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#1555 根室の人口減少とビジョン:縮小を前提にビジョンを作ろう Jun. 15, 2011 [19. 人口減少に関わる問題]

  今夜の気温は8.1度。雨と曇りの空の下、根室の日中の気温は10度を超えなかった。全国一涼しい夏の極東の町の市役所はクールビス初日とか。全国一律にやるとこういうおかしな事が起きるよというジョークかもしれぬ。

 ところで根室の人口減少がこの数年加速している。100人ほど増えてこの数年間は約420~480人のペースである。以前は年間400人弱だったから、50~100人ほど増えている。

 こうした現実を踏まえ、根室の町は人口縮小と高齢化を前提に未来図を描かねばならぬ
  子供たちは高校を卒業すると、大学や専門学校へと進学してほとんどが戻ってこないので、高齢化と人口減少を基礎に町のビジョンを描くべきだが、病院建て替えを見ても市政の方向は真逆である。患者増を前提にして考えているが、これでは経営破綻は避けられぬ。
 もちろん根室市の財政も同じだ。人口減少が加速しているにも関わらずこの数年間根室市は財政規模を20億円以上拡大して160~170億円にしてしまった。人口減少が加速しているから財政規模も縮小すべきであるのに、放漫財政が続いている。病院赤字の拡大もその原因の一つだ。
 町の縮小を前提にするなら小中学校の統廃合を進めるべきで、高齢化の進行を考えるなら療養型病床を市立病院に設置すべきであった
 こうして次々と打つ手を間違えている。後世、H市政は"失われた根室の8年"と呼ばれるのだろう。

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【根室市の人口(平成23年5月1日現在)】「広報ねむろ6月号」より
  ( )前年同月比
 人口    29,357  (-475)
  男    14,101  (-241)
  女    15,256  (-234)
 世帯数  13,021  (-106)

 人口減は加速している。5年前まではおおむね毎年400人弱の減少だった。衰退の速度はさらに大きくなりつつある。この現実を見よ。

#1538 「広報ねむろ 病院事業会計の嘘」より
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-06-02


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 以前、人口減少をブログで取り上げ、推計を2種類やっているが現実は厳しいほうで推移している。このままの推移を続けると2018年には26,000人を割りそうである。以前に書いたブログを貼り付けるので、お読みいただきたい。

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#147「2018年の根室の人口」より
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-03-23

 10年後、2018年の根室の人口はどれくらいだろうか?

 40年前の1968年  49,892人
 30年前の1978年  44,073人
  20年前の1988年  39,010人
  10年前の1998年  34,534人
 昨年末の2007年   30,881人
 10年後の2017年末 26,000人(推計値)

 40年間の人口データを一覧してみるとみごとにその傾向が浮かび上がる。10年ごとに約5000人減少している。最初が5,819人、次の10年が5,063人、その次が4,476人である。総人口数に対する減少人口数の割合はほぼ一定である。10年単位で並べてみる。
      11.7%⇒11.5%⇒11.5%
 このデータを使って平成20年度末の人口を計算すると30,562人となる。実際にはこれよりも150人くらい小さい数字になるだろう。H19年度の減少幅が例年よりも大きかったためだ。これが一時的なものなのか、そうでないのかは判断がつかない。北海道新聞根室支局の記者は1月24日の記事で、昨年の減少に「人口流出が加速化」という見出しをつけてデータを紹介した。10年単位で見ても、このままでは減少率は11.9%に上がりそうだ。毎年500人規模で流出(転入-転出)が続くようなら減少率は50%アップして、年率1.66%である。今年度も500人なら傾向が変わったと判断してよいだろう。根室の将来にとっては由々しき問題である。

 平成元年は38,335人だった。年平均減少率は1.12%(以下“r1”と記す)であるが、1月24日のブログ『人口流出が加速化』に書いたように減少率が拡大している。假りに1.5倍になっているとすれば、減少率は1.68%(以下“r2”と記す)となる。
 r1を使って推計すると2018年初の人口は27,385人(3,496人の減少)であり、r2を使うと25,751人(5,129人の減少)となる。10年後根室市の人口は概ね26,000~27,000人である

 ついでに10年後の老人人口も推計してみたいので、しばし、退屈な話にお付き合いいただきたい。
 平成17年度の国勢調査データから2018年に65歳以上となる人数を計算してみた。単純に55歳以上の人数と50~54歳の人数の半分を老人人口として加算すると13,200人である。死亡による減少を2,500人考えても、人口が26,000人に減少すれば市民の5人に2人は老人である。現在の7,000人強の1.5倍程度に増える。老健施設は2倍でも足りないだろう。療養型病床群の病院・病棟はひとつもないが、慢性期の病人は市立病院には長期入院できない。入院管理料が下がり、売上が減るからだ。20年後には特別養護老人ホームも数百人規模で必要になるだろう。これからこういう施設の整備や運営に巨額のお金がかかる。30~40年もすれば老人はほとんどが死んで、施設はがらがらになる。そのときの解体費用まで積み立てておかねばならない。建物の解体作業は材料別に細かく分別しなければならないので、費用がばかにならない。老人が住んでいた住宅もそのままに放置されるものが増えるだろう。数百あるいは千を越える、持ち主が死に絶え、老朽化した建物群は安全上の理由で市の負担で処分せざるをえなくなる。

 積立金を取り崩すのではなく、今後10年間くらいは毎年5億円規模で積み立てなければ間に合わないのではないだろうか。積立金を取り崩して赤字の穴埋めに使ったり、年10~12億円の病院会計の赤字を一般会計からの繰入で穴埋めしている余裕はとっくにないのだろうと思う。このまま推移すれば、10年後、20年後に、医療にかかれず、孤独死していく老人の屍の山を築くことになる。その原因はここ数年の市政にあることになるのかもしれない。偉そうなことを言いたくはないが、先を見て仕事をするということはかくも厳しい現実と対峙することである。
 
 はてさて、人口減少が加速化したのはなぜだろう?転入と転出の差が近年500人ほどに拡大している。平成18年度、転入者数が1,000人を切った。転出は1400人台である。
 町の中を歩いてもその理由の一端が見てとれる。ポスフール裏手の通り沿いはお店が並んでいるが、空き店舗が増えている。アクアラングを売っていた店は花咲港へ引っ越し、空いたままである。海鮮パスタの美味しいフランス料理店も昨年店を閉めて、空き店舗になっている。お蕎麦屋さん東雲はひとつ向こうの通りは移転した。やはりその後が空いたままである。花咲ロード沿いにあった日本蕎麦店「季心庵」のご主人は一生懸命に本物の手打ち蕎麦を作っていたが、残念ながら1昨年店を閉めた。緑町は時計の鈴木の旧店舗を市が借りて「街中サロン」として利用しているが、空き店舗である。伊沢書店も古い方の店舗を閉めた。本町・梅ヶ枝町・緑町界隈のスナックは店を閉めたあと買い手がなかなかつかない状態だ。この数年でずいぶん軒数が減った。同級生のO君も店を閉めたうちの一人である。

 小売業は大型店が繁盛している。ポスフール、札幌コープ、マルシェの3店だ。セブンイレブンが5店舗開店するという噂が飛んでいる。2箇所は確実のようだ。
 地元仕入では大型店に対抗できなくなっている。マルシェはJRの傘下に入って息を吹き返し、シーサイドは結局、店をたたんで札幌コープへ身売りした。セブンイレブンも全国チェーンで品揃えが違う。もう地元資本で独立に仕入先を開拓して経営するのが無理なようだ。だとすると中標津の東武(サウスヒルズ)は良くやっている。
 大型店が熾烈な競争を繰り広げる一方で、中小小売店が今後も経営が厳しくなり廃業が出るスナックをはじめレストラン等サービス業も数が減っている
 こうしてみると個人営業の店が成り立たなくなっていることが人口減少の一因であるようだ。蟹の業者は小さいところがたくさんあったが、量が減ったのと、大手の1船買いで小さい業者の生きる余地がなくなった。個人経営が立ち行かなくなって起きた事件がこの数年でいくつかあった。
 個人経営のお店が急速に衰退してしまえば、根室全体では働く場所が少なくなり、人口が減る。
 これは行政によってどうにかなる問題ではない
根室の民間の活力が失われているのだから、町の縮小は避けられない

 出生数の減少は人口減少のおおよそ2~3倍の速度で進んでいる。婚姻数が4年間で30%弱減少していることを考えれば、出生数はもっと加速的に減る可能性が大きい。婚姻数と出生数には論理的にも相関関係がある。データを見ると、おおよそ婚姻数の1.5倍が出生数となっている。(離婚数が平成18年度婚姻数の半分を超えた
 平成7年の出生数351人を基点にして平成18年252人への変化率を計算すると、年平均減少率は3.45%(r3)となる。婚姻数は平成14年203組から平成18年147組へと減少した。年平均減少率は7.75%である。出生数の2倍の減少率である。このままの率で婚姻数が減少すると、10年後の婚姻数は66組となる。これでは出生数は100人前後となりかねない。ちなみにr3で推計すると、10年後の出生数は96人となる。婚姻数から見た出生数推計データと出生数の年平均減少率から計算した出生数データが一致している。
 産科学会は常勤医師2名体制を提唱しているが、出生数が150人程度(6年後)に減れば、市立病院の産科も医師が一人で間に合うようになる。幼稚園はひとつになるかもしれない。保育所もひとつあるいは二つあれば充分だろう。

 若者の職場のないことが、根室の人口減少の主要な要因であることは論をまたない。根室支庁が統廃合されて振興局になるようだが、反対論の根拠として人口減少が加速化することを挙げる人がいるようだ。それは間違いだろう。すでに根室の人口減少は加速化しているのだから。
 人口減少の原因は町の外にあるのではない。大型店に押されて個人商店経営が成り立たなくなったことや、カニの仲買業者のような小さな業者が食べていけなくなったことが人口減少を加速化している。高卒者が地元で正規職員として就職できないだけではない、親の仕事を継げなくなってきているのだ。
 親も先に見切りをつけて、息子に商売を継がせようとしないケースが増えている。勉強の動機付けを探るためだったり、なりたいものにどうやったらなれるのかを一緒に考えるために、私は生徒に将来何になりたいのか聞くが、継ぐべき家業の将来に希望のもてるケースは少ない。
 
 どうすればいいのだろうか?個人商店経営の復活はほとんど希望がもてない。打つ手が狭い。地の利を生かしたブランド化のヒントになりそうなことはあるが、育てるのに時間がかかる。ブログで少しずつ検討してみよう。
 店頭公開企業をいくつか出せれば、市税収入は大幅に増える。しかし、地元金融機関にそうしたノウハウがない。まず、どこかがやって見せることだ。店頭公開支援を生業とする業界最大手のジャフコ(日本合同ファイナンス)社長は根室出身の伊藤君だ。彼のオヤジさんは大地みらい信金の元理事長(?)だったと記憶する。大地みらいは店頭公開支援のノウハウをジャフコから仕事を通じて教わるといい。やればやれる。
 もうひとつは、25,000人規模の町を想定して、行政組織や機能、病院、学校などを縮小することだ。先手必勝である。手を打つのが遅れれば、夕張市の例に見るようにツケは膨らむ。
 大きなツケを小さくなる町に残さない、次の世代にツケ回しをしない、それがわたしたち大人の義務だ。
 万が一ツケを回すようなことになったら、責任のある大人たちが老人となったときに、特別養護老人ホームは数百人も順番待ちになり、病気になっても入院する医療施設(慢性期の患者をケアする療養型病床群の病院あるいは病棟)すらなく、無策のツケをあまねく支払うことになる。
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* #2269 衝撃!根室市の人口推計値 :とまらぬ人口減少
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-21

  #2270 人口減少の衝撃: 2040年の日本の人口は1億727万人:"Japan's depopulation time bomb"
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-22




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尋ね人

思慮深いエビスさん、例えばで、お教えて下さい。

従業員250人規模の会社。
社長は理事長・筆頭株主ではありません。従業員に対する命令権のみを有し、経営責任を持たない名ばかりの社長です。
従業員達の人望厚い部長がいます。
部長と社長が方針で対立します。
従業員から見るとどちらが正しいかは半々です。
社長は、”社長は自分だから、反対するなら明日にでも辞めなさい”と部長に言います。
社長補佐は、”社長がトップだから部長が悪い”、と善悪を決め付けます。
先の前提とおり善悪は半々です。
理事長は一応部長を慰留しますが、部長は辞めます。

部長退職後の従業員への影響、業績などを考え、この会社の将来性に関してご意見をお聞かせいただけないでしょうか?

これは普通でしょうか?
このような会社の前途は如何でしょうか?
by 尋ね人 (2011-06-17 08:58) 

ebisu

尋ね人さんへ

わたしはしばしば短慮で思慮深くはありません。大事なところは考えないことにしているのです。考えると私利私欲が入り込む余地が生ずるからです。自分の利害が入り込むと判断を間違えます。下手な考え休むに似たりで、大事なときには天の声を聞くことにしています。つまり、な~んにも考えず、空っぽになって判断する。

文の内容を見て「いたずらかな?」と思いましたが、そうではない感じもするのでジョークでお答えするわけにはいかないようです。

結論は会社の前途はいいとも悪いとも判断がつきません。理由を3つほど挙げておきましょう。

①部長の評価に従業員の判断が分かれるというのは、人望が厚いにしても仕事の力量は別の評価が存在するような気がします。
②250人規模なら一人有能な人材がいるだけで利益が数億円違ってくるのが当たり前です。お辞めになった部長が仕事の力量の大きな人なら、それなりの影響があります。
③残った他の部長や課長、社員の中から有能な者が育ってくる可能性があります。

いろいろなケースがありえますね。何にも変わらないというのが一番ありそうな話しです。

お辞めになった部長さんが有力な取引先のバックアップを受けて別会社を作り社員を三分の一ほど引き抜くこともありえます。

会社の業績が悪化し、有力商品が開発できずに売上が減少して従業員数を半分に減らすことになる場合もありえます。

部長さんが仕事に有能な方であれば、在籍中に自分がいなくなっても会社の好業績が続くような業務上の仕組みをつくり上げている場合があります。そういう場合はお辞めになった後で、その会社が店頭公開することもありえます。

部長がオーナー(理事長)と直接話し合って解決の具体策を探るという手は合ったはずです。仕事の力量が大きな部長なら、理事長は「こいつを社長にしてみようか」と迷ったはずです。総合的に判断してドングリの背比べだったのでしょう。

多少、状況が違いますが、似たようなことはありました。書いた内容は職位などを除いて一部は架空のものではありません。

わたしはこういう話は中小企業によくある話だろうと思います。イエスマンばかりでは、社長が特別に有能なら別ですが、そういう会社は業績が上がらずに長い時間の中で淘汰されます。
継続する企業なら、この会社のようにそこそこ社員の人望の厚い部長や課長が何人かいて、会社の業績を支えています。それが生き残っている中小企業の、普通の、当たり前の姿ではないでしょうか。

人望のある人、仕事のできる人材が重い役職につける企業風土があるかないか、そこが企業の未来を判断する決め手かもしれません。どんなに有能で人望の厚い部長がお辞めになっても、人材が次々と輩出してくるような企業風土があればその企業の前途は明るい。

会社に具体的なビジョンがありますか?社員が具体的なビジョンを共有できるような会社でありたいですね。

決算を社員に公表し、利益の配分方式を社員と株主と内部留保に三等分するという原則をオーナー社長に認めてもらい、売上総利益率が10ポイント増加するような「仕組みの改革」を3年かけてやったら、やめたあとその会社は店頭公開できましたよ。

いきいき働く社員がおおよそ10%いる会社はよくなります。基礎学力の高さと志の高さがあれば、部長が辞めようと社長が変わろうと一企業の未来はいくらでもよくできます。
だれかがよくしてくれるのではなく、その企業で働いているあなたが雑念に惑わされず、高い志を掲げて一心不乱に働けるかどうかにあなたが働いている企業の未来がかかっているのでしょう。
「着眼大局、着手小局」です。頑張ってください。
by ebisu (2011-06-17 10:25) 

尋ね人

エビスさん。
有難うございました。あえて#1555の題目に書込みさせて頂きましたことお察しかと存じます。

後半部分の実例はたいへん参考になりました。

by 尋ね人 (2011-06-17 13:23) 

ebisu

どういたしまして。
何かの、誰かのお役に立てたのなら幸甚の至りです。
by ebisu (2011-06-18 09:11) 

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