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#1091 免震構造と外断熱はどちらを優先すべきか Jun. 30, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

 Kさんが「免震」と「耐震」を比較実験したDVDを見てそれぞれのメリットとデメリットについて連絡をくれた。免震のコストについては数%増でやれる低コストの方法があるようだ。ネットで検索すると大体15%増だから、免震もやり方次第でコストに2倍程度の差が出るものらしい。ブログを読んでいただいている皆さんと、免震に関する情報を共有したい。
 次のような「装置」で実験が行われた。  

「神戸に上下左右に揺れさせることができる20メートル×15メートルのプラットホームがあるそうです。この上に、鉄筋コンクリート4階建てのミニ病院を建てて、95年地震の80%(震度6強に相当するそうです)の揺らしたものです。建物の内部に51個のカメラを設置して揺れに設備がどう反応するかを観察しています。耐震構造の建物をしっかり地盤に据え付けた場合と、免震構造基盤を据え付けた場合の2種類で実験している。」



 耐震は建物自体は大丈夫だが、建物内部の物は固定されていなければが地震の揺れで移動する。大きな地震で冷蔵庫が動いたのを見たことはないだろうか?ベッドもキャスターがついているので動くだろう。付属のストッパーは地震にはほとんど効果がないとわたしは思う。空のベッドならストッパーは効果があるが、患者が寝ていればその重量と揺れの加速度でストッパーの許容限度を超えるだろう。もともと、地震対策でつけられたストッパーではないから当然だろう。震度6ならベッドは病室内を「走る」可能性があるが、震度5なら数十センチ動く程度だろう。
 免震は内部の揺れは小さく出来るが、長周期のときに共振現象を起こし揺れを増幅することがあるという。ようするに完全なものはないのだろう。

 さて、1994年10月4日22時22分に根室東方沖200㎞を震源とするM8.2の巨大地震があった1950年以降でM8.2は1952年の十勝沖地震が一つのみである。日本で50年に1回しか起きないスケールの地震であったことがわかる。
 根室より震源地から遠い釧路の震度が6だった。根室の震度は5である。合同庁舎に気象台があったが、あそこは地盤がしっかりしていて揺れが少ない。一般に官公庁の建物はその町の一番地盤がしっかりしたところに建てられる。古い町ほどそうだ。もちろん根室もだ。
 市立病院の隣に保健所があるが、そこが官立根室町立病院跡地である。市立病院は同じ岩盤の上に建っている。合同庁舎の地震計が震度5を記録したということは、市立病院でもM8.2の地震で震度5しか揺れないということだ

 北海道銀行は元NTTの建物に入っているが、1950年代の終わり頃、基礎工事をやったときに7~8メートルも掘った。鼠色の粒子の細かい粘土層が数メートルあった。あの建物は粘土層の下の固い層に基礎が届いているはずだ。
 花咲町、梅ヶ枝町、本町界隈は同じ地層だろう。3メートルも掘れば水が湧き出す。粘土層と帯水層があって、地盤は軟弱である。本町や梅ヶ枝町は表層土の下に帯水層、その下に粘土層がある。表層土は「浮いている」ので、地震の際には揺れが大きくなる。鳴海町も千島町もそうだろう。こういうところに病院を建てるなら免震構造は必要だが、M8.2で震度5しか揺れない岩盤上の建物に免震構造が必要だろうか?このさき、百年間を考えても根室でM8.2の地震はほとんどありえないだろう。現にこの50年間で日本でM8.2クラスの地震は二つしか起きていない。そして起きた場合でも震度が5なら通常の建物で十分だろう。

 わたしは1994年10月には根室にいなかったから、誰か当時のことを教えてほしい。病院建物がダメージを受けて、外来休診や病棟閉鎖のような事態が起きたのかどうか。通常震度5くらいでそのようなことは考えられない。つまり、病院が強固な岩盤上に建てられている場合は免震の必要がないのだ。震度は1.5から2も小さくなってしまう

 ところで市立病院は199ベッドが134ベッドになる。入院病棟は3分の2の規模になるのだが、病院建物は20%広くなる。夕張の病院はいたずらに広いために、暖房費が経営を圧迫している。根室市が招聘した病院コンサルタントの長隆氏も広い病院を造ってはいけないと提言していた。空調費が病院経営を圧迫するからだ。
 外断熱にすれば、暖房費は半分以下ですむだろう。免震に掛けるお金があったら、外断熱や、屋上スペースにソーラーパネルの設置を検討すべきだろう

 これから10年、20年後には、円に対する国際的な不信任が起こり途方もない円安が起きる可能性がある。灯油が200円/リットルということだって考えられる。
 外断熱にしておけば10年、20年後に燃料代が暴騰しても病院経営への影響を半分以下に出来る。いまならまだ間に合う。備えを固めておけば大丈夫なのだ。薄ら寒い病棟で病気と闘う患者、そしてドクター、看護師さんたちが寒さに耐えながら仕事をしなくてすむのである。

 病院建て替え特別委や市民整備委員会は市側の乱暴な進め方に異議申し立てをしないのだろうか?誰のための何のための特別委?市民整備委員会?その責任は重い。

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 2009年5月27日#592「市立根室
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 2008年2月18日#094「市立根室病院改築」
  
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