#1785 狭い日本に汚染土の保管場所はない:5000bq/kg Dec. 28, 2011 [13. 東日本大震災&福島原発事故]
明日29日で中3対象の5日間冬季特訓が終わるが、福島第一原発事故はまったく収束を見せていない。
政府は"冷温停止"で"原発事故は収束した"と宣言したが、福島県議会は福島の実情を理解していないと全会一致で政府にクレーム。
その福島県議会や原発のある町の議会、そして知事や町長は諸手を挙げて原発に賛成したこともあるのだろう。3月10日まで補助金のありがたさを味わっていた、なんという皮肉。やはり、タダより高いものはなかった。
原発への地元雇用の確保とか相場の数倍もの価格での土地買収とか、嫌がらせとか、ありとあらゆる手段を駆使して原発建設がなされてきた。全国54基の原発もまもなくそのすべてが停止する。
冷温停止とは通常運転中の原子炉が停止した状態を言うのだそうだが、メルトダウンやメルトスルーした原子炉内温度を測って冷温停止とは笑止。熱くなっているのは原子炉圧力容器の外、格納容器をスルーして建屋基底部のコンクリートに融けて流れた核燃料だ。
いま放射能汚染土の保管場所をどこにするのかという問題が持ち上がっているが、どこにも保管場所はないのが実情である。
土壌放射能が5000bq/kg以上の地域が8300haあるという。表土4cmを剥ぎ取ると300万トン。こんな濃度の汚染土を大量に保管したら、そこには数百年間人が住めないだろう。地下水だってきっと汚染される。たとえば、200年間そこに人が住めなくなれば、もう誰にとってもふるさとではなくなる。ふるさとは永遠に失われる。
今回の深刻な原発事故でわかったことは三つ。
①原子力村の専門家の言うことは嘘だらけだった
②マスコミは原発の危険性についてほとんど明らかにしてこず、事故現場の取材すらできなかった
(とくにNHK科学文化部のM氏は率先して原子力村の専門家の意見を代弁していたことを注記しておきたい。視聴者からの料金収入でなりたっており、それゆえ厳格に公正中立であらねばならぬはずのNHKは原発事故に関してその後も偏向報道(福島県下の食品をサンプリング検査しセシウムゼロの番組あり、その後視聴者からの批判で検査のやり直しをしているようだ)を続けている。
朝日新聞は「プロメテウスの罠」の記事のブログ転載について各プロバイダーに差し止め請求をした。政府批判記事を自主規制しているように見えるが、なにやら戦時中のマスコミに似てきたような気がしてならぬ。)
③狭い日本列島で原発事故を起こしたら除染処理ができない
最後の項目が一番問題である。表土を剥ぎ取って積んだところで、放射能がなくなるわけではない。
私たちはなんという取り返しのつかぬことをしたものか、それでもまだ原発再開を叫ぶ者たちがいる。もうひとつ事故が起きれば日本の半分は放射能に汚染されてしまう。北海道と西日本に事故が起きれば70%がアウトだ。除染などできるはずもないのだ。
チェルノブイリを見るがいい。冷温停止を保つためにいまも3500人が電力を生み出さない原発で被曝しながら働いている。
周辺地域の除染は25年たってもまったくできない。つまり、大きな原発事故で広い地域に撒き散らされた放射能の除染は不可能ということ。それが単純な真実だ。
狭い日本で汚染土を保管する場所はなく、除染は無理だということが次第に明らかになりつつある。汚染土をどこかに集めて保管しても放射能がなくなるわけではないし、その周辺に何百年も人が住めなくなるだけは確かなことだろう。
蓄積された放射能は長い間に川を通じて海に流れ出し、飲料水や食物を通じて日本人の身体に還ってくる。何度も何度も繰り返し世代を超えて日本人の身体を汚染し、被曝を繰り返す日本人の遺伝子プールは劣化を続けることになる。
遺伝子が傷害されることによって起きるのは癌や白血病や先天異常だけではない。遺伝子が集まってできている染色体もありとあらゆる異常を引き起こす可能性がある。もちろん、遺伝子がコードするさまざまな蛋白質も影響を受けるから、生まれたときだけでなく、思春期とか人生のあらゆる場面で精神面への影響も否定できない。
日本人を被験者として壮大な被曝実験をしているようなもので、私たちにできることは人類のためにしっかりデータを残すことだ。
取り返しがつかぬが、次の世代へ原発を残すことだけは阻止したい。
2011年3月11日、日本の終わりまで記憶される日付。
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政府は"冷温停止"で"原発事故は収束した"と宣言したが、福島県議会は福島の実情を理解していないと全会一致で政府にクレーム。
その福島県議会や原発のある町の議会、そして知事や町長は諸手を挙げて原発に賛成したこともあるのだろう。3月10日まで補助金のありがたさを味わっていた、なんという皮肉。やはり、タダより高いものはなかった。
原発への地元雇用の確保とか相場の数倍もの価格での土地買収とか、嫌がらせとか、ありとあらゆる手段を駆使して原発建設がなされてきた。全国54基の原発もまもなくそのすべてが停止する。
冷温停止とは通常運転中の原子炉が停止した状態を言うのだそうだが、メルトダウンやメルトスルーした原子炉内温度を測って冷温停止とは笑止。熱くなっているのは原子炉圧力容器の外、格納容器をスルーして建屋基底部のコンクリートに融けて流れた核燃料だ。
いま放射能汚染土の保管場所をどこにするのかという問題が持ち上がっているが、どこにも保管場所はないのが実情である。
土壌放射能が5000bq/kg以上の地域が8300haあるという。表土4cmを剥ぎ取ると300万トン。こんな濃度の汚染土を大量に保管したら、そこには数百年間人が住めないだろう。地下水だってきっと汚染される。たとえば、200年間そこに人が住めなくなれば、もう誰にとってもふるさとではなくなる。ふるさとは永遠に失われる。
今回の深刻な原発事故でわかったことは三つ。
①原子力村の専門家の言うことは嘘だらけだった
②マスコミは原発の危険性についてほとんど明らかにしてこず、事故現場の取材すらできなかった
(とくにNHK科学文化部のM氏は率先して原子力村の専門家の意見を代弁していたことを注記しておきたい。視聴者からの料金収入でなりたっており、それゆえ厳格に公正中立であらねばならぬはずのNHKは原発事故に関してその後も偏向報道(福島県下の食品をサンプリング検査しセシウムゼロの番組あり、その後視聴者からの批判で検査のやり直しをしているようだ)を続けている。
朝日新聞は「プロメテウスの罠」の記事のブログ転載について各プロバイダーに差し止め請求をした。政府批判記事を自主規制しているように見えるが、なにやら戦時中のマスコミに似てきたような気がしてならぬ。)
③狭い日本列島で原発事故を起こしたら除染処理ができない
最後の項目が一番問題である。表土を剥ぎ取って積んだところで、放射能がなくなるわけではない。
私たちはなんという取り返しのつかぬことをしたものか、それでもまだ原発再開を叫ぶ者たちがいる。もうひとつ事故が起きれば日本の半分は放射能に汚染されてしまう。北海道と西日本に事故が起きれば70%がアウトだ。除染などできるはずもないのだ。
チェルノブイリを見るがいい。冷温停止を保つためにいまも3500人が電力を生み出さない原発で被曝しながら働いている。
周辺地域の除染は25年たってもまったくできない。つまり、大きな原発事故で広い地域に撒き散らされた放射能の除染は不可能ということ。それが単純な真実だ。
狭い日本で汚染土を保管する場所はなく、除染は無理だということが次第に明らかになりつつある。汚染土をどこかに集めて保管しても放射能がなくなるわけではないし、その周辺に何百年も人が住めなくなるだけは確かなことだろう。
蓄積された放射能は長い間に川を通じて海に流れ出し、飲料水や食物を通じて日本人の身体に還ってくる。何度も何度も繰り返し世代を超えて日本人の身体を汚染し、被曝を繰り返す日本人の遺伝子プールは劣化を続けることになる。
遺伝子が傷害されることによって起きるのは癌や白血病や先天異常だけではない。遺伝子が集まってできている染色体もありとあらゆる異常を引き起こす可能性がある。もちろん、遺伝子がコードするさまざまな蛋白質も影響を受けるから、生まれたときだけでなく、思春期とか人生のあらゆる場面で精神面への影響も否定できない。
日本人を被験者として壮大な被曝実験をしているようなもので、私たちにできることは人類のためにしっかりデータを残すことだ。
取り返しがつかぬが、次の世代へ原発を残すことだけは阻止したい。
2011年3月11日、日本の終わりまで記憶される日付。
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2011-12-28 22:25
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先頃北朝鮮の金正日が亡くなり、今更のように北朝鮮の国の在り方にいわゆる自由主義国家(?)からの冷ややかな視線が注がれています。見る方はさも全体主義・独裁専制政治の悪魔のように思っているのでしょうが、では果たしてそれは人事でしょうかね。
今回の福島第一原発の事故・・・起きてからもう9ヶ月以上に成りますが、今のマスメディアはどうでしょう。被災住民の話(頑張れ!の根性物やお涙頂戴物)はザラですが、未だに嘘ばかり垂れ流す政府や東電に対する非難や現実に放射能で汚染された地域の検証の報道は全くと言って良いほど有りません。(勿論さすがに通り一遍の表現はしていますが)
ここが北朝鮮ならさもありなん。しかし日本は一応自由主義を標榜している西側国家の端くれです。それなのにその国のマスコミも結局は本質的には北朝鮮と何ら変わりは有りません。いや、考えようによっては北朝鮮中央TVに毎回出てくるあの声高のおばさんの方がマシでしょう。あの女性のアナウンスの内容は噴飯物ですが、しかし彼女はそのように洗脳されている事を考えれば当然です。しかしわが国の場合は、そんな体制の国では有りません。それなのに「悪い事を悪い!」と言わない政府・マスコミ、それを鵜呑みに毎日低俗なオチャラケ番組の洪水に流されて行く国民・・・。
最近の政治情勢にしても然り。増税、年金削減、原発輸出、武器輸出etc.どれを取っても自民党政権ならやりそうな事ばかりです。いや、言い方を変えれば、自民党ですらしなかった(出来なかった)事ばかりです。それを、自民党を否定して政権の座に着いた民主党がやったのだからもう手に負えません。勿論公器たるマスメディアも深くは突っ込みません。多分返り血を浴びるからでしょう。
今の政治やマスメディアを見る限り、もうこの国は物理的にも精神的にも終わりに近付いているように思えます。
先だって米国に未来から来た(!?)ジョンタイターと言う男が居たそうです。まあその真意はともあれ、彼が画いた2020年の世界地図の中の日本は、津軽海峡から上(つまり北海道)は「蝦夷国」、東北から関西の手前までは白い地帯(つまり無人地域)、そして関西から西だけが岡山を首都とする日本に変化しています。その意味する所は謎ですが、現在の放射能分布を考え合わせれば、きっと誰もがピンと来るでしょう。
更に彼が画いた2030年の日本は、もはや地図上から日本国の名前が消えています。では何処? 何と「韓国領」です!
民主党政権が裏で勧めている様々な謀略、マスメディアの韓国色が強まりつつある日本・・・あながち絵空事だとか杞憂だとか言えない所が不気味です。
by 通行人 (2011-12-29 09:57)
マスコミの体たらくを見ていると、たしかに北朝鮮を笑えぬ状況ですね。
民主党はというと、マニフェストをみて自民党とは違うことをしてくれると思っていたら、自民党でも躊躇するようなことを平気でしている。いうこととやることが正反対のおかしな党になっています。
未来から来たジョンタイター、だれかが創作したにしてはなんだか現実がそちらへ引き寄せられていくようで、気味が悪い。
ジョンタイター(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC
「ジョンタイターが予言した2020年の日本地図が現実になりそうな件」
http://www.qetic.jp/blog/pbr/archives/3654
by ebisu (2011-12-29 11:23)
自分で振っておいて何ですが、改めてジョンタイターの2020年の日本図を眺めてびっくりしました。「蝦夷共和国」は東北の一部を巻き込み、何と国後島と歯舞・色丹島をも含んでいるんですね。と言うことは、近々2島返還(歯舞・色丹)+国後が返還に成るのでしょうか。
もっとも北方領土が還って来たところで北海道がロシアの一部に成っていたのでは喜べませんね。
”未来から来た人間”の話ですから真面目に論議するまでも無いのでしょうが(笑)。
by 通行人 (2011-12-29 13:56)
北方領土の2島返還論以外に1/2返還と言う考え方も有るようです。こちらは四島の総面積を2で割り、半分は日本、残り半分はロシアと言うわけですが、この場合歯舞・色丹+国後島の半分が日本に成るでしょう。いずれにしても四島返還以外では択捉島は日本に戻って来ません。勿論それぞれのケースについてのあらゆる面からの計算は為されていると思いますが、経済性を優先させれば、択捉島が戻らないのは大きな損失ですね。あの島ではレアメタルが多く産出します。また水産加工の大企業G社が海産物を一手に引き受けています。(ユダヤ系の経営者は大きなクルーザーを所有しています。勿論自宅の庭には広いダーチャ(菜園)が有り、他のロシア人と生活レベルは一線を画しています)。安定したG社の地元雇用も多く住民生活のレベルは国後島よりはやや上のようです。まあしかし、贅沢にどっぷりと浸かっている日本人から見れば五十歩百歩ですが。
by 通行人 (2011-12-29 15:34)
通行人さんへ
たしかに、国後と歯舞諸島が日本(蝦夷共和国)になっていますね。
素直に面白い。
択捉にはトリチウムがあることはきいたことがあります。
鉱山のあったことも。
秋になれば川にさおを指せば立つほど魚でびっしり。宝の島だと言われていました。
生活も根室よりよほどよかったと聞いています。
普通にやれば、根室よりもずっと暮らしはよくなるはずです。択捉とはそういう島です。
by ebisu (2011-12-29 20:54)