocument

*#1187 無投票市長選 数字で見る根室の課題(2):人口推移 Sep.2, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02

 #1395 根室市23年度予算案:「根室再興」???  Feb. 25, 2011 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25

 
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コメント 4

おもし蟹

ebisuさん。こんにちは。

久々の書込みをします。
私も仕事の関係上、最近まで首都圏と往復の日々でしたが
やっと落ち着いたので。。。

根室の人口2.9万人を切りましたか。。。
現状の根室市内では今後も減るのでしょう。
一方、中標津は徐々に人口を増やしつづけています。
もう根室市が根室町になってしまう現実がくるのかもしれない。

ミシュランガイド北海道2012(4月20日発売)で、中標津の蕎麦屋さんの伊とうさんが1つ星つきました。
あと釧路市では紀伸さんと玉川庵さんが1つ星です。

これだけみても根室と中標津の違いが分かってしまう。

行政だけではなく、民間でも徐々に遅れだしている。

根室には既に未来がないのかもしれない!?
by おもし蟹 (2012-04-11 10:04) 

ebisu

おもし蟹さんへ

お久しぶりです。
ミシュランガイドに根室のお店も載るとうれしいのですが、なかったのでしょうね。
スワン44のレストランからの眺めが素晴らしいのですが、いくらなんでも2時にラストオーダーではいけませんね。
ちょっと気の利いたメニューがあれば載せたくなるでしょうね。

>行政だけではなく、民間でも徐々に遅れだしている。

民間と行政はつねに同じレベルなのでしょう。釧路の教育を考える会のメンバーを話しをするたびにそう思います。教育問題への発言は市議と地元経済界から危機感が沸き起こり、市教委と市長を動かしつつある。
根室はどちらも危機感なし。なんて人材不足なんだろうと慨嘆せざるを得ません。
わたしは生粋の根室人、とても残念です。しかし、子どもたちには希望をもっています。さあ、今日もがんばって授業をやろう。(笑い)
by ebisu (2012-04-11 12:56) 

ホームラン焼き

はじめまして!

いろいろ検索していたら、このサイトに出会いました。
私は仕事の関係で約10年間、根室に在住しました。暮らしていて感じたことは、「昔は賑やかだった。」「産業がたくさんあった。」「伝統があるんだ」などの声が多く聞きました。又、
金毘羅神社例大祭でも北海道3大祭りとポスターに大きく書かれており、「それほどでも・・」嫁と首をかしげたものでした。

ああ、根室の人は過去の栄光に縋っているんだなと思いました。過去の栄光があるから、変えようとしない風土なのかなと思いました。

行政も困ったら、国や道が何とかしてくれる。昔のまま、やっていれば良い、市民はそれを冷ややかに見ていると感じ取れました。諦めムード感がいっぱいの様で。

私の故郷は稚内ですが、昔の産業は漁業・農業、最北端の宗谷岬と最東端の納沙布岬、ロシアに近いなど、根室に似ている部分は多く、稚内では漁業が衰退したころ、市が積極的に観光に力を入れ、今では主力の産業になっています。街並みもガラリと変わっています。

現在は首都圏に住んでいますが、長い間、住んでいたので、それなりに根室に愛着もあり、定年後は子供たちが小さい頃に育った、思い出のある根室に移住しようかとの考えもあります。

人口が減って、このまま過疎化が進むのは、とても寂しいですが、小さな町でもいいんです。根室の町には人の温もりが感じられます。よい街になる資質や地盤はあるのですから、ぜひ、変えていって欲しいと思います。それらを担う、若者やリーダーを育て上げること、検討を祈っています。

乱文、長文にて失礼いたしました。






by ホームラン焼き (2012-04-13 01:47) 

ebisu

ホームラン焼きさんへ

花咲港のホームラン焼きを思い出してコメント用のハンドルネームにしてくれたんですね。、ありがとうございます。
手ごろな大きさなので、食べやすく、年に何度か食べます。甘太郎は大きすぎて胃のない私にはある種の"決意"が必要です。

金比羅さんのお祭りが北海道三大祭だったのは戦前の話でしょうね。それを今でも言い募るのは過去を振り返るのみで現状をみることの根室人の視野の狭さを現したもの、情けない。
小さくたっていい、三大祭でなくても、金比羅さんのお祭りはねむろっ子の年に一度の楽しみで、これを目的に帰省する人も多い。
小さくたって誇れるもの、誇っていいものはたくさんあります。

稚内は漁業が衰退し観光に舵を切り、町並みががらりと変わったのですか。行政が長期的な展望をもつことの大切さを痛感します。
北方領土問題を抱える根室は、なんでも国の補助目当てで、自分の頭で考え、自力でなんとかしようという気概がありません。北方領土問題のお陰で中央の奴隷根性がしみついてしまって、その臭さに自分たちだけが気がつかぬという有様です。

でもわたしな古里が好きで、35年ぶりに東京から戻ってきました。
縁があって根室の十年住んでいたあなたがもし根室に来られることや住むことがあったら、幟を立てて大歓迎(笑い)

小さくても住みよいマチであればいい。縮小歓迎へ舵を切るべきなのでしょう。縮小をしつつバランスをとるためにはやるべきことがたくさんあります。
在りし日を取り戻そうともがく必要はもうないのでしょう。
住民の大半が気がついています。行政とセンスの悪い経済団体がそうではないだけ。
by ebisu (2012-04-13 11:11) 

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