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#1712 ブカツは高校メイン(8):ブカツ段階論そして「本質は何か」 Nov. 5, 2011 [73.ブカツ]

 いよいよラスマイ、ユニークでまっとうなTさんのブカツ論は佳境に入る。
 小中学校と高校と大学でブカツの目標を分けるのである。教える生徒が一生そのスポーツと係わることを考えるとき、小中学校では何を重点に指導すべきか、中学校では何を重点に指導すべきか、大学では・・・と身体の成長段階や技の熟達の程度に応じて指導目標を具体的に設定している。生徒が一生涯その武道が続けられることを願って展開する、いわばブカツの生涯戦略論だ。


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 前稿http://maruta.be/gakusyu/118#commentsにて、コメントをいただきました。また、MEIKO AIKOKU BLOGさんの記事(http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51724566.html)も深いものがあります。

 どうやら、運動部の小中学校における過剰な練習とその反動での燃え尽き症候群で高校生になったら、小中学校でやっていた種目の運動をやめてしまうとう現象は全国的なもののようです。
 これは指導者、また子供らの親が、「本質をまったくわかっていない」ことに原因があると感じました。
 ここでいう本質、とはなにか。
 ひとつの実例をご紹介します。
 知り合いに柔道の指導者がいます。この方はもう40年以上も柔道少年団を指導している方です。 その指導の具体的方法は、「背負い投げと大外刈り以外は投げ技を教えない」そして、「小中学校までは基礎をがっちりやる」さらに、「団体選で勝つためにわざと引き分けを狙うようなことはさせない。負けてもかまわないから子供らには全力で勝負させる」(実際に、自軍選手のひとりが団体で勝つためにわざと引き分けたのを見て、大会後、その子の両親の前で、その子をぶん殴ったそうです。ちなみにそのときは、団体で全道優勝したにも関わらず、です)
「柔道は、大学生のときに完成すればいい」
「小学校、中学校のときは、基本だけをやる」
「一番大事なのは、柔道を生涯続けるという気持ちになってくれることだ。それがだめでも生涯スポーツを続けようと思ってくれればそれでいい」
 私が惚れた語録の数々です。
 そしてあるひとの前で、こう言ったそうです。
「我々は基礎を作る。高校で体力を作る。柔道の完成は大学でお前らに任せる。どうだ。間違っているか、俺は?」
 相手は直立不動でこう答えたそうです。
「間違っていません、先生! それこそ我々が目指す柔道の姿です!」
 この相手とは、山下泰裕。日本柔道史上屈指の柔道家、東海大学教授、日本柔道連盟理事、です。おそらく過去の柔道家で山下と互角にやれるのは木村政彦くらいでしょう。

 この老指導者の門下から、東海大学へ数々の逸材が進んでおり、その礼をするために山下が釧路の道場を訪問した、そのときのエピソードです。ちなみに、この老指導者の門下からはオリンピック選手が出ています。
 小中学校で、運動部に入る子どもに対しては二通りの指導方法があると思います。
 長くその運動を続けようと思っていない子には、楽しく運動させ、健康づくりを優先させる。
 もしも長くその運動を続けようとする子がいれば、基礎をがっちり作り、その運動を好きになるようにさせる。そのためにスポーツ障害が起きないよう、無理な稽古はさせない。(同じ運動を長く続ければ続けるほど、同じ箇所への障害の発生率は高くなります。だから、生涯同じスポーツをやろうという子に対しては、何よりボディケアを優先して接し、その知識も与えなければなりません。最初に与えるのは決して「根性」ではないのです)
 柔道では小学校のときに全国大会の上位に入った子が、高校、大学では無名の選手になってしまった、ということが珍しくありません。運動競技では高校生から大学生にかけ、肉体のピークが来ますから、単に根性でスタミナとパワーだけを作ってきた選手(=根性主義の似非指導を受けた選手)は、ここで追いつかれ、技術力で抜かれます。
 それがわからない指導者は、指導する資格はないですし、わかっていながら、選手寿命を縮めるような指導をあえてするならば、言葉はきついですが、犯罪行為だと思います。
 冒頭に言った「本質」とは、「スポーツ指導も教育の一環であり、教育とは生涯を通して行われるものだという認識」です。
 だから、運動部指導の本質を理解していない指導者や親は、学力指導の本質もまた理解していない可能性が高い。
 あ、これは……ひょっとして、釧路の基礎学力不足問題の原因の一端を、えぐってしまったかも知れません。

参照

部活は高校メイン

部活は高校メイン_本質は何か

部活は高校メイン_厳しい練習とは

部活は高校メイン_小中学校はスキルを

部活は高校メイン_まず準備運動

部活は高校メイン_まず準備運動(補足)ストレッチのこつ(オリジナル技術有り)

部活は高校メイン_まず準備運動(補足)の補足_クールダウン

部活は高校メイン_勝利のためには

部活は高校メイン_理想の運動部



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