#1612 藍色の闇と赤い灯:ねぶたと二本松提灯祭り Aug. 3, 2011 [A8. つれづれなるままに…]
金比羅さんのお祭りが9日から始まる。笛や太鼓や金棒の練習も"宴たけなわ"。ヘアカットに行き祭りの1週間は休みだと話したら、"ありがとうございます"と返事が来た。1区の祭りの役員をやっているらしい。生徒が数人関係しているから「祭りへの協力」に対してありがとうございますということだったのだろう。
昨夜(2日)からねぶた祭りが始まった。電線のない広い国道にたくさんの山車がならぶ。相当大きい、根室の山車の4倍くらいあるかもしれない。赤く彩色された勇壮な武者絵姿の張りぼての内側から電球が照らすから、夜の闇に赤い山車が美しい。"らっせらっせらっせら"と掛け声のハネトも元気がいい、よくあんなに跳ねていられるものだ。祭りが終わったら足が痛いに違いない。生も根も尽きるほどのエネルギーの噴出が祭りかも知れぬ。
直径2メートルはあろうかというような大きな太鼓が引き出されるが、大きいだけで音がよかろう筈もない。しかしそこに津軽人の意地をまざまざとみる。"音なんかどうでもいい、日本一という大きさが問題だ"、土地柄が出ていて微笑ましい。
福島県二本松市には赤い提灯をたくさんつけた山車の行列のお祭りがある。坂の上から眺めると地上は黒、空は濃い藍色、街灯も家の明かりも消す。そこへ赤い提灯をたくさんつけた山車が20ほども並んで赤くボーっと闇夜に光っている。賑やかなお囃子はなかったように記憶する。静けさと赤い光と闇が辺りを包む。こちらは"静"の祭りだ。日本人の色彩と音に関する美的感覚のすごさを実感するひと時である。郡山の会社に15ヶ月出向したときに、相馬の人に誘われて観た。
あの祭りは今年も行われるのであろうか?
*ねぶたは赤い特大提灯、二本松の方は中型の提灯が一つの山車に百も二百も高く飾りつけられている。どちらのお祭りも竹と紙の材料でつくられる。本をただせば竹と木の自然素材でエコ、そういう材料だけでシンプルに美しいものをつくる、それが伝統のお約束事。そこに縄文時代から自然を大切にする日本人の美意識と智慧を感じる。
コメント 0