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#1306 教育再考 根室の未来 第2部 低学力③:若手多く指導に苦戦も Dec.19, 2010 [64. 教育問題]

 根室の地政学的な問題が教育へも影響しているように私には思える。地元出身の教員が少ないことは記者が指摘するように事実だろう。根室の教育をどうすればいいのか道新の記事を読んで一緒に考えて欲しい。
 12月16日付北海道新聞根室地域版より。  

 教育再考 根室の未来
  
第2部 低学力 ③
   
ゆがむ教員構成
    
若手多く指導に苦戦も

 羅臼町では、小中学校の教員49人のうち、初任地が羅臼の人と臨時採用の人が過半数の28人を占める。
 20代の小学校教員は、学級の問題や教材研究などについて「相談できるベテランがもう少しいれば」とこぼす。実際は、教育の本を読んだり同世代の教員に相談することが多い。町教委の池田栄寿教育長は「若い先生はとても熱心だが、頑張りすぎて時に消化不良を起こす」と心配する。
 根室管内は、道内でも若い教員の割合が高い。小学校は20台が34%で、全道平均を20ポイントも上回る。逆に、経験豊富な40~50代は計26%しかおらず、同17ポイント近く低い。中学校も同様の傾向だ。

  親にもの言えず
 大学を卒業して間もない教員にとって、児童・生徒の親は一回り以上年上だ。学力向上には家庭学習や生活習慣も重要だが、若手教員には「保護者にはっきりものが言えない」という悩みもある。
 こうした問題を改善するため、道教委は今年からベテランの飯田雄士教諭(49)を巡回指導教員として、標津中に配置した。飯田教諭は週1回標津町へ行き、若手教員と一緒に6年生の算数を指導する。標津賞の東優佑教諭(26)は「折り紙を使った図形の性質を学ぶなど、教え方がとても参考になる」と喜ぶ。

  異動希望少なく
 年代構成にひずみが生じたのは「根室管内への異動希望者が少ない」(道教委)ためだ。
 教員人事は従来、道教委が一括して行うのではなく、全道14管内ごとに置かれた各教育局の権限だった。全道のバランスを調整する力が働かず、根室がベテランの配置を望んでも、他管内から異動してくる人がいなければ新採用の教員を充てるしかなかった。
 道教委は今年、広域人事実施要領を策定した。来春からは道教委の主導で、根室管内と十勝、石狩両管内との交流人事を促進する。また、採用に地域枠を新設。根室の枠で採用された教員は根室で活用してもらう仕組みだ。だが、交流人事は年間1~2人、地域枠は同5人に過ぎない。

  地元から育たず
 一部保護者には、教職員組合の主張が強いため人事が滞っているとの見方が根強くある。これについて、道教委も北教組も否定。ただ、「個人の事情は考慮する」(道教委)といい、北教組根室支部の白石雅志支部長は「生活基盤の安定がなければ力を発揮できない」として、理解を求める。事例一枚で異動を迫られる多くの民間企業とは異なる。
 道教委によると、中堅以上の教員の異動希望は、親の介護などから出身管内へのものが多い。そもそも異動先として根室管内人気が低いのは「根室出身の教員が少ないため」との指摘もある。
 本来は、地域から教員を輩出し、その地域の人材育成に貢献してもらうのが望ましい。だが、学力がつかないことで「地元で教壇に立つ子の育成がうまくいっていない」(教育関係者)。ここでも悪循環が起きている

< コメント >
 教員になるものが少ないかどうかは知らないが、団塊世代の同期で教員になり戻ってきたものは一人、首都圏で教員をしたもの一人を知るのみである。
 都会で知り合ったとして、就職を根室管内でするからついてくるパートナーはごく小数だろう。市街化地域だってそれほど便利がよいとは言えないし、かなりの期間郡部の学校回りをすることになる。都会とは比較にならぬほど不便を強いられる。あえて根室に戻らずともそこそこの成績なら首都圏で先生の職に就けるのである。
 こうして省みると、優秀な先生の確保はまことに難しいということがよくわかる。世界地図で根室を見ると日本の端っこ。

 相談すべきベテラン教員が少なければ学校統廃合を進めればいい。郡部の学校は教員数が少ないからもともと相談できる教員の絶対数が少ない。道路事情がいいのだから無料のマイクロバスを巡回させて、根室市内の小学校も中学校も2~3校体制にしてしまえばいい。そうすれば相談できる教員の数は増える。工夫次第で解決できる問題もある。

  やはり気になるのは最後に記者が指摘したことだ。アンダーラインを引いておいたが、根室に縁のなかった人が根室で教員となる場合は、単なる「就職」であり、「ふるさとの子供たちの学力を上げる」という使命感をもてというほうがもともと無理なのだろうという気がする。ほとんどの教員にとって根室はふるさとではない。根室に愛着をもってこの地に骨を埋めようという教員が少ないのはしかたがない。数は少ないが、教えているうちに根室を愛し、骨を埋めた先生たちもいる。
 使命感を喪失した教育は知識や時間を切り売りする労働に堕しかねないもろさをもっているように思える。
 自分の生徒の学力がこの程度でいいのかと自問する教員はいる。自分が教えている生徒がかわいいと思う教員は少なくないはずだ。
 たとえ根室がふるさとでなくても、自分の教え子がかわいいという先生たちはたしかにいた。小学校でも、中学校でも、高校でもそういう先生たちはいた。とんでもない先生よりも多かったように記憶する。

 もうすぐ冬休みだがH中学校は3年生対象に冬休みに5日間(午前中に)レベル別補習授業を組んでいる。学校としての正規の取り組みである。平均点の落ち込みがひどいから先生たちも危機感を抱いていることは間違いないだろう。学校現場は動き始めたようだ。私も毎週社会の補習授業を2時間している。2月末まで5ヶ月間の予定だ。学校も私塾もそれぞれの生徒たちのために同じメロディを奏ではじめた。学校と私塾との楽しいアンサンブルにヤル気のある生徒は幸せ一杯。
 

*#1304 教育再考 根室の未来 第2部 低学力②:「学ぶ意味」尊重されず
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-17


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