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#1013 基本設計にまつわる疑問:市立根室病院建て替え-086 Apr. 29, 2010 [32. 市立根室病院建て替え]

【市議会建て替え特別委と市民整備委員会での顛末】
 4月26日に開かれた建て替え特別委で、市長は突然明日27日が起債再申請の期限だからと、審議もせずに計画承認を迫った。特別委は職務を放棄してこれを認めてしまった。
 今日の新聞によれば、昨日(28日)の市立根室病院整備市民委員会でも市側は同様の対応をしたようだ。もちろん市民委員の中には怒っている者もいる。ならば審議拒否を貫くべきだろう。
 保育施設は外部へ委託すればすむことや135床で最初から計画すれば建築費はもっと切り詰められただろうとか、いろいろ意見は出たようだ。新聞記事については別途と採り上げ論評したい。

【構造に問題あり】
 さて、基本設計だが、概観図が示されただけではないのか?本田議員のブログに写真が載っている。概観を見て気がつくことは、病棟部分が出っ張っていることだ。構造上も問題があるし、横殴りの雪がそのでっぱりの部分に張り付けばあとで落ちる。通路や車の駐車スペースとしては不都合だし、40年もたつうちには、出っ張りの接合部が地震等で劣化が起きるだろう。断熱上もいい影響があるとは思えない。
 病棟が出っ張るのはベッドごとに窓を確保するには都合がよい。そうなっているのかどうか、特別委のメンバーや市民整備委員は確認したのだろうか?病室ごとのトイレの有無も、居住性から重要である。お風呂の有無もだ。
 30のブースも必要がない。適切な数に削るべきだ。

【免震構造はオーバースペック】
 地盤が強固なために免震構造は必要がないことは再三書いた。しかし、基本設計には免震構造となっているようだ。免震にしておきながら、でっぱりをつけた耐震上よろしくないデザインになっている。建てたときは問題ないかもしれないが、30年40年たつうちには問題が起きるだろう。
 免震構造は建築費を割高にする。出っ張りをしたのフロアまで延ばして地面に接地してしまえば、よほど強度が増す。基本設計は見直すべきだ。市側はかってに実施設計に入っているのではないか。基本設計段階で市民の意見を入れないと、とんでもなくコストのかかった大きな建物ができてしまい、市民負担は増す。
 素人目には、一方で耐震強度を弱めるようなデザインを取り入れ、他方では免震構造と取り入れるという設計思想に一貫性がない建物になっているようにみえる。
 コストを考慮した設計思想の一貫した耐震強度の高い構造にすべきだ。そこで浮いた分を外断熱の回せばいい。ランニングコストが安くなる。とくに療養型に変更したときには「臭い」の問題が出るから、頻繁に喚起して病室が寒くならないように外断熱は絶対要件だろう。基本設計に外断熱仕様は入っていないのではないか?きちんとチェックし、市民に情報を公開してもらいたい。

【情報の秘匿はなぜ繰り返される?】
 3月26日に基本設計資料を業者から受け取っておきながら、なぜ委員の全面公開しないのだろう?4月27日起債再申請の前日に特別委のメンバーに概観図を示し、口頭で説明しただけだ。市民整備委員会へも昨日(28日)にはじめて説明したようだ。
 市長がなぜこのように二つの委員会の委員へも情報を秘匿するのかさっぱり理由がわからない。自らが招聘した病院コンサルタントの提言(総事業費30億円での建て替え)の2倍以上の現行予算に固執して、なぜ建て替え事業を強行に推し進めるのだろう。

 一般的な話しだが、公共事業は業者との馴れ合いや癒着がよく噂される。わたしはそういうことも心配になってきた。市長の応援団の「オール根室」には建築業者が入っているのだろうか?
 62億円の総事業費は利権の塊になりかねない。競争入札といっても、ゼネコンは談合をして、本命が他社の入札書類まで準備する。お互い様だから、協力するようになっている。どこかのゼネコンが受注したとして、一部の工事は地元業者へ下請けに回す、そういう条件がつく場合もある。
 二つの委員会に審議の時間を与えず、これだけ恣意的な暴走を続けているのだから、疑念を払拭するために工事委託に関連する全情報を公開すべきだ。
 公の僕として、誠実に正直に仕事をするのが一番よい。病院建て替えの一連の動きはまるで正反対に見えてしまっている。

 システム開発費についても常識外の巨額、7億円もかけようとしている。病院事務局はシステム担当者を置いているが、2億円も投じたオーダリングシステムは概略仕様書すらまとめずに、業者へ丸投げした。この一事をとっても、コスト意識がゼロというしかない。きちんとやれば数千万円ですむ話だろう。総額7億円もきちんと基本手順どおりに仕事をすれば1億円でやれるに違いない。
 市民がだまっていれば、市長と病院事務局は何をやりだすかわからない。特別委も市民整備委員会もまるで在って無きがごとしだ。市民監視が必要ではないのか。健全なふるさとの市行政を取り戻すために、だれかオンブズマンをやってくれ。協力はする。

【実施設計をストップして基本設計を見直すべき】
 二つの委員会は急遽会議を招集し、基本設計案を見直し、仕様変更案を作って、それを添付して実施設計を業者へ依頼するのが筋だろう。
 一番いいのは、全部ご破算にして、成央小学校を花咲小学校へ統廃合し、成央小学校跡地へ建て替えることだ。
 市長と病院事務局が審議ができないスケジュールで承認を迫ったことに両委員会は怒りを表明し、基本設計の見直し作業に入るべきだ。
 ふるさとの医療の存亡がかかっている。委員はいま仕事をしなくていつやるのか?

 *チャンス到来!心配要らないよ、30億円でできるんだから。
 ・・・・4月29日午前10時40分、塩瀬総本家の饅頭を食べながら記す

 #1958 チグハグ:13.7億円の病院事業赤字と新しい病院の名称募集 June 3, 2012 
 
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 将来、療養病床設置も #834 Dec.18, 2009 
 
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 「市立病院建て替え 基本計画の課題続々」
 
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  7月25日blog#667『市立根室病院4~6月営業収益予実差異9660万円』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-25

 7月2日blog#634『病院建て替え基本計画案への7つの疑問』
 
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 2009年6月21日#619「定数削減と市立病院問題について(J&K対話)-(3)」
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-21

 2009年6月26日#625「建て替え必要なし33%、なぜ? 市立根室病院建て替えアンケート・ショック」 
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-26 

 2009年5月27日#592「市立根室
病院建築仕様の前提条件」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-05-27

 2008年2月18日#094「市立根室病院改築」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-02-18

 2008年3月23日#147「2018年の根室の人口」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-03-23


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コマッタネー

http://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/0002778793.shtml
http://www.town.kushimoto.wakayama.jp/contents-data/byoin/build.htm

120床で30億のたつの市
見直しで大幅削減の串本町

ちょっと検索しただけでも、根室市はトホホという気分になれました。
公務員は税金を使うのが仕事ではなく、使い道を考えるのが仕事だろ、と言いたくなる。
コマッタネ

by コマッタネー (2010-04-29 15:26) 

ebisu

コマッタネーさん、情報ありがとう。

たしかに3月13日の神戸新聞に、たつの市立御津病院のことが出てますね。床面積7900㎡、120ベッドで総事業費30億円。

根室は13000㎡、総事業費62億円、あきれて物が言えませんね。
たつの市の病院に比べてひとつは面積が広すぎるということですね。
by ebisu (2010-04-29 22:43) 

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