#1661 情報処理検定試験(9月25日)が近い:RDマシンと科学技術用計算機HP67 Sep. 23, 2011 [62. 授業風景]
ニムオロ塾は祭日も通常通り授業をしている。もちろん土曜日も休みではない。
昨日(22日)と今日(23日)と情報処理検定試験の過去問をもって勉強しに来た生徒が二人いた。数学や英語を教える傍ら、過去問のわからないところを解説した。
面白かったのはリレーショナルデータベースの問題が出ていたことだ。1980年ころにIBMがリレーショナル・データベース・マシンを出した、System/38、汎用小型機の分野である。当時、1千万円以上しただろうか?このマシンはユーザには使いやすかったが私自身は使うチャンスがなかった。重要取引先である国内電気メーカのマシンを使った。70年代後半に三菱のオフコン、そして83年に日本電気の汎用小型機で輸入商社で経営管理をやる傍ら統合システム開発を担当した。
1979年にHP67とHP97という科学技術計算用キャリュキュレーターで逆ポーランド(RPN)方式のプログラミングを覚えて経営分析をした。ついで、80年にオフコン専用のダイレクトアドレッシング言語を習得した。ここまでは趣味と実益を兼ねた学習だった。COOLというダイレクトアドレッシングの言語はアッセンブラーレベルの言語だった。12桁の数字で4区画に分けて構成されていた。そして82年頃コンパイラー系のプログラミング言語PROGRESSⅡを習得した。RPGⅡに似た言語だった。いわゆる「高級言語」のジャンルである。
コンパイラー系のプログラミングを経験したのはプログラミングのしやすいシステム仕様書を書くという目的があったからである。川下の工程がわからなければプログラミングに大きな工数のかかる仕様書を書いてしまうものだ。外部設計をちょっと工夫するだけでプログラミングの工数を10分の1に圧縮できることがある。知っていると知らないではシステム開発全体の開発工数に2倍から3倍の差が出る。基本仕様に変更が出るとそれまでに造ったプログラミングがおしゃかになる。作り直しだ。それはそのまま開発費の差となる。だからあとで変更の出ない「たしかな基本設計」が重要なのだ。実務設計がきちんとできていないといけないが、ここがむずかしい。いままでないものを頭の中につくり上げ、そして事務フロー図に描いて確認する。実際にやってみたときに見落としがあって不都合が出れば本稼動で大混乱が起きる。実務設計を完全にやりうる人は少ない。実務は実にシンプルで比較にならぬほど精度の高いものになる。いままで月末で締めて1ヶ月かかった仕事が、月末の入力が終わると同時に必要な資料が自動集計できる。その間の人件費は必要なくなる。ベテラン社員が数人必要なくなる。担当者にしかわからなかった「複雑怪奇な業務」が無くなってしまうからだ。しかも、新しい実務で入力されたデータは精度が高く信頼がおける。
プログラミングのしづらい外部設計はメンテナンスも工数がかかってしまう。システムを改造するためにプログラムを読み切るのも作業が重たくなる。
大きな統合システムも輸入商社時代は実務設計と外部設計はほとんど一人でやっていた。東証Ⅱ部へ上場準備のための統合システムでは統合システムのサブシステムである会計情報システムと各システムとのインターフェイス仕様書を一人で書き上げた。実務設計と外部設計を含む仕様書の完成まで1ヶ月ほどで十分だった。
腕のよいSEがパートナーとして一人いれば十分、内部設計を任せる、彼がアシスタントのSEとプログラマーを使いこなせばいい。内部設計が暗礁に乗り上げない限り内部設計に口を出すことはない。
人数は少ない方が効率がいい。技術が半端な人に頭の中にあるシステムの全容を理解してもらうのは骨が折れる。完全な仕様書を書いてその通りにやってもらうだけがいい。KEに届きそうなスキルのSEは専門業務や設計した実務の理解が早い。専門用語で要点を確認するだけだから、ミーティングはおおよそ四分の一の時間ですむ。複数の仕事を抱えていることが多いので、時間のロスは避けたい、腕のよいSEがありがたくって神様に見えた。
輸入商社で財務体質と利益重点の経営へ切り換えるために会社の実務全部を見直し、実務設計をして順次コンピュータに載せた。会社の利益は拡大し、売上高経常利益率が10%を超えた。実務設計を変えると飛躍的に業務精度が上がると同時に驚くほどの省力化がもたらされ、会社の利益は高水準で安定するものだ。
その後、会社を移って富士通の国内最大級の汎用大型機を使って東証Ⅱ部上場のための統合システム開発を担当することになった。
そして90年代になってから関係会社管理部に移り、子会社のシステム開発のサポートをしたことがある。そのときに現場で選択していたマシンの一つがSystem/38の後継機であるAS/400だった。なんだかうれしい気がしたものだ。その子会社はシステム本稼動のあと、人数を増やさずに2.5倍の業務量をこなし、赤字から黒字会社になった。実務設計次第で会社の利益は劇的に変わる。2度目の経験だった。
勉強しておけ、数学も英語も社会人になっていざというときには強力な武器になる。原価計算も会計情報システムも輸入貿易実務も産業用電子機器の商品知識も金融も臨床検査業務も売上債権管理業務も資金管理業務も購買業務も仕事に関係のある専門知識を貪欲に身につけるためには、それらを消化しうる基礎学力の高さが必要だ。基礎学力の高さは社会人となったときに強力な武器に変わる。
話しを元に戻そう、リレーショナルデータベース・マネジメント・システム(RDBMS)概念は当時のままである。パソコン上ではACCESSがリレーショナル・データーベース・ソフトとして圧倒的なシェアーを誇る。10万円以下のパソコン上で、30年前のデータベースマシン専用機よりもずっと強力なリレーショナル・データーベースソフト("MS OFFICE ACCESS 2010" 価格11950円)が走る、いい時代である。このソフトの良いところはコンピュータシステム全体の理解が進むことだろう。世の中にはいろいろな業務用パッケージシステムが販売されているがその構成がおおよそ見当がつくようになる。安くて高性能だから使おうと思えば誰でも使える。貪欲に使ってるうちに使い慣れてくるものだ。
そういう時代だからこそ、高校生は表計算ソフトのEXCELLだけでなく、リレーショナル・データベースソフトのACCESSも使えるようになってほしい。便利ではあるが、ACCESSだけを使って業務用パッケージをつくることはない。便利なツールにはやはり限界があり、C++のような言語で造りこんだほうが圧倒的に使い勝手がよくなるのである。だが、そうしたパッケージのデータベースからデータを取り込んでユーザー側がいろんな出力を利用するには便利がいいのである。その性能の限界のうちで使うのがいいことが次第にわかるだろう。
それにしても、パソコン上でACCESSというRDBMSが走るありがたさが今の若い人たちにはわからないだろうな。
知らない新しい用語もあったが、コンピュータ辞典を置いてあるから、それを引いて確認した。10年ほど前に買った英英辞典だが役に立つ。書斎と教室と別のものをおいている(時事英語の授業で医学分野の記事も採り上げるのでステッドマンの医学用語辞典も教室にはある)。
過去問には表計算ソフトであるEXCELLに関する問題もあった。これはパソコン上で操作しているから生徒の理解が早い。
4時間が過ぎて、ようやく授業の終わり頃に合格点を10点超えるようになった。明日も来て勉強するという。明日は90点超えを体験することになる。あいまいなところをあらかた潰したのだから。情報処理検定受検を通じて、勉強の仕方が少しわかってきたようだ。あいまいなところを残してはいけないのだ。きっちりそこを整理しておく、それで90点台での合格が可能になる。
「明日の授業は中1だ、例の生徒たちだから騒がしいぞ、3時半頃来て7時までで帰ったほうがいい。しつけるのにまだ数ヶ月かかりそうだ」
「先生、あの子達か、わかったそうする」
90点台がとれるところまで勉強すれば合格間違いナシだろう。試験は明後日の日曜日、ギリギリだな。
簿記も問題演習をたくさんやれば得点があがる。前期期末テストでは意外と簿記の点数が取れていない生徒がいた。おそらく演習量が少ないのだろう。テスト1週間前に「先生、簿記がわからなくなっちゃった、助けて!」と来て勉強していた生徒も平均点は超えていたが、予想より点数が低かった。簿記の前期期末テストの平均点が40点台と聞いて驚いた。今年の春卒業した生徒たちが1年のときの平均点は20点くらいは上ではなかったのか?高校生の学力低下が最近とくに激しいように感じる。首を傾げたくなるような変化だ。
生徒に、「勉強した時間分だけ成績は上がるし、検定試験は合格できるぞ」と伝えたら、帰り際に、
「先生、なるべく学校帰りに寄って勉強するようにする、来週からがんばるからよろしく」
"継続は力なり"だが、そこがなかなかむずかしい。でも、このやる気はいままでと違うと考えていいのだろうか?ちょっと期待している。
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【個別授業とクループ授業の組み合わせ】
7時からは中3の授業だった。一人は2次関数をやり始めた。重力の加速度の問題がわからないというので解説をする。3人は英語だ。期末テストで点数を30点ほど上げたいので、教科書プログラム5から文例を拾って黒板に問題を書いてやらせて、内容の理解を深める。
もう一人は学校のワークを使ってプログラム6をやっている。風邪を引いて休んだので分詞句の後置修飾がわからないという。毎年、困るのだが、教科書は現在分詞句と過去分詞句の後置修飾が出てきてから、プログラム7で関係代名詞が出てくる。
分詞句による後置修飾は「関係代名詞+be動詞」の省略だから、関係代名詞のあとに配置すべきだが、教科書は逆である。仕方がないので、先に関係代名詞の説明をしてから、分詞句による後置修飾を説明する。ここは丁寧に説明してやらないといけない。目的格の関係代名詞の省略も文例として出てきてしまうから、生徒は混乱する。関係代名詞は接続詞でもあることを、単純な文例を二つ挙げて、接着して説明する。5文例ほど挙げるとおおよそは理解できるから、あとは問題をやらせ、わからないところだけ解説する。
他の中3生二人は数学をやっている。連続する三つの整数の問題がわからないというので、証明を黒板に書いて要点を説明し、やらせる。もう一人は文章問題に取り組んでいる。一次関数の応用問題の質問が出た。第一象限にA点とB点があり、APBが最短距離になるようにX軸上にP点を採れという問題だった。作図でよくお目にかかる問題であるが、1次関数では初めて見た。これはあの手の問題だと気がつけば簡単だが、気がつかないとどうやっていいのか、第一着手が思いつかない。解説して、なんどかやるように言う。問題としては質が良い。
高校1年生が手を挙げた。点数が上がらないので予習方式の学習へ切り替えを指示した生徒だ。学校でまだ習っていない問題に挑んでいるが、あえなく撃沈。わからない状態をもち続けることも苦手分野の攻略には必要なこと。手助けしてやればそのうち一人でできるようになる。予習してあらかたわかっておいてから学校の授業を受けるととってもよく理解できるようになり授業が楽しくなる。そのための予習方式の勉強だ。反復試行の確率の応用問題の意味がわからないという。4トラの131番の問題だ。ちょっとやっかいだが、問題を4つに分解してそれに対応させながら式を分割して説明すると納得がいったようだ。解答にはその辺りの考え方に配慮した説明がないから、かなり力のある生徒でないと自力で予習しても内容が理解できないだろう。あまり詳しく解説が書いてあったら生徒ためにならない、考える余地があったほうがいい。133番の動点の位置の確率問題もやはり質問が出た。問題文の読解がむずかしい様子。問題文の意味から解説していく。高校数学は問題文の読解に力点をおいた問題が(中学に比べると格段に)多くなる。
そういう合間を縫って情報処理の過去問の解説をしていた。結局、3箇所解説しただけで十分だった。あいまいなところを残すと危ないから、理解が十分でないところを見つけて質問するように言う。できる生徒は質問の仕方がうまい。だから、質問の仕方に変化が出てくればしめたものだ。そういう時は目一杯褒めてやることにしている。
レギュラーの時間帯は1クラス10名を目安としている。ところが中3は塾生が「先生、友達が・・・」というので、3年生はブカツが終了しているからレギュラーの時間帯でなく3時半から7時までの時間に来るならOKだと条件をつけたら、結局3人増えて13人になってしまった。ナリユキだからしかたがない。個別指導はそのクラスの生徒によって許容人数が違ってくる。それを読むのも仕事のうちで、許容量を超えてはいけない。
連休になったので家族で遠出している者もおり、三人休み、野球部の二人は早い時間に来て帰った。
生徒の間を巡回して歩きながら質問を拾うのは楽しい。ぐるぐる回って質問に答えているうちに時間が流れるように過ぎる。
解説は手短に、授業はなるべく自分で問題をやらすのがいい。個別授業は生徒一人一人の反応が楽しいのである。
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こちらの旧版が教室備え付けのコンピュータ辞書。
昨日(22日)と今日(23日)と情報処理検定試験の過去問をもって勉強しに来た生徒が二人いた。数学や英語を教える傍ら、過去問のわからないところを解説した。
面白かったのはリレーショナルデータベースの問題が出ていたことだ。1980年ころにIBMがリレーショナル・データベース・マシンを出した、System/38、汎用小型機の分野である。当時、1千万円以上しただろうか?このマシンはユーザには使いやすかったが私自身は使うチャンスがなかった。重要取引先である国内電気メーカのマシンを使った。70年代後半に三菱のオフコン、そして83年に日本電気の汎用小型機で輸入商社で経営管理をやる傍ら統合システム開発を担当した。
1979年にHP67とHP97という科学技術計算用キャリュキュレーターで逆ポーランド(RPN)方式のプログラミングを覚えて経営分析をした。ついで、80年にオフコン専用のダイレクトアドレッシング言語を習得した。ここまでは趣味と実益を兼ねた学習だった。COOLというダイレクトアドレッシングの言語はアッセンブラーレベルの言語だった。12桁の数字で4区画に分けて構成されていた。そして82年頃コンパイラー系のプログラミング言語PROGRESSⅡを習得した。RPGⅡに似た言語だった。いわゆる「高級言語」のジャンルである。
コンパイラー系のプログラミングを経験したのはプログラミングのしやすいシステム仕様書を書くという目的があったからである。川下の工程がわからなければプログラミングに大きな工数のかかる仕様書を書いてしまうものだ。外部設計をちょっと工夫するだけでプログラミングの工数を10分の1に圧縮できることがある。知っていると知らないではシステム開発全体の開発工数に2倍から3倍の差が出る。基本仕様に変更が出るとそれまでに造ったプログラミングがおしゃかになる。作り直しだ。それはそのまま開発費の差となる。だからあとで変更の出ない「たしかな基本設計」が重要なのだ。実務設計がきちんとできていないといけないが、ここがむずかしい。いままでないものを頭の中につくり上げ、そして事務フロー図に描いて確認する。実際にやってみたときに見落としがあって不都合が出れば本稼動で大混乱が起きる。実務設計を完全にやりうる人は少ない。実務は実にシンプルで比較にならぬほど精度の高いものになる。いままで月末で締めて1ヶ月かかった仕事が、月末の入力が終わると同時に必要な資料が自動集計できる。その間の人件費は必要なくなる。ベテラン社員が数人必要なくなる。担当者にしかわからなかった「複雑怪奇な業務」が無くなってしまうからだ。しかも、新しい実務で入力されたデータは精度が高く信頼がおける。
プログラミングのしづらい外部設計はメンテナンスも工数がかかってしまう。システムを改造するためにプログラムを読み切るのも作業が重たくなる。
大きな統合システムも輸入商社時代は実務設計と外部設計はほとんど一人でやっていた。東証Ⅱ部へ上場準備のための統合システムでは統合システムのサブシステムである会計情報システムと各システムとのインターフェイス仕様書を一人で書き上げた。実務設計と外部設計を含む仕様書の完成まで1ヶ月ほどで十分だった。
腕のよいSEがパートナーとして一人いれば十分、内部設計を任せる、彼がアシスタントのSEとプログラマーを使いこなせばいい。内部設計が暗礁に乗り上げない限り内部設計に口を出すことはない。
人数は少ない方が効率がいい。技術が半端な人に頭の中にあるシステムの全容を理解してもらうのは骨が折れる。完全な仕様書を書いてその通りにやってもらうだけがいい。KEに届きそうなスキルのSEは専門業務や設計した実務の理解が早い。専門用語で要点を確認するだけだから、ミーティングはおおよそ四分の一の時間ですむ。複数の仕事を抱えていることが多いので、時間のロスは避けたい、腕のよいSEがありがたくって神様に見えた。
輸入商社で財務体質と利益重点の経営へ切り換えるために会社の実務全部を見直し、実務設計をして順次コンピュータに載せた。会社の利益は拡大し、売上高経常利益率が10%を超えた。実務設計を変えると飛躍的に業務精度が上がると同時に驚くほどの省力化がもたらされ、会社の利益は高水準で安定するものだ。
その後、会社を移って富士通の国内最大級の汎用大型機を使って東証Ⅱ部上場のための統合システム開発を担当することになった。
そして90年代になってから関係会社管理部に移り、子会社のシステム開発のサポートをしたことがある。そのときに現場で選択していたマシンの一つがSystem/38の後継機であるAS/400だった。なんだかうれしい気がしたものだ。その子会社はシステム本稼動のあと、人数を増やさずに2.5倍の業務量をこなし、赤字から黒字会社になった。実務設計次第で会社の利益は劇的に変わる。2度目の経験だった。
勉強しておけ、数学も英語も社会人になっていざというときには強力な武器になる。原価計算も会計情報システムも輸入貿易実務も産業用電子機器の商品知識も金融も臨床検査業務も売上債権管理業務も資金管理業務も購買業務も仕事に関係のある専門知識を貪欲に身につけるためには、それらを消化しうる基礎学力の高さが必要だ。基礎学力の高さは社会人となったときに強力な武器に変わる。
話しを元に戻そう、リレーショナルデータベース・マネジメント・システム(RDBMS)概念は当時のままである。パソコン上ではACCESSがリレーショナル・データーベース・ソフトとして圧倒的なシェアーを誇る。10万円以下のパソコン上で、30年前のデータベースマシン専用機よりもずっと強力なリレーショナル・データーベースソフト("MS OFFICE ACCESS 2010" 価格11950円)が走る、いい時代である。このソフトの良いところはコンピュータシステム全体の理解が進むことだろう。世の中にはいろいろな業務用パッケージシステムが販売されているがその構成がおおよそ見当がつくようになる。安くて高性能だから使おうと思えば誰でも使える。貪欲に使ってるうちに使い慣れてくるものだ。
そういう時代だからこそ、高校生は表計算ソフトのEXCELLだけでなく、リレーショナル・データベースソフトのACCESSも使えるようになってほしい。便利ではあるが、ACCESSだけを使って業務用パッケージをつくることはない。便利なツールにはやはり限界があり、C++のような言語で造りこんだほうが圧倒的に使い勝手がよくなるのである。だが、そうしたパッケージのデータベースからデータを取り込んでユーザー側がいろんな出力を利用するには便利がいいのである。その性能の限界のうちで使うのがいいことが次第にわかるだろう。
それにしても、パソコン上でACCESSというRDBMSが走るありがたさが今の若い人たちにはわからないだろうな。
知らない新しい用語もあったが、コンピュータ辞典を置いてあるから、それを引いて確認した。10年ほど前に買った英英辞典だが役に立つ。書斎と教室と別のものをおいている(時事英語の授業で医学分野の記事も採り上げるのでステッドマンの医学用語辞典も教室にはある)。
過去問には表計算ソフトであるEXCELLに関する問題もあった。これはパソコン上で操作しているから生徒の理解が早い。
4時間が過ぎて、ようやく授業の終わり頃に合格点を10点超えるようになった。明日も来て勉強するという。明日は90点超えを体験することになる。あいまいなところをあらかた潰したのだから。情報処理検定受検を通じて、勉強の仕方が少しわかってきたようだ。あいまいなところを残してはいけないのだ。きっちりそこを整理しておく、それで90点台での合格が可能になる。
「明日の授業は中1だ、例の生徒たちだから騒がしいぞ、3時半頃来て7時までで帰ったほうがいい。しつけるのにまだ数ヶ月かかりそうだ」
「先生、あの子達か、わかったそうする」
90点台がとれるところまで勉強すれば合格間違いナシだろう。試験は明後日の日曜日、ギリギリだな。
簿記も問題演習をたくさんやれば得点があがる。前期期末テストでは意外と簿記の点数が取れていない生徒がいた。おそらく演習量が少ないのだろう。テスト1週間前に「先生、簿記がわからなくなっちゃった、助けて!」と来て勉強していた生徒も平均点は超えていたが、予想より点数が低かった。簿記の前期期末テストの平均点が40点台と聞いて驚いた。今年の春卒業した生徒たちが1年のときの平均点は20点くらいは上ではなかったのか?高校生の学力低下が最近とくに激しいように感じる。首を傾げたくなるような変化だ。
生徒に、「勉強した時間分だけ成績は上がるし、検定試験は合格できるぞ」と伝えたら、帰り際に、
「先生、なるべく学校帰りに寄って勉強するようにする、来週からがんばるからよろしく」
"継続は力なり"だが、そこがなかなかむずかしい。でも、このやる気はいままでと違うと考えていいのだろうか?ちょっと期待している。
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【個別授業とクループ授業の組み合わせ】
7時からは中3の授業だった。一人は2次関数をやり始めた。重力の加速度の問題がわからないというので解説をする。3人は英語だ。期末テストで点数を30点ほど上げたいので、教科書プログラム5から文例を拾って黒板に問題を書いてやらせて、内容の理解を深める。
もう一人は学校のワークを使ってプログラム6をやっている。風邪を引いて休んだので分詞句の後置修飾がわからないという。毎年、困るのだが、教科書は現在分詞句と過去分詞句の後置修飾が出てきてから、プログラム7で関係代名詞が出てくる。
分詞句による後置修飾は「関係代名詞+be動詞」の省略だから、関係代名詞のあとに配置すべきだが、教科書は逆である。仕方がないので、先に関係代名詞の説明をしてから、分詞句による後置修飾を説明する。ここは丁寧に説明してやらないといけない。目的格の関係代名詞の省略も文例として出てきてしまうから、生徒は混乱する。関係代名詞は接続詞でもあることを、単純な文例を二つ挙げて、接着して説明する。5文例ほど挙げるとおおよそは理解できるから、あとは問題をやらせ、わからないところだけ解説する。
他の中3生二人は数学をやっている。連続する三つの整数の問題がわからないというので、証明を黒板に書いて要点を説明し、やらせる。もう一人は文章問題に取り組んでいる。一次関数の応用問題の質問が出た。第一象限にA点とB点があり、APBが最短距離になるようにX軸上にP点を採れという問題だった。作図でよくお目にかかる問題であるが、1次関数では初めて見た。これはあの手の問題だと気がつけば簡単だが、気がつかないとどうやっていいのか、第一着手が思いつかない。解説して、なんどかやるように言う。問題としては質が良い。
高校1年生が手を挙げた。点数が上がらないので予習方式の学習へ切り替えを指示した生徒だ。学校でまだ習っていない問題に挑んでいるが、あえなく撃沈。わからない状態をもち続けることも苦手分野の攻略には必要なこと。手助けしてやればそのうち一人でできるようになる。予習してあらかたわかっておいてから学校の授業を受けるととってもよく理解できるようになり授業が楽しくなる。そのための予習方式の勉強だ。反復試行の確率の応用問題の意味がわからないという。4トラの131番の問題だ。ちょっとやっかいだが、問題を4つに分解してそれに対応させながら式を分割して説明すると納得がいったようだ。解答にはその辺りの考え方に配慮した説明がないから、かなり力のある生徒でないと自力で予習しても内容が理解できないだろう。あまり詳しく解説が書いてあったら生徒ためにならない、考える余地があったほうがいい。133番の動点の位置の確率問題もやはり質問が出た。問題文の読解がむずかしい様子。問題文の意味から解説していく。高校数学は問題文の読解に力点をおいた問題が(中学に比べると格段に)多くなる。
そういう合間を縫って情報処理の過去問の解説をしていた。結局、3箇所解説しただけで十分だった。あいまいなところを残すと危ないから、理解が十分でないところを見つけて質問するように言う。できる生徒は質問の仕方がうまい。だから、質問の仕方に変化が出てくればしめたものだ。そういう時は目一杯褒めてやることにしている。
レギュラーの時間帯は1クラス10名を目安としている。ところが中3は塾生が「先生、友達が・・・」というので、3年生はブカツが終了しているからレギュラーの時間帯でなく3時半から7時までの時間に来るならOKだと条件をつけたら、結局3人増えて13人になってしまった。ナリユキだからしかたがない。個別指導はそのクラスの生徒によって許容人数が違ってくる。それを読むのも仕事のうちで、許容量を超えてはいけない。
連休になったので家族で遠出している者もおり、三人休み、野球部の二人は早い時間に来て帰った。
生徒の間を巡回して歩きながら質問を拾うのは楽しい。ぐるぐる回って質問に答えているうちに時間が流れるように過ぎる。
解説は手短に、授業はなるべく自分で問題をやらすのがいい。個別授業は生徒一人一人の反応が楽しいのである。
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こちらの旧版が教室備え付けのコンピュータ辞書。
Dictionary of Computer and Internet Terms
- 作者: Douglas Downing
- 出版社/メーカー: Barrons Educational Series Inc
- 発売日: 2009/04
- メディア: ペーパーバック
これは書斎においてあるもの。こんな古いものをいまさら買う必要はないから、最初に挙げた新しい辞書を薦める。
Microsoft Press Computer User's Dictionary
- 作者:
- 出版社/メーカー: Microsoft Pr
- 発売日: 1998/05
- メディア: ペーパーバック
2011-09-23 23:35
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LibreOffice という無料のOffice製品があり、LibreOffice Baseというデータベースソフトであれば、無料でデータベースを作ってSQL文の勉強をすることができます。
LibreOfficeの使い方を教えていらっしゃる、パソコン塾の方とオンライン(ZOOM)で意見交換して、Base向けのカリキュラムの内容ができたらレビューすることになりました。今後はマクロやLibreOfficeには、python(データサイエンス分野で非常によく使われているプログラム言語)が内臓されており、今後、データサイエンス入門の講座も検討しているという情報を頂きましたのでご報告を兼ねて紹介いたします。
by KK (2020-12-26 20:11)
KKさん
無料の便利なツールがいろいろ出ているのですね。
受験勉強中の高校生には手が出なくても、大学生なら大丈夫そうですね。COVID-19登校禁止になっている学校多いから、いい勉強の機会です。
by ebisu (2020-12-26 23:08)