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#1548 「新病院建設等に関する特別委」解散  Jun. 10, 2011 [26. 地域医療・経済・財政]

 市議会病院建設特別委が昨日(6月9日)の委員会をもって解散した。建設が始まって数ヶ月になるのだから当然のことだ。今日(6月10日)北海道新聞朝刊26面に標記の件の記事が載っているのであわせ読んで欲しい。
 この委員会は1年9ヶ月前に委員の改選があり、積み残された課題3つを検討していた。市議会の特別委であるから市政チェックがその主たる機能であった。
 本田市議が昨日のブログにその辺りの事情・経緯を報告している。積み残された課題は次の3つであった。

1.療養病床についての保健・福祉・介護と病院の連携について
2.建設費に係る収支計画について
3.一般会計繰入金について
以上の3点を中心に病院建設に係る諸問題を総合的に調査し、適切な対策を講ずることでした。・・・(本田市議ブログより抜粋)

 ところが、これら三つの積み残し課題を一度も委員会は審議することがなかったというのである。一つ一つ理由が挙げられている。
 "1"については、市議会で老健施設や特養の増床によってカバーするので必要なしという市長方針が市議会で述べられたので特別委では審議の必要なしという見解だったと記憶する。医療療養病床を老健施設や特別養護老人ホームで代替することはできない。そんなことは常識的な議論で、病院職員アンケートでも根室市に療養病床が一つもないことに強い危惧を抱く職員が多数いたことは明らかであるのに、審議すら避けた特別委K委員長と委員たちの不見識は批判されて当然だろう。職責放棄であり、民間会社なら業務規定違反で懲戒処分の対象である。

 "2"については建設が始まって数ヶ月がたつのにいまだに収支計画が公表されていない。市長の度重なる約束違反がくりかえされたが、特別委はなすすべがなかった。腰抜け委員たちと委員長は解散に当たって強い抗議の意思すら表明していない。市民整備委員会はこの件に関して「要望書」をきちんと出している。もちろん市長はいまだに無視しているのだが・・・。
 3万人弱の人口は10年後には2.5万人だから、現実的な前提でシミュレーションすれば、年額15億円前後の病院事業赤字となるだろう。現実はごまかせない。建て替え後に病院赤字は増えて現実になる。一般会計で補填できなければ、せっかく建て替えた病院も夕張のように診療所となりかねない。一般会計からの繰出金で病院事業赤字を継続して補填するためには3年後には市職員の給料を20%以上カットせざるを得なくなるだろう。もう遅いよ、ここまではほぼ確定だ。市議会が市政チェック機能を果たせず、恣意的な市政を放置すればどういうことになるか市職員と根室市民は身をもって知ることになる。

*平成21年7月1日の北海道新聞より
#634「病院建て替え基本計画案への7つの疑問」より
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-01-1

市総合文化会館で開かれた市民委員会では、委員から「市の人口が減っている中、後世に借金を押し付けられない。議論のために収支計画を早く示して欲しい」との要望書が出た。

 一般会計からの繰入金は11.76億円、この金額が赤字補填額だが、本田市議のブログでは基準内繰出金を除く2.78億円が赤字補填分だと書いている。
 誤解があるといけないのでしっかり書いておくが、国基準の繰出金は国基準の赤字補填である。したがって、国基準の赤字補填と基準外の赤字補填を合わせたものが病院事業の赤字額である。この辺りの感覚が一般市民とかけ離れているように感じるが、民間の損益計算の世界をご存じないからかも知れぬ。

1年9カ月間、特別委員会の中でこれらの積み残し課題の審議ができなかったことは残念です。委員会や理事会での協議内容については今後議事録が公開されますので、是非、皆さんにも読んでいいただきたいと思っております。・・・(本田市議ブログより抜粋)

 なんだか悲しいね。
 市議会病院建設特別委は市政チェック機能を一つも果たせなかった。市議って、市議会って、特別委っていったい何なんだろう?正面から議論しようとせず、先送りばかりする市役所と市長はどこを向いて仕事をしているのだろう。一つも答えようとすらしない。市議会にも市長にも仕事に正直とか誠実とかのかけらもない。

 佐藤敏三委員長の下で議会改革調査等特別委が活動中だが、いまだに本筋の市議定数削減の人数すら明らかにされていない。本筋を忘れて何か方向違いのところに行ってはいないだろうか。
 教育問題ではお隣の釧路市議会が「基礎学力問題議員連盟」を立ち上げ、地元経済界も基礎学力問題に関心を寄せているというのに、・・・根室市議会はしっかりしてもらいたい。

 根室の経済団体これほど恣意的な市政に批判の声すら上げないだろうか。病院建設特別委の積み残し課題は一つも解消されず、そのまま積み残されたまま解散である。市側には誠実さはかけらもない。こうして地域医療の中心である市立根室病院の経営が危うくなり、近い将来診療所へ縮小せざるをえなくなりそうだ。
 たとえば商工会議所がバックアップしている「医心伝信ネットワーク」は根室の地域医療を守るための組織ではなかったのか?飲み食い主体の懇親会活動で市から予算をいただいて市政の翼賛機関の役割を果たしたいならそれはそれでいいし、そういう組織があってもいいだろう。そう正直に表明すべきだ。私たちは一切市政批判はいたしません、ただの懇親会ですと。そうではなく地域医療を守るための組織なら、なすべきときに市政批判をしないでどうする。

 さまざまな会が作られるが、まるで羊頭狗肉の感あり。会の名称に"正直・誠実"な運営をしてほしい。根室のこうした"会"は名称とやっていることに落差が大きすぎる。私欲を絡めない人たちで嘘偽りのないさわやかな運営ができないものか?
 私利私欲に固まって身動きの取れない輩はほんの一部だろうと思う。心ある人が何人もいるはずだが、そろそろ声を上げるべきだ。自分たちの手で根室の旧弊を壊すべき時期が来ている。
 やらなければわがふるさとは数年のうちに地域医療と市財政の両方がきつい局面を迎える。ダブル・クラッシュするよりはソフトランディングしたほうがダメージはずっと小さいぞ。決めるのは根室に住む私たちだ。

*本田市議ブログ「新病院建設等に関する特別委員会開催」
http://nimuoro.typepad.jp/honda/2011/06/post-ab9b.html

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