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#1556 ついに始まった被曝の初期症状: パンドラの箱が空いてさまざまな遺伝病が飛び出す Jun. 18, 2011 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 ZAPPERさんが「【東京新聞】子どもに体調異変、大量の鼻血、下痢、倦怠感、原発50キロ 福島・郡山」という記事のURLをブログに貼り付けてくれた。「福島の被曝者を看た広島出身の、自身も被曝者である肥田舜太郎医師(94歳)の講演」の内容を解説してくれている。わたしはその続編を以下に書こうと思う。

*東京新聞記事 http://savechild.net/archives/2937.html
**ブログ"情熱空間"「鼻血、下痢、倦怠感(福島原発事故)」

●YouTube 肥田舜太郎医師と福島の女性
http://youtu.be/tCV3beH_IWI
●ツイッターによる自己申告の被曝症状
:下痢、中耳炎、鼻血≒原爆の入市被ばく、チェルノブイリと共通
http://www.sizen-kankyo.net/bbs/bbs.php?i=200&c=400&m=251809

【広島で起きたことが福島でも起きる】
 広島で被曝治療に当たってこられた94歳の肥田医師が広島原爆投下後に(直接被曝はしなかったがその後市内に入ってきて)内部被曝した人たちの症状と同じ症状が福島県の人々に起きると予告していた。被曝による症状の典型例、それは「鼻血、下痢、倦怠感」である。それがいま福島県の子どもたちに現れつつある。原爆投下後に「入市被曝」した人たちがこういう初期症状を呈した後でたくさん死んでいくのを看取った医師の発言であるので、聞き流すわけには行かない。

【爆発が事前に分かっていたのになぜ避難措置をとらなかったのか】
 政府は冷却水が止まった時点で数時間後に原子炉が爆発することを分かっていたのだから爆発事故の起きる前に住民を避難を開始すべきだった。
 ところが1~4号機まで次々に爆発を起こした後も高濃度の放射能のチリが降り注ぐ中に政府は住民を放置した。
 「ただちに健康に被害が出るわけではない」というあのお決まりの台詞がテレビでも新聞でも政府要人や専門家によって繰り返し垂れ流された。
 枝野官房長官はあの言を繰り返すことで人でなしとなった。弁護士には二通りの種類があるようだ。職業柄、弁護人を守るために言辞を弄する技に長けた者が弁護士だが、それを世のため人のために使う者と、自分やその仲間のために(世のため人のためにならぬことを平気で)使う輩に分類できる。枝野と仙石は後者の典型的な例だ。

 さて、人の行いを「批判」するからにはそれなりの根拠を示さなければならぬ。やってみようと思う。

 内部被曝によって引き起こされる典型的な症状として肥田医師は「鼻血・下痢・倦怠感」をあげている。原爆投下後に起きた二次的な被曝が原因である。それが、肥田医師の予告どおりに始まった。

【遺伝子レベルで何が起きてしまったのか?】
 私が書くのはその先のことである。
①爆発直後に周辺住民の身体をに莫大な量の放射線が通り抜けた。
放射性ヨードだけではない、たくさんの種類の核種の放射線がチリとなって飛び散ったのである。痕跡は何も残らぬが、遺伝子は壊されている。修復できる範囲を超えて破壊された遺伝子がどうなったのか想像してほしい。DNAはあちこちに傷を受け異常を抱えてしまった。
②放射能のチリが降り注ぎ、内部被曝を起こした。とくに問題になるのは呼吸によって肺から取り込んだ放射能のチリである。たとえばセシウムの半減期は30年だから、内部被曝した人が亡くなっても体内で放射線を出し続ける。怖い話だが事実である。
 
 γ線が身体を通り抜けることで遺伝子が傷害される。それは染色体のバンドにも形態的な異常を引き起こす。染色体異常の係わる病気は多い。白血病、21番トリソミーによるダウン症候群、18番トリソミーによる口唇裂や口蓋裂、奇形や重度の知的障害、・・・挙げると限がないのでウィキペディアの解説を読んで欲しい。
*染色体異常(ウィキペディアより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93%E7%95%B0%E5%B8%B8

 呼吸器から放射能のチリを吸い込んでしまった内部被曝は手がつけられぬ。肺の深部の肺胞まで入り込んでいるから除去ができないのである。放射能のチリからエネルギーの強いα線やβ線が出て細胞の遺伝子を傷害する。距離の3条に比例して放射能の影響は薄まるから、距離がゼロだと影響は甚大である。ほとんど絶望的だ。

 ①はの爆発的な時期は終わっているが低線量被曝はいまもなお継続している。除染を急がなければならないが、国は動いていない。グランドの汚染土の搬出先すら決まっていない。②は現在進行形である。肺に取り込んでしまった放射能のチリはセシウムだったら半減期が30年だから四分の一になるまで60年かかる。その間に無事でいられるとしたらよほど丈夫な人だろう。ありとあらゆる核種の放射性物質が生成されて飛散したはずだが、政府はその量と地域別の測定値を公表していない。
  現政権にとってはダメージにしかならぬからやる気がないのだろう。枝野や菅はその程度の男たちだ。国民の健康と安全よりも自分たちの立場を優先する。

【傷害されたDNAは子孫へ受け継がれる】
 さて、爆発当時、ヨードに代表されるように膨大な放射能のチリが降り注ぎ地域住民の身体を通過した。そのうえ半減期の長いセシウム等の内部被曝にさらされてしまった人々はこれからどうなるのか?
 傷害された遺伝子はその子供や孫に受け継がれていく。25歳で内部被曝した本人が幸い、白血病やその他の癌にならずに天寿をまっとうできたとしよう。その子供や孫は無事か?否である。傷つき異常を抱えたDNAが子供や孫やひ孫に引き継がれてしまうからもう「パーフェクトベイビー(遺伝子的な観点から)」ではありえない。子孫にどんな奇形が起きるか予測がつかないのである。半陰陽*もありうる。子孫を残せなくなるかもしれない。先に挙げた染色体異常に係わる疾患だけではない。先天異常全体の確率が増えてしまう。その上に思春期になってから現れる精神や身体疾患も増えるから社会全体の医療コストを押し上げることになるだろう。
*半陰陽(ウィキペデァより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E9%99%B0%E9%99%BD

 冗談で書いているのではない。広島の例はいろんな具体的な事実を私たちに教えてくれる。被曝2世に影響が出なくても、その子供である被曝3世に遺伝子異常による疾患がでることはあるのだ。
 ずいぶん昔の話だが、とある研究会でドクターが実例を話してくれた。研究会名や年を明らかにするとドクターが特定できるので具体的な話は書かない。

 遺伝子に障害を受けると、その子孫にどういう奇形や染色体異常による重篤な疾患、先天的な知的障害や思春期に起きてしまう精神疾患など何が起きるかわからないというのが事実である。全部に起きるわけではなく、ときどきそうした疾患をもつ子孫が生まれてしまう。脊椎2分裂症や無脳症は死産となるから母体も危ない。

【DNAの運び屋としての役割】
 還暦を過ぎてつくづく思うのだが、生物としての人間の役割はDNAの運び屋に過ぎなかったのだということだ。次の世代に無傷のプログラム=遺伝子を引き継ぐことが遺伝子側から見ると人間の役割なのである。

【放射線により傷害されたDNAの社会的・経済的な影響
 それゆえ、もう二つ付け加えなければならぬ。
 一つは結婚の問題だ。遺伝子が傷害されているから、5年後、10年後、15年後、20年後に結婚適齢期を迎えた人たちは「あのときどこに住んでいたか」が問題になる。結婚は子孫を残すことでもある。そこに大きなリスクを抱えることになるのである。親族が反対し、結婚を断られる場合もあるだろう。みんな怖いのである。
 結婚したとして傷ついた遺伝子はその子供にコピーされてしまうから、孫、ひ孫もそうした遺伝子疾患のリスクを抱えてしまう。
 断っておくがこれはいわゆる「風評被害」ではない。遺伝子を傷害されてしまったという具体的現実に基づくものだから


  もう一つは、假りにの話だが敦賀原発ともう一箇所どこかで同様の原発事故が起きたとして、先天性障害の率が2倍あるいは3倍になったとしよう。おそらく日本の社会は増える医療費の負担に耐えられないだろうから、いろいろなところへしわ寄せが起きる。嫌なことだが医療ケアを必要とする先天異常を妊娠初期の診察で見つけた場合にどうするのかという深刻な問題を生じる可能性がある。有限の医療資源配分というマクロ経済的な大問題でもあるのだ。だからこそ、日本人という遺伝子の海を放射能で汚してはならなかったのだ。
 わたしは英国の研究でこうした先天異常を全部出産してケアしていたら英国経済が医療費負担に耐えられないという文献を20年ほど前に読んだ。他の医療を大幅に切り捨てざるをえないという結論だった。

 生命倫理に係わる深刻な問題の芽を育ててはならないから、54基の原発廃炉と六ヶ所村の使用済み燃料プールをどうするのか、具体案を早急に検討しなければならない。
 いつこうした原発や使用済み核燃料保管庫が直下型巨大地震に見舞われるかも知れぬから時間との戦いだ。
 今回の福島原発では津波が来る前に地震で原子炉底部の複雑な配管が壊れ、原子炉がダメージを受けたことが明らかになりつつある。おまけに2階部分に使用済み燃料のプールが設置されているという構造上の問題も指摘されている。直下型地震でコンクリートが破損し水が抜けたらおしまいなのだ。
 原子力安全委員会も原子力安全保安院もこの程度のことすらチェックできない無能の専門家の集まりだった。立派な組織や肩書きにだまされてはいけない、仕事を担う人々に責任感のかけらすらないことはテレビで原子力安全保安院ナンバー2の能天気な解説を繰り返し聞かされた視聴者がよくわかっている。この先いくら屋上屋を重ねても無駄で結局同じことになる。

【人でなしたちの片棒を担いだマスコミ報道、とくにNHKはひどかった】
 だから枝野官房長官や原発推進派の専門家に始まる「ただちに健康被害があるレベルではない」という発言を繰り返したことは罪が深い。言っていることに間違いはないから責任逃れができるようになっている。将来遺伝的病発症のリスクがないとは言っていませんと自己弁護できるような発言内容だからである。日本人はこうした「ずるい」「卑怯」な言辞が大嫌いである。だましや詐欺と言ってよい。人間として誠に性質の悪い者たちだ。仕事は正直に誠実にやるべきだが、総理大臣をはじめとして、官房長官や各大臣をみていると、「卑怯」「ずるい」者たちばかりのようだ。いつから日本人の質がこんなに劣化したのだろう(特攻で死んでいった20歳前後の者たちの精神のありようと比較するとき、人間の質の劣化は驚くばかりだ)。
 NHKの科学文化部のMはこのごろテレビに出る回数がぐっと減ったようだが、東電からの広告料収入ではなく放送受信料で成り立っているNHKは報道のあり方を反省すべきである。

【日本史上最大の事件=放射能汚染とパラダイムシフト】
 日本人という集団の遺伝子プールに大きな傷がついてしまった。もう元には戻らぬ。縄文以来1.2万年無傷で受け継いできた遺伝子の海が放射能で破壊されつつある
 現実の海(太平洋)も日本人という遺伝子の海もともに高濃度の放射能でやられてしまった。これは欲の塊となった日本人自身が引き起こした災厄である。

 つねに小欲知足であること、仕事は正直・誠実に、慎み深いそういう生活がいい。耳を澄まして聞くがいい、日本にいまパラダイムシフトの時を告げる鐘が鳴っている。

(明日暇があれば東京電力を相手の集団訴訟の準備について思うところを整理し書いてみたい。わが町根室にとっては重大なこと。パトリオットにはまだ書くべきことがあるようだ)

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*東電や政府やマスコミのデマにごまかされないためにぜひ読んで欲しい。
「デマ・風評を垂れ流す日本のマスコミ」・・・ブログ情熱空間より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/3615053.

**#1556 ついに始まった被曝の初期症状: パンドラの箱が空いてさまざまな遺伝病が飛び出す Jun. 18, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-06-18

 #1693 福島の25年後の姿がチェルノブイリにある :病気に苦しむ子どもたちの作文 Oct. 20, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-10-20

 #2069 福島県のこどもたちの35.3%に放射性ヨウ素による甲状腺異常が現れた Aug. 29, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29

 #2074 悪魔の所業: 福島県の子どもたちを避難させずに人体実験 Sep. 4, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-04-1

 #2085 甲状腺癌症例アリ、妊婦と子どもの避難を急げ(2) Sep. 16, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-09-16 

 #2107 甲状腺癌症例あり、妊婦と子どもの避難を急げ(3) :山下俊一の嘘 Oct. 28, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-10-28

  #2116 根室沖の真鯛から100Bq/kg超のセシウム検出 Nov. 4, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04-1

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コメント 4

ZAPPER

父よ、彼らをお許しください。自分が何をしているのか知らないのです。(ルカ 23:32-34)

政府に政治家にマスコミ各社。
by ZAPPER (2011-06-18 13:50) 

NO NAME

本件に関する現役の血液内科医と放射線科医の反論です。
ご参考まで。

http://togetter.com/li/150517
http://togetter.com/li/149186

by NO NAME (2011-06-18 17:08) 

ebisu

情報のご提供ありがとうございます。

東京新聞の記事にあるのは1例のみです。週刊誌では一部でそういうネタが広まっているのかもしれません。

さて、血液疾患の専門医のご意見ですが、血小板減少症から鼻血を論じていますがこれは専門医としてはもっともな意見ではありますが、本件に関する限り説得力がありません。
高線量の放射性ヨードによる血小板減少の観点からのご意見に過ぎないように思われます。

肥田医師(94)は広島で原爆投下後に実際にたくさんの患者を診てこられたかたであり、内部被曝の初期症状として「鼻血・下痢・倦怠感」を主張されているのであり、それが当時の現実だったからです。
機序はわかりません。
すくなくとも放射性ヨードだけの作用ではないから、放射性ヨードを治療につかっている放射線医の反論も説得力がありません。

肥田医師が原爆投下の後で広島市内にはいって来た人々に起きた初期症状をベースに同じことが福島県でも起きるだろうと予告したにすぎないからです。
もっとも、広島でそうしたことは起きなかったという反証があれば論の行方は違ったものになるでしょうが、肥田医師が自分の目で見た事実を信頼したいと思います。

福島県でそうした症例が数百例もでればそれは内部被曝が原因で起きた症状だと推定がつくでしょう。そしてその後その機序が研究され、さまざまな研究論文がでるでしょうね。
白黒ハッキリさせるためにも、政府は被災者の疫学調査を開始して欲しいと思います。データをしっかり取っておくことで次の原発事故の際には被害を最小限にする具体策が準備できるでしょう。

まとめると、福島県下で起きている「鼻血・下痢・倦怠感」症状はデータが少なすぎていまのところ真偽不明ですが、広島で起きたことが福島で繰り返される蓋然性は高い。
それゆえ事態を注視したいと思います。

【余談】
会社で行われた社員対象の最初の医学セミナーの講師が東京医大の血液疾患の専門医藤巻教授(記憶に間違いがなければ)だったような気がします。1984年か85年のことでした。診断機序を説明していただいたときに、臨床診断支援システムの可能性に気がつきました。NTTと事業化を模索しましたが時代が20年早かった。コンピューターや回線の能力が不足でした。いまならやれるます。
そういうわけで血液学の専門医のご意見懐かしく読ませてもらいました。

【感謝】
医学関係の情報サポートに感謝申し上げます。
これからもどうぞよろしくフォローください。もちろんご批判も。
耳の痛いご意見ほどありがたい。
そのつど自分の書いたことをチェックいたします。
               ・・・・・m(_ _)m
by ebisu (2011-06-18 23:22) 

ebisu

「鼻血、下痢、倦怠」の次に起きるのは、未成年者の甲状腺異常(43.1%の子どもたちに異常が出てしまった、そしてその比率はいまも上がり続けている)と甲状腺癌である。
前回コメントを書いてから1年3ヶ月たち、2012年9月になった。

広島・長崎と類似の状況が起きる蓋然性が高いと書いたが、まさしくそうなった。
妊婦と子どもたちを80km圏内から避難させるべきだ。
次に起きるのは先天異常と小児癌の多発である。チェルノブイリの5倍の速度で事態が進行しているように見える。
by ebisu (2012-09-15 10:58) 

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