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#1026 地域経済と教育問題:「釧路と根室」「6万人の都市に学べ」May 12, 2010 [64. 教育問題]

  明光義塾愛国教室の代表がわたしのコメントを採り上げてくれました。

 道の管轄の道立根室高校は学校を挙げて進学補習をしているのに、14支庁管内最低の学力である根室の小中学校は一向に補習体制*をとる気配がありません。

*東京都足立区の教育委員会が「学校の役割・家庭の役割・地域の役割・教育委員会の役割」を定義して、学力を上げるために地域の協力の下に補習体制をとり、学力向上に顕著な実績を上げています。明光義塾愛国教室のブログで「やるね、足立さん!」というタイトルで採り上げています。教育長と市教委とPTAなど関係者が読んくれるとうれしい。真似してやりましょう、わたしも協力しますよ。
 
http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51553750.html
 
 半年ほど前の新聞で道の教育局が全国47都道府県中44位という不甲斐ない結果に、現状を変えるべく補習実施の通達を出したことが北海道新聞で報じられたと記憶しますが、根室でそういう体制をとっている学校は一つもありません。
 全道14支庁管内最低の学力という現状を、市教委も教育長も学校もなぜほうっておくのでしょう
 プリントをたくさん配るぐらいで学力が上がるなら苦労はいりません。そろそろやっている振りはやめて、初心に帰って、まっとうな仕事をしましょう。仕事は正直に誠実にやる、これが一番気持ちがいい

 地域経済を活性化するためには、良質な労働力の存在が不可欠です。根室に残る子どもたちの教育に本気で力をいれなければ地元経済の衰退は止めようがありません

 明光義塾室の代表は根室と似た問題を抱えている釧路の教育の現状を変えようと頑張っています。
 わたしよりもよほど若く10倍も元気な人です。わたしは隣町のこの人に期待しています。教育に関心のある人だけ、下記のURLをクリックしてください。「釧路と根室」というタイトルです。

 http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51552609.html

*ブログへコメント欄で「得点20%以下が40%を占めている」と書きましたが、全部が毎回そうだというわけではありません。実施されるテストごとに、学校ごとに揺れはあります。30%だったり40%を超えたりと・・・。
 しかし、この3年間ほど3校共に急激に学力が落ちていることはデータからはっきり読み取れます。3年前は500点満点で400点以上の成績上位層が各校15人から25人いましたが、昨年は学校によっては400点以上がゼロの学校もありました。0~10人以下に減っています。したがって、根室の学力低下は止まっていません、現在進行形ですこのまま放置すれば、3年後以降の大学進学実績は大幅な質の低下が予測できます
 テスト結果については、「授業風景」や「教育問題」のカテゴリーで学校から配布されている「得点通知票」「学力テスト成績連絡票」などの実データを載せていますからそちらをご覧ください。

(カテゴリー「教育問題」⇒#917、#909、#902、#804、カテゴリー「授業風景」⇒#953、#893でテスト結果を実データで採り上げました。)

 ちなみに、市街化地域で伝統的に成績が一番がよいH中学校の3年生4月実施学力テスト数学(60点満点)は、20点以下が受験者60人中30人となっています。生徒の半分が20点(百点満点換算33点)以下です
 3年生は「階級」の区切りが1・2年生と異なっており、グラフの関係上12点(得点20%)以下が何人かは読み取れません。10点以下は13人となっています。

 学力低下の事実を中学生に通わせている保護者だけではなく、広く知ってもらいたい。そして、学校は「やっている振り」ではなく、本気で具体策=補習体制を学校を挙げて取り組んでほしいと思います。
 生徒の学力は上げられます。教育長と市教委は学力テストデータを学校別・科目別に公表すべきです。5年間の推移を表やグラフで公表すれば実情が市民に理解できます。実際のデータの推移情報を共有しながら議論ができるし、プリントを増やした結果成績が上がったのかどうかについても容易に検証ができます。
 もちろん先生たちもそれによって他の学校の成績がどうなっているのか比較でき、自分の担当の生徒にどのように対処すべきなのか、現実を知ることになるでしょう。PTAとも他の学校に比べてどうなっているのかについて話し合いができるようになります。
 継続的にデータを公表すれば、学力を上げるための努力の効果が検証できます。担当教員の技倆の差も評価可能になる。データを隠し、何もかもあいまいなままにしていては道内最低の学力の現状を変えられない。
 データの公表によって、学校ごとの平均点を上げるために、部活を5時までに制限し、継続的な補習をやることが有効であることがデータで実証できます。

 
 全国一斉学力テストデータを学校別・科目別に公表すべきだとブログで何度も書きましたが、やっているところがあるそうです。
 広島県、三次(みよし)市教委が学校別の比較表を公表しています。明光義塾愛国教室ブログはネットで検索したいい情報を頻繁にアップしてくれています。ご覧ください。タイトルは「釧路市よ、人口6万人都市に学べ」です。

 http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/archives/51553509.html 


 明光義塾愛国教室のブログ・トップページのURLです。
 http://blog.livedoor.jp/meiko_aikoku_blog/


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クラブナビ

勉強や学力の話にはコメントしにくいのですが,今思えば私の同級生も進学志望者のほとんどが札幌の予備校に合格(?)していました。その後もめでたく志望校に行った人はほとんどいなく,途中で就職したか,第三,第四希望校に進んだ者ばかりです。

高校の廊下に大学合格者一覧が貼り出されていましたが,国公立大学の合格者は2年以上前の卒業者ばかりで,なかには5年前の卒業生を引っ張りださなければ空白が埋まりませんでした。あの頃から学力低下の加速度が高まったのだと思います。
在学中は「根室高校から大学に進学するのはまれのケースである」という印象がありました。
悲しいことに,幼なじみで進学に成功した者たちは,中学の卒業時点で市外に出ている場合が多かった。

悲観的な観点ですが,内外環境の努力で根室の学力が上がったとしても,一方では下がる生徒もますます増えるのではないかと思います。

昔は低学力でも人として活躍できる場面が多かったと思いますが,現代ではそんな受け皿はありません。

社会も経済もそうですが,上下の差がさらに大きくなるのではないかと感じております。

by クラブナビ (2010-05-13 15:14) 

KEWL-BEANS

http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/shinro/sjokyo21.pdf

根室高校の進学実績を見ると、今年はお茶の水女子大学、北海道大学や上智大学といった超難関大学への合格者も出ているようですし、根室という僻地(というと失礼かもしれませんが)であってもまだまだ捨てたものではないと思いますし、やはり頑張る子どもはいつの世でも頑張り、結果を出すものなのだと思います(これらの大学の入試問題は良問揃いで(上智大の英語はかなり特殊ですが)小手先の受験テクニックでは太刀打ちできず、「考える力」がなければ到底合格できません)。

頑張る子どもに対して頑張れる機会を与え、更に成績を伸ばせる環境を整えることこそ、親の努め、学校の努め、そして地域の努めではないでしょうか。一度学ぶ楽しさを覚えると、子どもは信じられないくらいのスピードで吸収し、成長していくものです。

地域力を向上させるためには、子どもたちの力を信じて、勉強に対する意欲を向上させ、考える力を育む環境作りから始まるのだと思います。
by KEWL-BEANS (2010-05-13 18:39) 

ebisu

クラブナビさん、二極分解という顕著な傾向があります。中間層が激減しています。
以前は地元に残る者は中間の上位層がかなりの割合を占めていましたが、そこが薄くなっています。地元経済を支える者たちに学力中間層が減っている。
地方分権を声高に言っても、担える人材がますます減る。

来年と、再来年までは成績上位層が10人くらい入るのでなんとかなるが、それ以降は上位層が半分以下になる。

やはり、地元経済界、学校行政、学校、保護者が協力して地域の学力向上に取り組まないといけない。
学力はやり方次第で底上げできる。
by ebisu (2010-05-13 23:02) 

ebisu

KBさんへ

「頑張る子どもに対して頑張れる機会を与え、更に成績を伸ばせる環境を整えることこそ、親の努め、学校の努め、そして地域の努めではないでしょうか。一度学ぶ楽しさを覚えると、子どもは信じられないくらいのスピードで吸収し、成長していくものです。

地域力を向上させるためには、子どもたちの力を信じて、勉強に対する意欲を向上させ、考える力を育む環境作りから始まるのだと思います」

昨年と今年の根室高校の進学実績は目覚しいものがあった。
彼ら彼女たちの中学時代の学力テストでは400点以上が(市街化地域の3校で)60人ほどいましたが、現在は20人以下です。
来年と再来年は何人か難関校に合格できるでしょう。その先が問題です。

その一方で、学力を上げて大学進学した者はほとんどが地元へ戻りません。戦後一貫して、根室は都会へ優良な人材を供給し続けてきました。それでも中間上位層が地元に結構な割合で残っていました。最近の傾向は、二極分解です。
地域を支える中間上位層が激減しつつあります。影響は20年後、30年後にでるでしょう。
40年後、50年後の根室のために、成績下位層を減らし、中間上位層を増やす手をいま打つ必要があるのです。

地域経済や地域の政治にとって人材の劣化は深刻な問題です。

KBさんの仰るとおり、子どもたちの成長は驚くべきパワーを秘めています。成長を信じて、その能力を地域(家庭・学校・私塾)が育めば状況は変えられるでしょう。
やれる範囲でそれぞれが努力を尽くせばふるさと根室は変わる。わたしもそう信じます。

by ebisu (2010-05-13 23:29) 

mami

難しい問題ですよね。

大手は地方の大学卒業者を雇い入れ、根室にも転勤させていますが、どうしても「根室で高卒」となるとどんなに成績が優秀でも見下されているような気がします。職場でも二極化は進んでいると思います。

でも、根室の高卒で地元に就職する子達だけが、水産加工などの職場しか勧めてもらえない、もしくはそう選ばされるのも現状ではないでしょうか?今は色々うるさいのかもしれませんが、専門職は大卒、専門卒(資格あり)を優先採用しますし、地元の企業も高卒よりも少し初任給が高くても雇い入れていますよね。特に女の子だと、高卒の子はすぐに結婚してしまうというだけで躊躇されている傾向(確かに就職もないので早婚する子も多いですし、企業の中で先が見えなくては他のことに自分を見出してしまうのも仕方がないのかもしれません)があります。

今の中高生の子は「地元に就職がないし」と、予め地元での就職を諦めてしまい、進学できない子は勉強が疎かになるのも納得できるのかもしれません。希望を持った子供たちを育てていくにはなかなか難しい局面だと思います。
by mami (2010-05-14 08:49) 

ZAPPER

釧路・根室の地域経済を担っているのは地元の中小企業です。そしてその構成員の大半は地元の人間です。この地方では「長引く地域経済の低迷で地元に職がない」「職がないから人口が流失する」という負の循環が顕著に見て取れますが、地元中小企業が元気にがんばって結果を出し、人口が増え続けている地域も同じ道内に存在します。

十勝(特に音更は人口増加が著しい)や中標津に共通するのは「教育熱心」であることと思います。そして「ヒト・モノ・カネ」の域内循環が確立されているということ。この二つは正の循環の相関関係にあるようです。

釧路・根室は「不況で職がないし、どうせ…」と将来に明るい未来を見出せずにいる子ども達が多い地域だと実感します。地域の子どもの未来を奪うことは地域の未来を閉ざすのと同義語です。

この問題は地元経済の状況と一緒に考えなければならない難しい部分もあるものと思いますが、「ニワトリが先か卵が先か」ではなく今すぐに行動に移さなくてはなりません。行動する中で創意工夫も生まれるというものです。

地域経済はどうあれ、無用の負の連鎖は断ち切ることができるわけですから…
by ZAPPER (2010-05-14 13:04) 

ebisu

mamiさん、コメントありがとう。
もう46年も前のことですが、中学を卒業して缶詰工場に勤めた同級生がいましたが、事務職でした。
成績は中ぐらいで、かわいい子でした。
中学の同級生で缶詰工場の現場へ就職した人は当時はいませんでした。
きついから、敬遠されていたのでしょうね。
工場は全道各地から女工さんを集めていました。若い女工さんが1000人はいたでしょうね。道内ばかりでなく、青森からもたくさん来ていました。
46年たちましたが、学歴はインフレを起こし、新卒の高校生から水産加工場は相変わらず敬遠されています。
雇用する側の意識の問題もあるのでしょうね。
就業規則の整備とか、退職金規程の整備とか、労働環境を改善しないと46年たっても状況は一向に変わらない。
中小企業主を集めて勉強会が必要ですね。経済団体がいくつかありますが、勉強会などしないのかしら?
1次産業は根室にとって重要産業です。
それを担う中小企業主の意識改革や企業経営の勉強会が必要です。
たのまれればボランティアで、講師ぐらいは引き受けますが、各経済団体にそのような気持ちがあるのかな?
by ebisu (2010-05-15 12:34) 

ebisu

ZAPPERさん、コメントありがとう。
地元経済を支えているのは仰るとおり中小企業です。
ごく一部にしっかしした経営をしている商店が存在しますが、ほとんどは諸規定なし、退職金も昇給も企業主が恣意的に決めてしまう実態があるようでは、就職する人が未来に希望が持てません。
中小企業は企業主の人格と経営技倆次第です。規模が少し大きくなったら、就業規則、給与規程、退職金規程、経理規程などの諸規程を整備したほうが人が集まりやすい。
そこで働く人が夢と希望をもてるような中小企業が増えれば、地元経済は活性化するのではないでしょうか。
全部の中小企業ができるとは思いませんが、地地元で有力な企業は諸規程を整備してほしいと思います。
子どもたちの学力の向上とともに、中小企業主もそのレベルを上げる必要があります。
根室の中小企業主が一番嫌がるところでしょうね。
by ebisu (2010-05-15 12:44) 

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