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#1305 根室高 資格取得で成果:5科目1級取得者はK君 (北海道新聞) Dec.18, 2010 [64. 教育問題]

 16日の北海道新聞に標題の見出しで記事が載っている。全商検定試験1級複数合格は進学にも就職にも有利である。一部分抜粋して紹介したい。

【根室】根室高校の商業科・事務情報科(生徒数計80人)で資格取得熱が高まっている。情報処理や簿記などを全国商業高等学校協会(全商)の検定1級を3科目以上合格する生徒が過去最多の14人を数え、初めて5科目の1級取得者も出た。景気低迷にともなる就職難などを受け、教師と生徒一体となった取り組みが成果をあげている。(栗田直樹)

・・・簿記など5科目の1級に合格、北海商科大に推薦入学が決まった事務情報科のK君は「税理士の夢に向けて、1年から無理なく勉強できた」3科目で1級を持ち、市内の金融機関に内定した商業科3年のOさんは「資格を取ることで自信がもてて、就職に役立った」と話す。
 就職難の中、両科の3年の就職内定率は71%にも上る。・・・


 要するに、進学や就職に有利、そして努力は報われるということ。
 全商検定9科目は珠算・電卓、簿記、ワープロ、情報処理(ビジネスとプログラミングの2科目)、英語、商業経済である。
 K君は2月のプログラミングの試験を受けるから、卒業時には「6科目チャンピオン」かもしれない。記録をいくつか書き換えることも彼の目標だった。

 彼は3月の高校入試当日の夜からニムオロ塾で簿記の勉強を始めた。やる気があるなら入試当日からスタートだと言い渡したらきちんときた。1年生の6月にはブカツを取るか資格取得を目指すか選択を迫った。彼はブカツを捨てた。よくやったと思う。
  根室高校事務情報科と商業科の簿記の授業スピードは団塊世代のころと比べてずいぶん落ちている。昔は11月の商工会議所検定試験で80%の生徒が合格していた。それが現在は同じ3級でもずっと難易度の低い1月の全商検定しか受験できない。これでは全商検定*といえども5科目1級など夢のまた夢である。
 今回はたまたま学校と私塾がそろって学習能力の高い生徒を育てることで実現できた成果だといえるだろう。スタートを早く切らせて特別に育てれば、事務情報科の生徒でも2年生の6月に全商検定1級合格が可能となる。
 3年前だったか4年前だったか、日商簿記2級を受験しようとした事務情報科の生徒に「事務情報科では工業簿記を習っていないから日商2級は受けさせない」と「指導」した教諭がいて、商工会議所へ直接申し込みさせたことがあった。K君は事務情報科だが、そういうことはなかった、待っていれば学校の対応も変わる。
 学校も私塾の私どももいい生徒にめぐり合えたことを慶ぶべきだろう。ebisuは簿記担当の先生たちと話しをしてみたい

*全商検定:全国高等学校協会主催の検定試験である。簿記検定の難易度は低い順に次のようになっている。
 全商検定<全経協(全国経理学校協会)検定<商工会議所検定

 珠算検定試験は日商珠算検定の2級と3級の間が全商珠算1級のレベルといわれていた。今でも変らないだろう。普通の高校生が1年間毎日努力すれば取得できる。問題は毎日トレーニングを続ける辛抱力の有無である。はじめてしまえば、自分の腕の上がるのが自覚できるから、相当に楽しいものなのである。毎日のトレーニングが必要な技能検定の仲間である電卓検定やワープロ検定も同じジャンルと考えていいだろう。

 一足早く中3の高校入試直前に商工会議所検定2級を受検したN君とは中学の同級生だった。強力なライバルのいたことも励みになったはずだ。普通科に進学したN君が高校1年で11月の日商簿記検定2級に合格し、その後2月の試験でK君が同じ日商簿記2級に合格した。どちらも根室高校始まって以来の最短記録である。調べてみたらいいと思うが、根室高校では2年次でも合格実績はないだろう。日商簿記2級と全商簿記1級がほぼ同じレベルである。

 最終目標は日商簿記1級合格だったが、早くスタートさせたK君ですら日商簿記1級は合格できなかった。日商簿記1級は論述式の問題が出題されるので別格である。2級は2科目だが1級は4科目で論述式の問題が加わるから格段に難しくなる。輸出入業務や国際金融の知識も必要な時代であり、半端な勉強では合格できない。他の援助なしに自力で挑めば、おおよそ北大合格レベル以上の学習量が要求されるだろう。
 三十数年前になるが、ある東京都立商業高校は近くの大学から日商1級受験講習用に先生の派遣を受けていた。東京の高校生は恵まれている。都立高校では教えられる先生が確保できないという理由だった。日商簿記1級合格者が一部の政令指定都市に偏るのはこういう学習環境上の理由がある。専門学校でもトップレベルの者しか合格できない。
 つい先ごろ岐阜の通信高校生が公認会計士2次試験に合格したというニュースが流れた。日商簿記1級をとらないと高校生に受験資格はないから、それをクリアしての挑戦だったのだろう。県内トップクラスの進学校へも楽に入学できた筈だが、あえて通信高校を選択し、毎日10時間もの勉強時間を確保したという。世の中にはすごい奴がいる。

 簿記は信長・秀吉の時代にキリスト教徒共に日本へ入ってきた。近世日本の豪商を支えていたのは複式簿記の技術である。簿記は「特殊数学」の一分野であるから理数系といってよい。
 まったく性質の違う1級が実務英検1級である。ビジネス英語であり受験英語主体の英検2級と分野は異なるが同程度だろう。
 これら両科目の1級取得はハードルが高い。高校入試300点満点で80%の得点なら悠々と超えられるハードルだ。9科目完全制覇には基礎学力の高さが要求される。

 5科目1級への最短コースは入学前から簿記の勉強を始め6月の商工会議所簿記検定試験3級をクリアし、1年生で商工会議所簿記検定試験2級に合格することだ。
 学校と塾が連携して優秀な生徒をバックアップすれば、これから何人も5科目1級取得者を輩出できるだろう


 まだ数年は私塾を続けられるだろうが、数年かもしれない。能力と体力に限りがあるから同時に教えられるのは3人までだ。高校卒業までに専門学校で勉強したくらいのレベルに到達できる。
 優秀な生徒は岩波新書レベルの本をたくさん読め。日本の古典も読め。語彙を増やさないと乗り越えられない壁がある。論述形式の日商簿記一級に合格するためには話し言葉の語彙では間に合わない。当たり前だろう。公認会計士2次試験受験を視野に入れて勉強しろ。根室には全国どこにもないようなユニークな塾がある。

 さて、K君に続くものはいるか?いるなら高校入試の夜にニムオロ塾の門を叩け。やりぬく意志を持って叩いた者だけに扉は開く


*#423簿記2級1人合格(商工会議所簿記検定試験結果:確報)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-11-29


 
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