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#1506 3号機爆発は使用済み燃料の即発臨界爆発だったという假説 May 7, 2011 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 福島第一原発3号機の爆発について米国の元原子力技術者アーニー・ガンダーセン氏が使用済み核燃料プール内の燃料棒が核反応を伴う爆発(即発臨界*)を起こしたという可能性を指摘している
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*ビデオの中でガンダーセン氏は誤解のないように即発臨界という専門用語を使用し、核爆発という用語は使っていない。水素爆発が引き金となり、使用済み燃料保管プールの燃料棒に圧力がかかり即発臨界を起こしたのではないかというのが彼の説明の主旨である。水素爆発だけではあの黒煙とオレンジ色の閃光を伴うすさまじい爆発エネルギーの説明がつかない。
 このビデオでは言及がないが、爆発音は3回あったという。水素爆発あるいは水蒸気爆発とそれに続く爆発が2度あったことになる。これは何を意味しているのだろう。水素爆発のあとの即発臨界による爆発があの垂直に吹き上げた黒い煙だったのだろうか?
(原子炉圧力容器の上部が吹き飛ぶ⇒原子炉格納容器の上部が吹き飛ぶ⇒コンクリートシールドが吹き飛ぶ⇒建屋屋上部分が吹き飛ぶ)

 コメント欄に核爆発ではないとのコメントがあったのでガンダーセン氏の発言の主旨と使用した用語を追記しておく。

 ネットを検索してもう一つ見つけた方は同じビデオ映像を分割して発言内容をまとめて、ブロガーがコメントをつけているが「即発臨界による核爆発が生じ」と書いている。この部分はガンダーセン氏の発言ではなくブロガーの解釈。核反応による爆発だから「核爆発」の用語を使ったのだろう。学術上「核爆発」を原爆のように臨界状態でTNT火薬で360度から超高圧をかけて引き出す爆発のみを「核爆発」というのか、「核反応によって引き起こされる爆発」をも含めて核爆発の用語を使うのか、私にはよくわからぬ。
 仮に360度から超高圧をかけ損ねた場合は物理学の定義上はどのようなことになるのだろう。
 この辺りの技術的な問題はさておいても、重要なのは爆発によってMOX燃料が2マイルも先まで飛び散っているという事実だ。たいへんな放射能汚染が生じたのだろう。プルトニウムが出すアルファ線はガイガーカウンターでは計測できない。肺に取り込んでしまい内部被曝すればアウトである。

 プルトニウムの半減期は2.4万年、ウランなら45億年である。データは公表されていない。米国がハワイや西海岸で検出したと公表しているのに日本の原子力安全保安院からは調査しているのかいないのかアナウンスがほとんどない。原発敷地内で微量検出されたというだけである。例によって「ただちに健康被害があるわけではない・・・」という枕詞がついている。ならば政府関係者は防護服をつけないで原発敷地内を1時間散歩してみせよ。枝野官房長官も海江田経済産業大臣も白い防護服に身を固めていたではないか。嘘はもうたくさんである。枝野殿、クロをシロと言いくるめるのが弁護士ではあるまい。職業倫理を失ったらおしまいである。立場上嘘を言わざるを得ないのなら、さっさと官房長官職など放り投げるがいい。

 ZAPPERさんのブログのURLをクリックし貼り付けてあるビデオをご覧いただきたい。8分ほどあるビデオをご覧にならない方もいるだろうから、氏の使った専門用語を書き加えた。重要な専門用語を落としてしまったことは私の落ち度である。コメントを寄せてくれたハンドルネーム"理系の人"へ感謝したい。
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 音速を超えるスピードで垂直に吹き上げた黒い爆発雲と建屋南側からオレンジ色の閃光が上がったことを証拠に上げている。水蒸気爆発では黒い煙は上がらない、ウランやプルトニウムが即発臨界(核爆発)を起こせばオレンジ色の閃光と黒い煙が上がるという。水素爆発だけではあれだけの瞬間的なエネルギーはでない。
 彼は爆発の様相を次のように二つの専門用語を使って区別している。
 1号機建屋爆発はdeflagration(音速の衝撃波)で3号機建屋はdetonation(音速を超える衝撃波)で爆発の仕方が明らかに異なっている。爆発のベクトルは1号機建屋が横方向、3号機建屋が垂直方向。
 米軍機が採取した核種の同位体(キセノン同位体)を分析すればその比率で使用済み燃料ブールで「即発臨界」を起こしたかどうかが分かるという。近々確認・公表されるかもしれない。
  これが事実なら事故をひたすら小さく見せようと躍起になってきた民主党政権はどうなる?日本人は自己保身のインチキが嫌いだ。

 彼が挙げているもう一つの「証拠」がある。2、3マイルはなれたところまで核燃料棒の破片が飛び散っているがそれは3号機の核爆発によるもので、水蒸気爆発ではそこまで飛ばないということだ。したがって、2,3マイルはなれたところまで飛び散ったというのことは即発臨界(核爆発)の傍証となる。
 そして細かいウランの粒子がハワイと米国西海岸で検出されたことをビデオの中で告げている。発電所付近ではパウダー状になったプルトニウムも検出されているというから、3号機のプルトニウムを含む「燃料棒が揮発したことを意味します」とガンダーセン氏。

 彼の假説によれば半減期45億年のウランや半減期2.4万年のプルトニウムが周辺にばら撒かれたことになる。東電や原子力安全保安院は半減期の短いヨウ素(8日)やセシウム(30年)のデータのみを公表し、肝心のウラン(45億年)やプルトニウム(2.4万年)に口をつぐんでいるのはそういう意味があったのか。彼の假説が正しいとすると、プルサーマル原発の恐ろしさが最悪の形で出てしまったことになる。菅総理大臣が唐突に浜岡原発の停止を要請したことと何か関連があるのだろうか?

 ひとつだけアーニー・ガンダーセン氏の説に無理があることは指摘しておかねばならぬ。情報を自分の手で確認可能な限りはチェックすべきで、その上で推論を積み重ねてブログに書きたいものだと常々考えている。十分にはできないが、気がついたときにはそうしたい。
 3号機の使用済み核燃料プールが核爆発を起こしたのなら、建物南側の損傷が激しい筈だが、写真を見ると2号機側、つまり北側の方が損傷が激しい。海を背景にして左側に2号機が位置している写真は3号機建屋の左側が1階部分まで壊れている。使用済み燃料プールは公表されている建屋構造図では南側(海に向かって右側)に位置しているはず。
*http://www.google.co.jp/imglanding?q=%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80&hl=ja&gbv=2&tbs=isch:1&tbnid=Mhr_j1Gh4vx_yM:&imgrefurl=http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103210130.html&imgurl=http://www.asahi.com/special/10005/images/TKY201103220050.jpg&w=500&h=375&ei=rkOYTargJovUvQO91tSEDA&zoom=1&iact=hc&oei=XUOYTfC_I5GWvAOis4WEDA&page=2&tbnh=131&tbnw=173&start=18&ndsp=20&ved=1t:429,r:7,s:18&biw=1259&bih=570

 
写真手前側が2号建屋、真ん中が3号建屋の残骸、奥が4号建屋である。つまりこの写真は陸側から海方向斜め(南南東方向)に向けて撮られたものだろう。



 もう一つのビデオ映像(3分59秒目)を見るとタービン建屋が原子炉建屋の下側に移っているから下側が海だ。赤外線写真で白や赤くなっている高温部分は原子炉ではなく使用済み燃料プールの位置である。中央より少し右側に位置している原子炉と思われるところは小さな白と赤いてんが三つ見えるだけである。大きさが比較にならない。高温部は左側だからプールの位置だ。プールが壊れて水がほとんどないから残っている燃料棒が高熱を発していると素直に解釈するのがいいのだろう。

 どういうわけか彼はプールの位置を取り違えている。赤外線写真に高温で写っている左部分を原子炉と誤認して「3号機の格納容器・原子炉は損傷を受けていないということでしょう」と語っている(4分15秒)が、ビデオ映像は逆のことを告げている。
 氏は「50フィート×50フィート×50フィートの燃料プール容器内の水は空の状態だったと私は思っています」と語っているが、ビデオ映像の海側が下の位置の映像で左側が白と赤の大きな点が映っているから、まさしくその通りであるわけだ。中央よりも少し右側の原子炉とおぼしき部分は白い点が二つと最も小さい赤い点が一つ見えているだけである。原子炉が無事なら、原子炉格納容器全体が大きく赤い点となって映っていなければならないが見当たらぬ。吹き飛んだ圧力容器内の燃料棒のごく少量の残存物が小さな点となって赤外線映像に映っているように私には見える。格納容器が無傷なら、その一部だけが赤外線映像に三つの点となって映るということがありうるだろうか?

 これらの点からもう一つの仮説がもちあがる。3号機の原子炉圧力容器と格納容器は核爆発で吹き飛んだ。その核爆発で使用済み燃料プール内の燃料棒もかなりの部分が損傷を受け、プールは壊れて水が抜けてしまった。だから、海側を下にした映像では建物左側が大きな熱源となって映っている。核爆発を起こした圧力容器と格納容器は大半が吹き飛んで残ったごく少量の燃料棒が小さな三つの点となって白い点や赤い点になっている。
 さて、あなたはどうみるだろう?

 ZAPPERさんがアーニー・ガンダーセン氏のビデオをブログに貼り付けているのでそちらを見て欲しい。

3号機は即発臨界による核爆発か(福島原発事故)
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51793666.html

「政府、浜岡原発の全原子炉の運転停止を要請」2011年 5月 6日  19:29 JST
http://jp.wsj.com/Japan/node_232487

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*#1463 「福島第1原発3号炉はもう無い
:東京電力社員退去要請の意味」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-06

*#1462 「裸の王様:原子炉圧力容器は破損している 論より証拠、よく写真を見てごらん
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-05

**#1460 「原子炉圧力容器損傷か?:写真で検証」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-03-1

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福島原発3号機は、即発臨界による核反応(核爆発)か アメリカの原子力専門家
 こちらはビデオ映像を区切って掲載し、発言内容を書き出してあります。
水素爆発による衝撃波で燃料棒が変形したことで即発臨界による核爆発が生じ、その核反応が爆発のエネルギーを形成したと思われる。
http://yama1.iza.ne.jp/blog/entry/2271829/
 
 引用部分はブロガーのコメントです。

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放射線リスク欧州委員会の委員であるロンドン在住のバズビー教授という人が使用済み燃料プールで「核爆発」を起こしたとユーチューブで主張している。
http://yomo-uni.iza.ne.jp/blog/entry/2273099/

プレスリリースの日本語訳
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/91a87a5aa6a956eb7704eb6ed0406dc0

 ハンドルネーム"理系の人"の説明によれば、物理学上の定義では「即発臨界」によって爆発が起きても「核爆発」とはいわないようだ。
 でも今回の3号機の爆発は1号機や4号機のように水素爆発や水蒸気爆発では片付けられないような要素を含んでいるように見える。専門家たちが今後どのような説明をするのか注目したい。

 バズビー教授は水素爆発だろうがメルトダウンによる水蒸気爆発だろうが核爆発だろうが、結果はたいして違わないとも発言している。要するに燃料棒が破損して飛び散って深刻な放射能汚染を引き起こすことでは変わりがないという理屈だ。3号機の使用済み燃料プールのMOX燃料が即発臨界で爆発を起こしMOX燃料が大量にばらまかれた。そのうえ核反応がいまだに続いてコントロールできず毎日大量の放射性物質がばら撒かれている。70㌔圏内での放射能汚染の積算値はチェルノブイリよりもはるかに高いとも言っている。最近の研究ではチェルノブイリ事故では癌の死亡者が140万人というのが「先のベルリンでのECRRのリスクモデルを使った私たちの計算結果です」と数値を挙げている。チェルノブイリ事故のあとの疫学調査結果に基いて日本の被害が計算できると主張しているようだ。彼は日本は汚染地域の人口がチェルノブイリに比べて多いことを心配している。

「放射線放出の結果として起こる癌には、乳癌、白血病を含んだありとあらゆるガンがありますし、他の病気や先天性奇形や不妊の問題がチェルノブイリ事故の影響を受けた旧ソ連領土の全土で見られました。」
しかし、問題は日本の当局が放射線レベルが低いと言っていることと、人々が30キロゾーンの外に住むことができると言っていることです。彼らは、原子力発電所を建設し続け、ウランを採掘し続け、沢山のお金を儲けたいのだと思います。これは、犯罪と言っても良いほど無責任です。」

 モスクワ発の情報はまるで「遠慮」がなく大げさで過大に聞こえる。そして大げさであって事実とは違って欲しいと願う。
 10年20年たつうちには結果がでるが、現在意思決定している人たちはそのときにはもうこの世にいないか、引退しているのだろう。

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キセノンの分析データがある】
「日本分析センターにおける空間放射線量率と希ガス濃度調査結果」4月27日
http://www.jcac.or.jp/lib/senryo_lib/nodo.pdf


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コメント 6

理系の人

そもそも3%程度の濃縮しかされていない原発のウラン燃料で核爆発がおこりえないと思います。核兵器の濃縮度は90%超です。

臨界事故と核爆発は定義上全く異なります。仮に核爆発だったとしたら、この程度の爆発では済みません。福島第一原発周辺は4000度の高熱に曝され跡形もなく消えるでしょう。
by 理系の人 (2011-05-08 10:22) 

ebisu

"理系の人"

あなたの言うことももっともに聞こえます。
その一方でアーニー・ガンダーセン氏は元原子力技術者です。
「即発臨界」と言葉を選んで使っています。それを「核爆発」といっています。ただの臨界事故ではなく、プール内の使用済みプルトニウム燃料が爆発を伴う即発臨界を生じたのではないかという假説を提示しているのです。ビデオをご覧ください。私はビデオを2回見てからブログを書いています。

>1号機建屋爆発はdeflagration(音速の衝撃波)で3号機建屋はdetonation(音速を超える衝撃波)で爆発の仕方が明らかに異なっていると指摘している。

このようにかれはさらに専門用語を解説して、爆発の種類を区別しています。

「臨界事故」という言葉からは、事態の深刻さがまるで伝わってきません。一般人には「交通事故」「飛行機事故」などと似たような響きしか持ちません。
東海村の「臨界事故」は中性子線が大量にでましたが、爆発はありませんでした。

ガンダーセン氏は爆発している現実を見据えてその仕組みを假説として提示しています。
たんなる「臨界事故」にあのような爆発がありえないことはあなたも同意できるでしょう。

稼働中の原子炉建屋内のプールに「使用済み核燃料」が大量に保管されているという事実すら原子力安全保安院からは公表されていませんでした。驚きでした。これでは原子炉を停止したあとに燃料棒を圧力容器から抜き出すことができません。そういう杜撰な運用をしていたのかと驚かざるをえません。しかもプルサーマルです。

話しを元に戻します。
音速を超える爆発があったことは事実なのです。そうした現実をどのように理解するかが問題なのであって、「爆発」の現実を無視しては空論になります。
4機同時の原発事故は初めての経験です。しかも、1から4号機すべてがなんらかの爆発を起こしています。
3号機の爆発が威力が大きく、爆発の様相もまったく違っています。いかなる仕組みでそうなったのか、いまのところはいろいろな假説を一つ一つ検証すべきでしょう。思い込みで現実を無視したらなにも分からないでしょう。
わたしは「即発臨界」の仕組みやそれがどのような爆発を起こすかはわかりませんが、現実を観察することはできます。
公表されるさまざまな資料に眼を通して、判断したいと思います。
by ebisu (2011-05-08 10:59) 

理系の人

言葉の定義は重要です。

即発臨界=核爆発という考え方は誤りです。

核爆発は即発臨界状態で超高圧の圧力が加わってはじめて起こります。原子力発電所では超高圧状態は作り出せないので核爆発は起こり得ないのです。

ビデオも見ましたが、さすが元原子力技術者の方です。「prompt criticality」や「nuclear reaction」というワードは使っていますが、決して「nuclear explosion」というワードは使っていませんね。

ビデオでは3号機の爆発が核爆発ではなく水素爆発に起因するものとであるということはガンダーセン氏も述べています。水素爆発が燃料プールに核反応を含む何らかの作用を及ぼした(検証するには科学的データが必要)とまでは言っていますが、「核爆発」とは言っておらず、「create dramatically event」という言葉で濁しています。

>ビデオの中でガンダーセン氏は核爆発という一般用語と共に、誤解のないように即発臨界という専門用語を使用している。

「核爆発」という単語は私がビデオを見た限り、一度も述べていないようでしたが、私の見逃しでしょうか?
by 理系の人 (2011-05-08 12:31) 

ebisu

理系の人へ

ビデオをもう一度確認しました。核爆発という用語はありませんね。ZAPPERさんがブログのタイトルに使っていたのをビデオの中の説明と勘違いしたようです。
あなたの見逃しではなく私の勘違いです。

>水素爆発が燃料プールに核反応を含む何らかの作用を及ぼした(検証するには科学的データが必要)とまでは言っていますが、「核爆発」とは言っておらず、「create dramatically event」という言葉で濁しています。

仰るとおり、水素爆発が引き金となって「即発臨界」というのがガンダーセン氏の主張です。

なお、追記した部分のブログ本文の核爆発の用語はご指摘に従い削除いたします。
再度のご指摘ありがとうございます。

もし、ご意見をお持ちなら伺いたいのですが、1号機の爆発のときとは違って、オレンジ色の閃光が出ていることはどう考えますか?
「水素爆発が引き金となった即発臨界」という表現が事態を正しく表すのでしょうか?

核分裂反応(即発臨界)をともなう爆発なら、一般的には核爆発といってもいいのではないでしょうか?
「臨界事故」という用語はあの爆発には適さないように感じます。
起きた事態をあらわす言葉の問題はまことに重要ですね。
もう一度、コメントいただけたら幸甚です。
by ebisu (2011-05-08 13:41) 

理系の人

>核分裂反応(即発臨界)をともなう爆発なら、一般的には核爆発といってもいいのではないでしょうか?

核爆発は核分裂そのものがトリガーになって引き起こされるものです。それ以外の事象は物理学上「核爆発/nuclear explosion」ではないのです。

仮説と立証を重ねた上で「核爆発」の定義が物理学でそのように定義されているので、ウラン濃度が3%程度の原子力発電所で「核爆発」は起こりえないと私は言っています。今回の事象も「核爆発」と定義するなら、3%程度のウラン濃度で核爆発を引き起こさせるためのあらたな科学的立証が必要になってきます。

さて、オレンジ色の閃光ですが、3号機には海水を大量に注入していますので、海水に含まれるナトリウムとの炎色反応と見るのが化学的には妥当な気がします。ですが、あくまでもこれは推測の域ですので、様々な科学的データをもとに解析する必要があると思います。
by 理系の人 (2011-05-08 17:21) 

ebisu

>核爆発は核分裂そのものがトリガーになって引き起こされるものです。それ以外の事象は物理学上「核爆発/nuclear explosion」ではないのです。

>仮説と立証を重ねた上で「核爆発」の定義が物理学でそのように定義されている

「即発臨界」に伴う爆発があったとしても物理学上の「核爆発」には該当しないというのは理解できました。
そして単なる臨界事故には爆発はないのでしょう。
これでは今回の事象を表現する適切な専門用語がないようです。
どういう言葉を使って専門家から説明がなされるのか楽しみです。

オレンジ色の閃光は「海水に含まれるナトリウムとの炎色反応」とすると1号機では同じように海水を注入していたはずですがオレンジ色の閃光がなかったことの説明がつきません。
わたしは4号機の爆発映像を見ていませんが1号機とおそらく似たような現象だったのではないかと推測します。
ですが、あなたが言うようにナトリウムとの炎色反応説も一つの仮説、解釈であるとは思います。

>あくまでもこれは推測の域ですので、様々な科学的データをもとに解析する必要があると思います。

丁寧な解説ありがとうございました。冷静な記述に敬意を表明します。
by ebisu (2011-05-08 17:53) 

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