#1369 根室出身、道内唯一の力士若天狼に八百長疑惑 Feb. 4, 2011

　夜中にマイナス3度だったが、桂木海岸から牧の内へかけて濃いガスが出ていた。朝になってもまだ300メートルほどしか視界がなかった。まるで8月だ。冷たい海水に暖かい空気が出遭ってガスが発生していたのかもしれない。冬にしては変わった気象現象だった。夜になって珍しくプラス0.7度である。風もなく暖かい夜である。

　今夜の話題は3つ。
　一つ目は、大相撲に八百長疑惑が持ち上がり、十数人の力士が事情聴取を受けているが、その中に根室出身の力士、若天狼の名前が出ていること。北海道唯一の力士だという。大鵬、北の湖、千代の富士と強い横綱を輩出したが、いつのまに北海道出身の力士がたった一人になってしまったのだろう。
　若天狼は根室出身の力士だ。光洋中学校出身とウィキペディアにあるから、どうやら後輩であることは間違いないらしい。おおらかな自然の中で育ったはずだが、・・・やってしまったことはどうにもならぬ。若天狼は関与を否定しているが例のメールの取り組みが何度もテレビで流されている。メールのやり取りどおりの取り組みに見えた。
　財団法人認可や公益法人指定取り消しが取りざたされているが、そうなれば国技館の使用もできなくなる。関係した力士の誰もこのような事態なるとは想像していなかったのだろう。八百長は20年以上も前から何度も噂され、週刊誌ネタになっている。
　チャンスは何度も何年もあったが、協会理事たちはことごとく潰してきた。歴代の理事たちは正直に誠実に仕事をしてこなかったということだ。情報を隠蔽し、改革を先延ばししてきた。ツケはとてつもなく大きい。組織としての存続がかかっているから処分は厳しいものになるだろう。トカゲの尻尾切りである。ミッタクナシだ。
　白鳳のように心技体の三拍子揃って四六時中よい相撲をとることを考えて精進している相撲取りもいる。かれらに早く本場所で相撲をとらせてあげたい。

　相撲取りや協会理事たちは"国技"の意味を今一度考え抜く必要があるだろう。相撲は神事である。神様の前でとる相撲に八百長があってはならぬのだ。原理原則に還って考えることの重要性をあらためて学びたい。神事であるということは相撲人としての基礎的教養に属する。

　二つ目は50～60代の根室の水産関係者3人がビザを取って国後島へ訪問していたこと。共同通信記者に対してそのうちの一人が「自粛要請は知っている。過去に何度も来ている」と発言して物議をかもしていた。根室市が他地域の業者や観光旅行者へロシアビザを取得して北方領土入りするのを自粛するように要請しているのに、根室の水産関係者が何度もビザを取って訪問しているとは何たることか。日本中から根室人は得て勝手な人種と思われただろう。
　やりにくいテーマかもしれないが、北海道新聞根室支局が追跡取材をしてくれるか注目したい。
　水産関係団体や根室商工会議所はこのままノーコメントか？青年会議所の青年らしいコメントはないのか？北方領土関係団体も歩いていける距離だろうから抗議文書を渡したらいい。「オール根室」はこういう問題になるとなぜか静かで発言がなくなる。相互批判精神を亡失した者ドモのなんと情けないことよ。

　ところで、私たちはズルイとか卑怯とかいうことを軽く見すぎてはいないだろうか。
　たとえば、イジメは卑怯なことで、人間としてやってはならぬこと。そして卑怯なことは絶対にしてはならぬことであり、人として恥ずかしい振る舞いである。ならぬものはならぬのである。
　家庭でも学校でも塾でもそういうことは大人が子供たちへはっきり言わなければならない。「イジメは卑怯な振る舞いで、人としてあるまじき恥ずべき行為」だと。そして、卑怯な振る舞いをしてはならぬとトコトン教えなければならない。それに反することを自分の子供がしたら、問答無用でひっぱたくべきだ。家でもそうしていると言い添えて、卑怯な振る舞いを子供がしたらひっぱたいてくれと意のある保護者はＰＴＡの集まりで教師にお願いすればいい。
　ニムオロ塾では入退出時は大きな声ではっきり挨拶することを旨としている。そして、イジメは卑怯な振る舞いで、人としてしてはならぬことと機会を捉えては常々生徒に話している。「卑怯なことはしてはならぬ、ならぬことはならぬ」と繰り返し教えている。余計なお世話であっても私塾が教えるのは勉強だけではない。

　三つ目はベトナムサンマ輸出の件だ。根室市長が水産加工業者を伴ってベトナムへ出かけ、根室のサンマのみ関税を免除して欲しいと要請したそうだが私は耳を疑った。自分さえよければいい、他を省みない振る舞いが何を引き起こすか考えたほうがよい。
　根室だけの特例扱いは「売り手よし、買い手よし、世間よし」とはならない、世間様が悪くなる。サンマの加工業者は厚岸にも釧路にも宮城県にも千葉県にもあるだろう。根室だけ特例扱いをして関税が免除になったとして、根室は他地域からどう思われるか、「自分勝手な奴」と思われるのがオチだ。それは北方領土返還運動にも影響するだろう。
　要求すべきは根室サンマのみの免税ではなくて、サンマの関税撤廃要求だろう。それなら他地域も諸手を挙げて賛成に回るに違いない。それでベトナム側がノーと云うなら話はそこまで、あっさり退く。

　根室管内の小中学生の学力は北海道でも最低レベルである。基礎学力の高い者たちの大半がいまも根室から出て行く。こうして多くの分野が人材枯渇現象を呈し、能力不足の者たちが町を担わざるをえない状況が現出している。弊害も年年歳歳大きくなる。
　人口3万人を切った町の市政といえども広い視野にたって判断しなければならないのだが、目先の利益に右往左往して悪手を連発しているように私には見える。
　広い視野をもって大局判断を誤らないためには、しっかりした基礎的学力や教養が必要だが、病院建て替え問題とベトナムへのサンマ輸出問題の一連の行動をみていると、わが市長殿にはそうした基礎的教養が欠けているのではないかと心配になる。裸の王様よろしく、地域エゴ丸出しなのである。
　「オール根室」の名の下に市政と地元経済界とが癒着（？）しており、当のご本人も一蓮托生の地元経済界もその異常さに気がつかぬ。
　下手な田舎芝居に、"殿、裸ですぞ"とｅｂｉｓｕが笑ころげた。



*「若天狼関ら呼び出し　幕内3人を含む7人　八百長疑惑問題で理事会」Ｄｏｓｈｉｎニュース
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/dogai/271381.html

**「北方領土：日本人３人、露ビザで国後渡航　北海道・根室の水産業者か」毎日新聞
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20110130ddr041030006000c.html

***「冷凍サンマの関税見直し検討　ベトナム高官　根室市長に表明」Ｄｏｓｈｉｎニュース
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/268265.html



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