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#1485 作業員の被曝管理を強化せよ:追跡調査ができるような体制をとれ Apr. 24, 2011 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 #1483で作業実態を伝えた。現場は週4日働き2日休んで翌週も仕事をしている。現場の放射線量から考えて信じがたい作業実態である。聞いたときは誤報と思った。

 今朝の北海道新聞朝刊では1面の見出しは「建屋周辺がれき900㍉シーベルト 東電が汚染マップ」となっている。福島第一原発敷地内の汚染マップが載っているが、一番低いところは3号機南側の「生コン圧送機周辺」で20~30mSvで、タービン建屋外側にある「移送配管表面」は75~86mSv、4号機からだいぶ離れた集中廃棄物処理施設では160mSv、3号機西側の瓦礫からはそれぞれ300とか900mSvが検出されている。

 この状況からはかさ上げした被曝限度量に最大で2日間、最小で17分しか作業できないことになるが、22日のNHKテレビ報道によれば現場では「4日働いて2日休みで、翌週も仕事」をしている。
 仮に作業環境の線量が30mSv/hあったとしよう。一日5時間延べ4日間働いたら600mSvの被ばく線量になる。翌週まで作業できるはずがない。
 すでに250mSv というかさ上げされた被曝線量すらはるかに超えている作業実態が明らかになったというべきだろう。放射線技術者ですら年間20mSvであるのに、その12倍を超える放射線量の限度をもはるかに超える被曝量で作業がなされているとみなさざるをえない。

 ゼネコンは立場の弱い下請け取引先企業に「原発敷地内での仕事の協力依頼」を出しているが、このままでは過度な被曝をした立場の弱い作業員が将来次々に放射線被曝による傷害を起こすことになる。
 作業従事者の健康追跡調査をし正当な補償措置可能にするためにも、作業従事者の作業記録を完全な形で保存すべきだ。
■誰がいつ何時間作業し、フィルムバッチから計測した被曝線量がいくつなのかの記録を残すべきだ。
■原子力安全保安院は東京電力任せにせずに自ら現場に赴いて作業記録の監視をすべきだ。
 原子力安全保安院と権限をもっている経済産業省は現場に人を派遣して作業を監視すべきで、それがかれらの仕事だ。自分たちに課せられた仕事から逃げることなく、正直に誠実に職務を果たしてもらいたい。先ずトップのほうから幹部が数人交替で現地入りをすべきだ。

 枝野官房長官は現地視察をしたときに白い防護服を着て防毒マスクを着用していた。100mSvでも「ただちに健康被害があるレベルではない」と何度もテレビで公言しておいて、自分が視察するときは防護服を身にまとって安全に配慮している。30キロ周辺住民は同じ人間ではないとでも言うのだろうか?
 菅総理は21日になってようやく被災地を訪問した。体育館にいる避難民を訪問したときに「もう帰るんですか?前を通り過ぎるんですか?」と声が上がった。話しを聞かずに出口を通り過ぎようとした総理に双葉郡大熊町からの避難民二人がたまりかねて非難の声を上げた。戻ってきて、「そんなつもりはありませんでした、話しを聞きます」と応じた。その次の訪問地では個々の話しを聞いたという。
 30歳のころ自転車に旗を立てて高島平団地の周辺を走り回っていた市民運動家菅直人はどこへいったのだろう?学ぶべきことは、立場がこれほど簡単に人を変えるものだということ、責任ある立場にあるものは初心を忘れないようにしたい。

*#1483 「福島第1原発内の作業実態:「4日働いて2日休み」」 Apr. 23, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23


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**2011.06.25追記
「作業員69人はどこに? 所在不明、偽名登録疑い、核防護上の問題も2011.6.24 22:05  産経ニュースより
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110624/dst11062421260024-n1.htm

「東京電力福島第1原発で進められる事故収束作業に従事したはずの作業員69人の所在が分からなくなっている。臨時雇用が終わって連絡が取れない人がいるとみられるが、偽名登録が疑われるケースも目立つ。原発への立ち入りは厳重な管理が求められていることもあり、専門家からは「テロ対策上の不備をさらけ出した」との批判も上がる。(原子力取材班)

 「当該企業に確認したら、そんな人物はいないとのことだった」

 今月20日夕、作業員の被曝(ひばく)状況を説明していた東電の松本純一原子力・立地本部長代理からこんな言葉が漏れた。東電は厚生労働省からの指示を受け、事故直後から3月末までに同原発で働いていた作業員の被曝線量調査を進めていたが、その過程で、下請け企業の作業員69人と連絡が取れないでいることが判明した。

 東電と厚労省によると、東電が下請け企業を通じて作業員の被曝線量を測定しようとしたところ、69人のほぼ半数については「該当者なし」と回答があり、氏名も連絡先も分からないという。

・・・
社員証や免許証などによる本人確認もしていなかったといい、厚労省の担当者は「線量管理ができていない」と憤りを隠さない。

 「手続き飛ばした」

 所在が分からないとはいえ、「貸した線量計は返却され、線量も記録されている。(入構した)人間がいたことは間違いない」(厚労省)。所在不明の作業員の被曝線量はそれほど高くないとみられているものの、本人と連絡が取れないままだと、後に健康被害が出ても労災認定が受けられない可能性もある。

 東電の下請け企業に勤務し、事故直後に作業に携わった男性(47)は「(入構で)いつもはやらなければいけない手続きを飛ばしていた。IDカードの発行もなく、紙製の仮カードさえ持っていれば入れた」と、当時の状況を振り返る。

 作業時の被曝線量は労働安全衛生法に基づいて厳重に管理されるが、男性は「まずは仕事が先で、今回(東電が)どこまでやろうとしたのか分からない」と疑問を投げかけた。

核防護規定抵触も

 東電のずさんな管理態勢が明るみに出たのは初めてではない。5月には、宮城県での仕事に応募したあいりん地区(大阪市西成区)の男性が、求人内容と異なり、同原発敷地内での作業に従事させられていた問題が発覚している。

 「どんな事態であっても身分確認は重要だ。労働基準法違反などのレベルではない。テロを想定した武力攻撃事態法にも抵触しかねず、原子力施設の安全防護上、看過できない」

 こう指摘するのは、京都大学の神田啓治名誉教授(核物質管理学)だ。

 経済産業省原子力安全・保安院によると、電力各社は原子炉等規制法に基づき、各原発ごとに核物質防護規定を定めており、身元が明らかでない人物の原発立ち入りは同規定に抵触する恐れがあるという。

 神田教授は「米国はテロに敏感になっており、原子力施設への出入りを厳しくしている。日本の原発全体、管理が緩いという疑念を持たれたらいつテロリストに狙われるか分からない」と懸念を示している。


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