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#1537 論理と情 Jun. 1, 2011 [B7. 政治に求めるもの]

 お昼のニュースだっただろうか、枝野官房長官が次のようなことを言っていた。
「政務三役が(内閣総理大臣不信任案に)賛成するのはまさに論理矛盾だ」

 政務三役は総理大臣に指名された各省の大臣によって任命されたのだから、内閣総理大臣不信任案に賛成するのは論理矛盾というのだろうか。たしかに形式論理的には矛盾している。お得意のフレーズ「ただちに健康被害があるわけではない」というのも典型的な形式論理でそれ自体は正しいのだろう。しかし、国民にとっては不正直で不誠実なアナウンスであり情のない言い方である。
 もう一人の弁護士出身の方、仙石氏も形式論理にこだわった国会論戦がお得意だった。形式論理の整合性にこだわるのはある種の弁護士の習性なのだろうか?

 小学生の被曝放射線量は20mSvまで大丈夫だと言い、その後に1mSvだと迷走している。内部被曝は考慮されていない。60京ベクレルという途方もない放射能がばら撒かれたのに、2ヶ月半が過ぎても国は除洗すらしない。市町村や学校が削り取った放射能汚染表土の集積場所すら明示できない。下水に貯まった高濃度汚泥の集積場所もいまだに公表されない。
 その一方で、福島第一原発内の瓦礫がどこに運ばれているのか明らかにされないまま着々と進みつつある。
 被災者のほとんどはいまだに各地の体育館などに避難してダンボールで仕切ったスペースで不自由な暮らしを続けている。原発周辺の農家はこれから数十年間自分のふるさとに戻ることすらできない。
 天災と人災になす術がないようにみえる。この情けない状況をみて、多くの国民はほとほとあきれてしまっている。

 形式論理にこだわり、人としての情をどこかに忘れてしまったかのような枝野発言は、政治家として云々するよりも人として基本的な資質の何かが欠けているのではないかと疑わせる。
 社会的に重要な立場にある者はその責任の重さを自覚し、正直に誠実にものを言ってほしい。


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茶の間おじさん

ご訪問有難うございます、しかしご指摘の見ものの不信任決議・・全世界が見ている中どうなるんでしょうね!


by 茶の間おじさん (2011-06-02 02:55) 

ebisu

"茶の間のおじさん"へ

楽しいハンドルネームですね。
不信任決議はいくらでも回避できたのでしょう。我を張りすぎるからのっぴきならぬところに追い込まれる。
菅さんだけでなく、枝野官房長官も岡田幹事長もかたくな過ぎました。
大震災の対策のさ中に内閣不信任が決議されるというのは"世間体の悪い"ことではあるでしょう。恥ずかしいですね。

だれが総理大臣として適任なのか、どういう具体策があるのか10日間くらい連続で徹底的な公開討論をして決めたらどうなんでしょうね。どこをみてもドングリの背比べ程度の人材しかいないのですから。
民主党というコップの中の嵐に加えて、永田町というコップの中の嵐、これでは被災地の人々がお気の毒です。
被災地の人々のことを考えたら、採るべき行動が違うのではないでしょうか?
みんなそう思っていても、それでもこうなる。
by ebisu (2011-06-02 12:00) 

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