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#1206 根室まちとくらしネットワークフォーラム(2):船出 Sep. 16, 2010 [15. ポジティヴ&ゆめ]

  「根室まちとくらしネットワークフォーラム」が昨日14日に発足した。北海道新聞記事によれば次のようになっている。

 「扱うテーマは
①地域経済の活性化
②医療福祉の充実
③教育の向上
―の3点を柱とし、北方領土問題についても考えている。また、テーマに応じて市内の他団体にも議論への参加を呼びかけ、「横の連携を取っていきたい」という。勉強会や、市民参加のシンポジウムなども開いていく」

 根室の町が衰退し続けてきたのは、市政と経済界に相互批判がなく、お互いに相手を利用することのみに汲々としてきたからだというのがわたしの意見である。
 市議会による市政チェック機能が果たされないことで市政レベルも低下した。共産党を唯一の例外として、市議会はオール与党化して長きにわたり市政批判がなかった。健全な批判がなければ組織・団体はゴミがたまり内部から腐っていく傾向がある。批判はいわばたまったゴミの掃除である。
 健全な批判精神をもたない根室では、数十年間にわたり恣意的な市政がはびこり、恣意的な経済団体運営がなされ、マチの活力を奪ってきたように思う。
 「俺一人が市議になっても、根室の町はないも変わらない」という同期の友人たちの発言がすべてを物語っているように私は思う。
 根室漁業組合の問題、病院建て替え問題、療養病床ゼロの問題、全道14支庁管内最低の小中学生の学力問題など、どれをとっても旧弊にかかわる問題が根底にある。

 それゆえに、根室の町に健全な批判精神を生み出すことがいま必要であるというのが私の第二の論点である。。
 若手経済人による「根室まちとくらしネットワークフォーラム」のメンバーは地元経済人であり、根室市と取引関係のあるメンバーが創設時の座長である。市政に密着している利害関係人に市政批判ができるだろうか?そんな気持ちはかけらもないだろう。会が立ち上がる直前に長谷川市長に挨拶に行っている。会員の皆さんの思惑は別にして、初めから市政翼賛を目的としてつくられたフォーラムだった。教育を詠いながら、地元の中学校や高校には見切りをつけている。見ていたらわかるよ、自分の子どもは学力疎開させるような人物なら、ふるさとの学校を改善しようというこころはさらさらない。時間がたてば馬脚が現れる。残念な地元経済人の一人だ。まっすぐな心根の人が座長になって取り仕切ってもらいたい。

 根室の経済人は具体的な市政批判をしたことがない。だが、そういうわたしもひとつだけ例外を見たことがある。市立病院のニホロ移転案に商工会議所副会頭が反対した。それは市立病院前に自分の調剤薬局開設が決まっていたからだ。移転されたら元も子もない。残念ながら、公益ではなく私益確保のための反対だった。

 公益を優先すれば、根室の旧弊と戦うために市政にも他の経済団体へも批判の矛先を向けざるを得ない。それは自分たちがいままでやってきた商売の自己否定になる場合もあるだろう。公益のために、私益が乗り越えられるだろうか、根室の歴史はノーという答を出している。いままで、そうした例はほとんど聞かない。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」を貫けるかどうかが問われることになる。根室の旧弊を受け継がず、それらと戦う覚悟があるのだろうか。あれば、根室の町の歴史に新しいページを開くことになる。 

【釧路根室圏まちとくらしネットワークフォーラム】
 検索してみたら釧路に「釧路根室圏まちとくらしネットワークフォーラム」という類似名称の組織があった。ヒットしたページにはメンバーが紹介されている。釧路の経済界人、中小企業の経営者が中心の組織のようだ。釧路産業クラスター創造研究会会長が座長を、(株)釧路丸水と福司酒造の代表取締役が副座長をしている。
 http://michi-kurashi.marimo.or.jp/b/b_shushi.html

 平成15年度からの活動報告が次のURLに載っている。
 http://michi-kurashi.marimo.or.jp/b/b000.html

 活動報告を見たが、地元経済や観光の活性化に関する報告はあるが、教育や地域医療を採り上げたことは一度もないようだ。ZAPPERさんが頑張っているが、釧路経済の衰退の原因の一つが子どもたちの学力低下による労働力の質の低下があることにメンバーが気がついていないからだろう。その点では教育問題を三つの検討事項の一つに挙げた根室の組織の方がしっかりしているようにみえる。
 教育ばかりではない、地域医療についても釧路経済人はまるで関心がないようだ。北方領土返還運動諸団体が竹島や尖閣列島にまったく関心を示さないのと軌を一にしている。地域経済は地域医療や教育と無関係ではない筈だが、地元経済人の問題意識の低さが釧路経済衰退という現象に表れているのではないだろうか。
 地域医療を支えるためには道東地域に医科大学が必要である。釧路は北見・網走・根室と協同して「道東医科大学」設置に動くべきだろう。そうしなければ釧路のマチの医療は医者不足から根室の二の舞になる。
 消化器内科・外科と循環器の専門診療科を備えた釧路医師会病院が旭川医大の医師引き揚げで、2年前になくなっている。
 「道東医科大学」新設は釧路と根室の地域医療にとって二つの組織連携の最重要テーマとなるだろう。根室が釧路を動かさなければならない。

【リトマス試験紙】
 さて、このフォーラムが市政翼賛装置のひとつとなるか、健全な批判精神をもち具体的な提言をする救世主となるのか、リトマス試験紙を用意しておこう。

(1)14支庁管内最低の学力の現状改善のために
  ①全国学力テストデータ公開
  ②ブカツの時間制限*
  ③放課後補習体制の確立
 
これら三つを市教委や学校に提言できるだろうか。

 学力テストデータは学校別・科目別に公開すべきだ。アンケート調査結果もエクセルにデータを集計して公表すべきだ。何が悪いのか、どこをどうすれば学力が上げられるのかはっきりする。そして、具体策の効果が数字で検証できる。学力向上の目標値も学校別・科目別に設定可能になる。
 ブカツについて言えば、長時間のブカツが学習習慣の健全な育成の妨げになっていることがハッキリしている。ブカツは市教委の権限である。2時間以上のブカツ禁止を提言できるだろうか。週2日はブカツ休止日をとることを提言できるだろうか。
 放課後の補習体制は根室高校ではすでにやっているし、学校は生徒の学力を上げ進学実績をよくすることに一生懸命である。道立高校にできることが中学校や小学校でなぜできない?

*ブカツ制限に関するZAPPERさんの主張
 
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51595934.html

*群馬県教委の通達「中学校における部活動について(申し合わせ事項)」
 ZAPPERさんが紹介した通達だが、具体的でよくできている。
http://www.pref.gunma.jp/cts/PortalServlet;jsessionid=CC5465B1DF1D83ABE4C50A1FD897634E?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=42597
 

(2)3万人規模で療養病床がない町は全国にほとんど例がないだろう。市立病院建て替え計画をやり直すべきだが、この問題にどのように答えるのか?病院建て替え後に予測される年額16~20億円の赤字をどう考えるのか?根室の町が財政破綻しかねない。夕張市の場合は再建団体指定を受けた年度に1000人を超える人口減があった。
 市役所職員の半数リストラ、残る職員の給与30%カット、新規事業の停止、市立病院の民間診療所化など、どれをとっても市民生活や地域経済に大きな影響が出る。
 (地域医療の問題は拙ブログのカテゴリー「市立根室病院建て替え」を参照されたい。すでに99本アップしてある。)

 とくに(2)の問題は時間的な余裕がない問題である。今日の北海道新聞に本年度の病院事業債6880万円が許可されたとある。すでに厚生労働省の医療施設耐震化臨時特例交付金11億9200と内閣府の地域活性化・公共投資臨時交付金10億7200万円を内示済みだから、いまさら起債申請を不許可にできない事情が道庁にある。いったん決めた補助金は何があろうと実行するのが国や道のやり方である。わたしはブログの中で、道庁は何らかの条件をつけて起債申請の許可を出すだろうと予告しておいたが、その通りになった。道から次のような条件がつけられた。
「(10億円の病院事業赤字)特例債償還の確実な実施と市職員の持ち家に対する住宅手当廃止などの財政改革を要求」
 改善プランの損益計画は実態と大きく乖離したままだから、審査はたんなる形式に堕したという外ない。シロウトがチェックしても予実対比損益計算書を作っただけででたらめさがチェックできる。民間企業では基本的なチェックにすぎないのだが、申請許可の妨げになるので、道庁はそういう作業すらしようとしない。不正直で不誠実な仕事がここにもあるようだ。
 さて、翻って辺りを見回してみても、杜撰な建て替え事業をストップできるのは根室の市民のみのようだ。自分のことは自分で決めろということで、根室市民は「さあ、どうするんだはっきりしろ」と喉元に匕首を突きつけられてしまった形だ。
 フォーラムの果たすべき役割に、若さとスピードが要求されている。具体的な提案がほしい。ブログかホームページを開設し、具体的な意見や提案の表明を望む。ふるさとのマチの活性化のためにオープンな議論をしよう。

 このブログのメインテーマは地域医療と地域教育、そして経済と経済学であった。あらためて数えてみたら地域医療関係が180本、教育関係が230本ある。ブログを書き始めて11月末で満3年を迎える。ようやく、こうした問題へ目を向けるグループが産声を上げた。

*「根室活性化へ一丸 若手経済人がフォーラム結成へ」
  
(09/09 13:58)北海道新聞道東
 
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/250263.html

 15日の新聞の当該記事がオンラインユースに載れば、URLを貼り付けます。

*#1142 「市立根室病院建て替えに関する地元経済界の役割」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-08-02

 #1056 「広報ねむろ6月vol.842」を読む(1):市立病院決算情報
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05

 #1057 「広報ねむろ6月号」を読む(2):病院建物仕様への疑問
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-06-06

 #1020 「夢を語れ(ebisuの提案):市立根室病院建て替え」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-06

 #1014 「整備市民委から費用圧縮を求める声:市立根室病院建て替え-087」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-04-29-1

 #805「市立病院休止病棟の療養病床への転換提言(地域医療推進協)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-11-19  

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コメント 4

ZAPPER

ご紹介ありがとうございます。
扱うテーマに「教育」が入っているのは、私教育に携わる者としてありがたいと思います。今後の根室の動きに注目しております!

「釧路根室圏まちとくらしネットワークフォーラム」のサイトを見てみました。現時点では地元の「教育問題」は取り上げられていませんが、先日お招きいただいて「教育問題」についての講師を担当させていただいた某会の代表・役員がこちらの役員にもなっていて、他の方とも面識がありますので、そのうちお声がかかるだろうなどと思っています。

ご指摘の通り、釧路は「教育問題」のみならず「医療問題」についての意識もかなり低い地域なのですが、労災病院の宮城島副院長が中心となり、そういった諸問題の解決のための提言・方策を、地元の若手経済団体が支援するという動きが広がりつつあります。
http://www.castlehotel.jp/diary/?ymd=20100630

釧根の若手経営者が「利害関係」を捨て、地元を良くするために手を携え、《地元の明るい未来ために脳に汗をかく、私心なき集団》のネットワークを構築したいものです。私も同世代ですから。
by ZAPPER (2010-09-16 18:15) 

ebisu

ZAPPERさんへ

釧路と根室は共通する問題の多い町ですから、連携して取り組めるテーマもいくつも見つかりそうです。
どういう動きになるのか楽しみですね。

>、《地元の明るい未来ために脳に汗をかく、私心なき集団》のネットワークを構築したいものです。

私は同世代ではありませんが、同感です。
by ebisu (2010-09-16 23:19) 

或る市民

常勤医2人、今月末で退職/別海町
http://www.news-kushiro.jp/news/20100915/201009154.html

別海町の水沼猛町長は、14日開会した別海町議会定例会で、町立病院の小児科、外科の常勤医1人ずつが9月末で退職することを明らかにした。地域医療振興協会などの出張医の対応で、外来診療は継続するが、後任が決まる当面の間、一部分休診となる時間帯も出る。また、この影響で出産を町民と里帰り出産に限定し、当面、リスクの高い妊婦の診療や帝王切開を休止する。2人の退職で2科の常勤医はゼロとなる。2人の医師は今年4月に着任したばかり。
小児科、外科が常勤となったことで、7月から一時休止していた初産の扱いを再開した矢先だった。同病院によると、退職の理由は診療方針の不一致としている。

隣町の出来事です。北海道地域医療財団のHPを見ますと、小児科医師募集の年収提示額は2500万~3000万です。これは年齢不問ですので、駆け出しの医師にでも別海は2500万は出すと言うことです。これは言い換えると、現在勤務している小児科医は2500万以上貰っている事に他成りません。若い医師に対しては根室よりも別海の方が給料的には高いと思われます。
それでもこの4月に赴任した医師が半年で辞めてしまう。原因は恐らくですが、小児科の場合は彼が赴任する前に仕事の範囲を制限していた産婦人科が制限を取り払い通常の業務に戻したために一人だけの小児科医が忙殺されて退職を決意した・・・と考えるのが妥当かも知れません。
一方の外科は、今回辞められる医師はいわゆる外科医ではありません。専門は眼科医です。麻酔科の経験はあるようですが。ですから「外科的な事」は何とか出来ても、「外科」は出来なかったのかも知れません。

この2人のケースから学ぶべきことは、医師がやって来る時は確かに収入の良さが大きなアピールに成りますが、いざ実際に赴任して働き始めると、その医師がどれだけ仕事に満足出来るかがその医師を地域に留めさせる最大の力になる・・・と言う事です。
確かに根室の「医心伝心」はやらないよりはbetterですが、それで医師の心の全てを掴める訳ではありません。医師にしてみればそう言った地域の歓迎行事はあくまでもoptionに過ぎません。一番大切なことは、如何にして医師に楽しく働いて貰うか、だと思います。
言い換えれば医師としての働き甲斐(遣り甲斐)の一言に尽きます。
by 或る市民 (2010-09-17 01:36) 

ebisu

或る市民さんへ:

別海町立病院で医師が退職する情報は北海道新聞にも載っていました。町長が正直ですね。根室は麻酔科医が退職してすでに根室を去ったのにいまだに市長からその旨のアナウンスがありません。不正直です。
こういう市政(姿勢)も医師の定着率を下げる原因でしょう。起債申請の許可審査中だったから伏せていたのでしょうが、嘘が多すぎます。自分の都合でし市政を恣意的に運営しています。

別海町立病院の医師退職にかかわる事情の分析と根室の病院経営や「医信伝心」との関係についての具体的な説明ありがとうございます。
報酬も大事だが、結局は「働き甲斐=やりがい」「満足に仕事ができるかどうか」がキーポイントになるのですね。信頼されて任されれば働きやすい。期待以上に応えてみようという意欲がわきます。そういう環境をつくることが、市長や事務長の役割です。それができない。ごまかしを続ける似たもの同志、あなたの適確な解説で病院の管理運営に根本的な問題のあることが見えてきます。

2チャンネル情報に寄らない、或る市民さんの正論なので、ブログ本文に紹介することを認めていただきたいと思います。コメント欄へ差し止め指示があればとりやめますが、なければ本文で紹介させてください。市民に適確な分析情報を知らせたいと思います。
市立病院を改革するためには、具体的な情報やさまざまな分析の開示が必要だと信じます。
by ebisu (2010-09-17 07:18) 

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