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#1856 活性化「なりふり構わず」:北海道新聞根室地域版より Feb. 25, 2012 [26. 地域医療・経済・財政]

 根室支局の記者がいい記事を載せてくれた。さすがベテラン記者である、タイトルで問題点をえぐって見せたし、解説も全体の事情が俯瞰できてよくわかる。ドウシンの記者は3年前後で転勤するから、関係者に遠慮せずに"記者魂"を発揮して問題点をえぐって見せることができる。物言わぬ(言えぬ)市民になり代わってズバズバ指摘するところが根室支局の存在理由かもしれない。
 (本当は根室人の手でこういう問題を採り上げ、議論すべきなのだが、根室にずっと住んでいると物が言えなくなるというのが根室人の一般的傾向であるらしい。しかし、北海道新聞だけがオピニオンリーダーでは情けないから普段は読んでいない地元紙にも期待したい。)

2月22日北海道新聞根室地域版より抜粋
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根室市新年度予算案
 活性化「なりふり構わず
  市長会見 建設事業に44億円
【根室】長谷川俊輔市長は2012年度予算案を発表した21日の記者会見で、人口減少と地元経済の低迷に危機感を表した上で「根室の再生に全力で取り組める予算になった」と述べ、全会計で本年度当初より11%も膨らんだ予算案となったことへ市民の理解を求めた。(栗田直樹)

 長谷川市長は、市立根室病院の改築にめどが立ち、次の最重要課題を地域活性化と位置づけ「今強力にやらなければ禍根を残す。なりふり構わず根室を魅力的なマチにして人を呼び込みたい」と力説。具体策として産官学連携や移住・定住促進などを図る「根室再興プロジェクト」の展開などを挙げた。・・・

 市債発行が50億円
  過疎債多用 将来に重い負担
<解説>市の新年度予算案は近年にない積極財政となったが、それを可能にしたのは借金だ。市債の発行は全会計で50億7989万円に上り、本年度当初に比べ倍の規模。市は有利な地方債を選択し、発行額の突出は「一時的」と説明するが、将来世代への負担のツケ回しにほかならず、今後に重い課題を残した。
 50億円を超える市債発行は北海道東方沖地震の復旧経費を計上した1995年度の53億4600万円以来。ここ数年は20~25億円前後で推移していた。
 新年度予算案で借金依存が進んだ最大の要因は、病院改築で最大の25億4620万円を病院会計で起債したため。だが一般会計でも特別養護老人ホーム「はまなす園」増床の整備補助、半島4小を統合する歯舞小新築などで市債総額は20億9929万円に上った。
 巨額ぶりが目立つが、記者会見で長谷川俊輔市長は「最も有利な市債を選んだ」と述べ、国から返済額の7割が賄われる過疎債を多用したことを説明、財政悪化の懸念払拭に努めた。・・・
 だが、建築事業充当の市債発行に8億円の上限を設定していた第5次財政改革(10~14年度)を、新年度を含め3年連続で破り自ら空文化させる結果となった。今こそ市民が納得する財政規律の確立が求められている。(栗田直樹)
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―ebisuのコメント―
【行政センスの悪さ】
 マチの活性化を公共事業でやろうとする行政センスの古さはいまどきめずらしい。公共事業でマチが活性化するなら苦労はいらぬ。きちんと仕事をすれば坪単価80万円ですむものを110万円もかけ(市立病院)て建て替え工事が進んでいる。ニーズに合わぬ仕様(15人の常勤医に32の外来診察ブース、入院病棟個室が35というアンバランス(経営を圧迫する)、老人医療用療養病床ゼロ)である。

【不可解な補助金】
 そして、たった35床の特養増床に5.5億円という不可解な巨額補助。
 わたしは2000年に首都圏で特例許可老人病院を療養型基準適合の病院へ建て替える仕事を引き受けたことがある。坪単価65万円、総工費11億円でやった。施行は新日鐵、超一流のゼネコン。仕事とそれに必要な職務権限と責任の三つはセットであるから、わたしの肩書きは常務理事だった。そして約束どおりの仕事をした。
 わたしは藤原前市長時代に道庁から出向していたK企画振興部長とK病院建て替え室長に病院建物の建築仕様書を渡し、内容の説明をしている。ニホロ移転の場合の損益シミュレーションデータも説明した上で差上げた。そのK部長の説明によれば、当時の「道の基準」では坪単価130万円。わたしはそのときに東大出の一級建築士(担当営業部長)から坪単価150万円で「大理石の病院」が建つと聞いたことを思い出した。
 これほど低コストですんだのは、ゼネコンさんと誠実にそして基本に忠実に仕事しただけのことで、仕事の基本のわかっている人なら誰にでもできるだろう。新たな実務の設計、院内各部署と建築仕様のまとめ、そしてゼネコンとの交渉、建て替えにかかわる仕事のポイントはたったの三つだった。1983年と84年の2度の統合システム開発でこの手の仕事に慣れていたことも幸いした、建て替えの検討開始から工事着工まで1年半を要した。根室市は何年かけたのだろう?場所も二転した。不手際な仕事だった。
 前置きが長くなったが、そうした経験からいえば、35ベッドの増床に5.5億円の補助金は130ベッドの療養型病院建て替え総工費に匹敵する。何か特別な理由あるいは事情があるはずだが、どうして丁寧に説明しないのだろう。閉鎖的な体質をそろそろ変えるべきではないのか?
 市長と市役所が説明しないなら、市議会がきちんと市民へ説明すべきだ。

【大局の読み違えはなぜ生じるのか】
 根室の老人化率は27%、7800人を超えた。人口減少は加速し年間450~500人も減りだしている。10年後には空き家が1000軒はでるのではないか。取り壊しを公費でやらざるをえない事態も予測できるし生活保護世帯の増加も予測される。市中経済はさらに衰退の度合いを深めるだろう。そのうえ国の財政も破綻の瀬戸際にあり、地方交付税がどうなるか読めない時代になってきた。
 近い将来根室市の財政は急速に悪化することが予測できるから、それに備えて根室市の借金をゼロにすべきだ。それなのに予算規模を拡大し、ツケを次の市長へ回して恥じぬ、なんという行政センスの悪さだろう、公共事業でマチの活性化なんてありえぬ、一部の建設業者が潤いツケが次の市政に回されるだけのこと。大局を読み違えている。
 我欲を離れ厚みのある教養に支えられて大局は読めるもの。わたしはニムオロ塾で子どもたちに良書の音読指導をしている。基礎学力を支えるのは「読み・書き・ソロバン」、その中で一番重要なのが「読み=読書力」である。あまり本を読まぬ人なのかも知れぬ。

【健全な経営感覚と批判精神の欠如はマチを衰退させる】
 一般市民へ理解と納得のいく市政をしない限り、根室の町が活性化するなんてことはありえないだろう。
 それにしても、いろいろな団体がありながらどこも何も言わぬ。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」という伝統的な商道徳をもった団体はないのか?
 いつまで根室の町の衰退に手を貸すつもりなのだろう?

【このままでは共倒れの懸念あり】
 市立病院赤字は11年度ついに13.5億円の巨額に達しどこまで増えるのか知れない。病院改善計画ではありえなかった巨額の赤字である。そして高齢化に備え借金をゼロにする努力をすべきときなのに、借金を大幅に増やすこの放漫予算。学校統廃合などいくらでも予算をカットする方法はあるから努力をすべきだ。
 市政と仕事の関連をもった会員を抱える諸団体は自分たちの利益のみを考え、ふるさとの衰退に目をつぶってはいけない。
 目を覚ませ、このままでは共倒れだ。
 ふるさとで末永く商売を継続するために、よく考えて判断し行動すべきとebisuは思う。
 だが、余計なお世話かも知れぬ・・・(笑い)

【根室のマチの現状】
 大型スーパーはすでに3つとも地元資本ではない(マルシェが地元資本ではあるが肝心の仕入をJRの子会社傘下になっているから地元資本による運営とはみなせない。ファミリーデパート、シーサイドと次々に消えていったのは仕入れ先開拓努力の不足。安易な道内仕入れは戦前からの根室の商人の致命的な欠陥)。
 商店も次々なくなり、この数年間でセブンイレブンが増えた。
 中標津の地元スーパー東武サウスヒルズの発展とは好対照に根室の地元資本は振るわない。
 安易な道を歩むからではないのか?
  立派な職人は仕事の手を抜かない。仕事を手抜きする職人はろくな者ではない。
 企業経営も同じこと。

 祇園精舎の鐘の声
 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色
 盛者必衰の理をあらわす
 おごれる人も久しからず
 ただ春の夜の夢のごとし
 たけき者もついには滅びぬ
 偏に風の前の塵に同じ

 そうはならぬことを祈って・・・

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*#1881 常勤医12名で赤字は15億円超に拡大か? Mar. 15, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-15-1

 #1867 根室に市議会はあるか?:市立根室病院の赤字脱却焦点 Mar. 4, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-03-04-2

 #1855 一般会計2.4%増164億円(根室市予算案) :北海道道新聞根室地域版より Feb. 23, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-23

#1856 活性化「なりふり構わず」:北海道新聞根室地域版より Feb. 25, 2015 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-25

 1812「インチキ公営企業会計基準廃止:民間基準の適用 Jan. 23, 2012」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-23-1#comments

 #1799「市立根室病院事業会計11.7億円の赤字:"広報ねむろ1月号"より」 Jan. 8, 2011 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-09

 #1773 膨らみ続ける市立根室病院赤字(北海道新聞より) Dec. 15, 2011 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-15

 杞憂(5) 市立根室病院赤字2368万円の嘘 #859 Jan.10, 2010 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-01-10


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おもし蟹

これは私的見解です。
現状の根室を考える。

・少子高齢化の急進行
・地元企業の衰退
・個人収入の減少
・生活保護者拡大
・商店街が消滅状態
・学力の低下
など色々の問題が山済みである。

大手企業でも採算の取れないこの町から手を引くことを考えるのが当然な結論である。
今は中標津に出店する方が集客もあると考える。

移住者や定住希望者の目から見ても根室の選択はほぼない。
理由を数点挙げると・・・
・家賃が他の僻地より高い。
 (札幌と同じぐらいの家賃)
・物価がほぼ首都圏と変わらない。
 (野菜などの価格が高い)
・店がない。(なので通販に依存する)
・娯楽の種類が少ない。
 (娯楽の代表がパチンコ屋。)
・釧路-根室間の移動距離が長い。
 (これが移動で問題となる。医療や物資など)
・農業より畜産や漁業が主のため、脱サラが難しい。
・医療の心配
(根室より、釧路<札幌の方が安心できる)
がある。

こんな根室市の閉塞状態を再興するには、かなり奇抜なこと考えるしかない。
お金をかける地域活性化では限界がある。
奇抜案としては、『水産庁を根室に移転させる』とか見たいな、馬鹿な人間が考える案が必要である。
正直、馬鹿な人間ほど良いアイデアが出てくる。

もっと市政は、市民の声を聞くべき。
いや市政だけではない。
今の国政も同じである。
今も限界状態の生活なのにこれ以上苦しめてどうする!
by おもし蟹 (2012-02-25 22:35) 

ebisu

>これは私的見解です。

わたしはいつも思いっきり"私的見解"を書きまくっています。(笑い)

詩的見解にも素敵見解にもさっぱりなりません。
市政も国政も金太郎飴のようにどこを切っても同じ顔が出てきますね。

>・家賃が他の僻地より高い。
 (札幌と同じぐらいの家賃)

この点は同感。わたしの借りているところの家賃は東京新宿駅前徒歩3分の古いビルの半額です。民間アパートも地価を考えるとべらぼうです。釧路に比べてさえ5割ぐらい高いような気がします。
根室人はお金持ちなのでしょうかね。

根室は人口2万人ぐらいで、落ち着いた良いマチになればいいのだろうと思います。
市政を壟断してわが世の春を謳っている人たちもあらかた掃除されます。
それでいい、そうなればいろいろ不便はあっても和気藹々と意見を言い合ってマチの将来を決められます。

かれらが自分たちの利益のみを追い求めてあがけばあがくほど
by ebisu (2012-02-25 23:39) 

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