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#1011 最上級を修飾する副詞句"by far"について Apr. 26, 2010 [62. 授業風景]

 最上級を修飾する副詞句及び副詞がいくつかある。by farが根室高校で使用している副教材のフォレスト"Feamwork English Grammar in 23 Lessons" P62に出ていた。FEG23Lには文例が一つだけ載っている。

 He is by far the best actor in Japan.
  (彼は日本で抜群にうまい俳優だ)


先週、生徒から質問があったのだが、一つだけでは寂しいから、最上級を修飾する他の修飾語の文例も追加しておいた。

3  much, by far, quite etc with superlatives
superlatives can be modified by much and by far, and by other adverves of degree such as quite (meaning 'absoloutely'), almost, practically, nearly and easily.
  He's much the most imaginative of them all.
  She's by far the oldest.
  We're walking by far the slowest.
  He's quite the most stupid man I've ever met.
  I'm nealy the oldest in the firm.
  This is easily the worst party I've been to this year.
           "Practical English Usage" Michael Swan, page 117

 absolutely:完全に(perfectly)、100%~だ、全く、確実に、決定的に、絶対的に、絶対に、間違いなく、もちろん、ものすごく、断然、無条件に、~そのものだ、(英辞郎より)

 この中でもby farは2文例が挙げられている。頻度が高いのかもしれない。最後の文例のeasilyはどう訳すのだろうか?「これが今年あったパーティの中で手抜きの最たるものだ」くらいでどうだろう?適切な用例が英辞郎にもみつからない。見当外れの可能性もあるから、適訳を考え付いた人はコメントしてほしい。
 「長文」と違って短文は前後関係や場面に関する情報がないので、むずかしいことがある。入試問題の短文は前後関係がイメージできないときはお手上げである。
 この文例でeasilyと括弧でくくり、ブランクにしたら正解できる受験生は何%いるのだろう?この文例に出くわしたことのある生徒は正解できるが、そうでない生徒は見当がつかないだろう。
 いやいや、前後関係がないから、muchでもquiteでもby farでも正解だろう。想定される場面が変わるだけのことだ。

 ところでby farは実際の文章であまり記憶がないが、最近読んだThe Japan Timesの記事に用例が見つかった。3月20日付けの記事"DPJ caught on the horns of a fiscal dilenmma"にあるので、The Japan Times Onlineから該当部分のみ引用する。前の段落も引用しないとthe ratioの意味が不明となるから、段落二つ分を抜粋する。

The accumulated public debt is projected to exceed ¥862 trillion at the end of fiscal 2010, or about 180 percent of the country's gross domestic product.

The ratio is by far the worst among developed countries and many analysts have even started warning the government could default in the future.
   URL:http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100319f2.html

「国内総生産に対する国債残高比率が先進国中最悪で、政府が将来債務不履行に陥りかねないと何人ものアナリストが警告し始めている」
一つ前の段落では、公的債務残高が862兆円となっているが、これは国債と借入金の合計額だろうか?政府保証債務が抜けている。国債及び借入金並びに政府保証債務現在高は財務省公表数字は2009年12月現在で917兆円である。

 英文記事を理解することで、民主党政権になってから国債残高がさらに加速して増大している現状と、10年後の日本の財政破綻や経済状況を想像し、いま何をなすべきか考えてほしい。
 「増え続ける国債残高」シリーズは拙ブログの「経済」のカテゴリー、9回ほど書いた。

 *「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高917兆円(2009年12月末現在:財務省公表データ)
 http://www.mof.go.jp/gbb/2112.htm


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KEWL-BEANS

This is easily the worst party I've been to this year.

"easily"はあくまでも比較の強調なので、ここでは「私が今年行った中で断トツに最悪なパーティだ」くらいが適当でしょうか。

釈迦に説法かもしれませんが、大学受験で出題される『文法・語法問題の』短文は意味(和訳)を考える必要は全くありません。システマティックに文法規則、統語規則を考えれば全て解けます(解けるように作られています)。

出題者はその道のプロなので、行間をイメージさせて解かせるような(イメージできなければ解けないような)問題は絶対に作問しません(偏差値50にも満たないような下位大学はわかりませんが)。全てがロジカルに解けるように入試問題は作られています。
by KEWL-BEANS (2010-04-28 19:39) 

ebisu

KEWL-BEANSさん、コメントありがとう。

easeilyに関しては仰るとおりかもしれません。

短文問題については割り切りすぎているような気がします。
もちろん意味と切り離して文法規則や統語規則だけから答が見つかる問題はたくさんあります。
しかし、文は意味を運ぶものですから、前後関係やシーンを想定しないと正解できない問題もあるのではないでしょうか。

先週届いたある問題集「動詞の語法」から3つ例を挙げます。
(1)Tom was ( ) ten dollars for speeding.
①permitted ②fined ③given ④repoorted

(2)They ( ) me 5000 yen for repairing my bicycle.
①priced ②cost ③spent ④charged

(3)Will this much food for a week's camping?
①do ②be ready ③enough ④all right

 最初の文はスピード違反の罰金のことだなとシーンを予想しないと正解のfinedが出てこないのではないでしょうか?文法的にはみな過去形で差異がない。わたしには意味から考えるしかなさそうにみえます。
 次の文も自転車を修理して支払うお金のことだなと場面がわかれば、容易にchargedが選べます。
 最後の文は前の二つと少し違う。③と④は文法的にありえないから、消去できます。でも、意味上はdoしかない。be readyは意味的に合わない。

 文法規則や統語規則は重要ですが、意味から切り離して教えるという発想はわたしにはありません。そういう意味ではあなたの仰ることは目からうろこがとれる思いでした。
 でも、文は何らかの伝えるべき内容を運んでいるものです。だから、意味から完全に切り離して統語規則からみるのは無理があるような気がします。
 話は変わりますが、英字新聞を読むためのトレーニングの一つとしてEnglish Grammar In Useを高校生にやらせていますが、問題文が想定している場面が思いつけずに生徒から質問が出ることがあります。それで、場面が想像できないと正解できない場合があると書きました。
by ebisu (2010-04-29 00:50) 

KEWL-BEANS

(1)、(2)ともに動詞の働き+文型と後ろに続く前置詞(+抽象名詞/具体名詞)の働きに着目すれば、選択肢の動詞の中でいずれが適切か自ずと決まります。

「動詞の語法」の問題ですから、問題に挙がっている動詞が「どのような法則を取るのか」が語法問題を解く鍵です。特に文を構成する上で動詞と結びつく前置詞の働きには要注意です。

(3)はfoodの後ろに()がある空欄補充問題かと思いますが、③、④はご指摘の通り論外です。be readyは、A be 形容詞 for B の構造でBが抽象名詞や-ingを伴う場合、forの働きは「相当理由」になり、because S V と同等の意味になるので、主語との関係が成立しなくなります。

文意から語法問題を解こうとすると、難関大学の問題(特に早大の正誤判定、条件英作文や上智大のような正誤判定問題など)には太刀打ちできませんし、前置詞問題などは特に対応不可能です。難関大(特に私立)の文法語法問題は1問あたり5秒~10秒のスピードで解いていかなければ時間切れになります。1問ずつ和訳して問題を解いているとアウトです。

とは言っても、文意を取った方が素早く解答できる問題も多いのは事実です。例題に挙げて頂いた(3)の問題はdoが自動詞で使われた場合の意味を知っていれば、文法的に云々以前に即答可能でしょう。私が極論を述べているのは、文意からのアプローチを最優先してしまっては前述の通り、誤答や時間制限の問題を招きやすいと思います。
by KEWL-BEANS (2010-05-01 04:22) 

KEWL-BEANS

>文は意味を運ぶものですから

逆に述べると、意味は文が決定しますが、日本語的発想に固執してしまうと英語を正しく理解する妨げになります。

例えば、S V Oの文型を取る文があるとして、Sが具体名詞の場合と抽象名詞の場合とでは話者(書き手)の伝達事項が全く異なってきます。

(1)He visited Paris again.
(2)He paid another visit to Paris.

両方の文章を和訳するとどうでしょう。日本語としては同意になると思います。しかし、形容詞(another)+抽象名詞(visit)は話者(書き手)が頭の中で認識している状態の意味になります。(1)は既に事実として存在する表現になります。アングロサクソンの思考を理解するにはこの似て非なる文を正確に理解しなければなりません。

長文読解問題や英文和訳問題などは、これらの表現を正しく判断できているかどうかで合否が分かれるといっても過言ではありません。長文中で筆者の主張と一般論を見極める際にも非常に重要なファクターとなります。

小説文や物語文の問題などでは特にこれを意識しながら問題を読み、解かなければ正解へは辿り着けません(例えば、「英語=アングロサクソンの言語思考」の根底には神との対話・神との契約が基本にあるので、小説文中に現在形が用いられると、それは神(または悪魔)の声となり、筆者の内的独白を示すなど)。

ebisu様は高校生へも高校生へ英語を指導されているとのことでしたので、長々と持論を述べさせて頂きました。私自身まだまだ勉強の身ですが、英語は大変奥深いです。
by KEWL-BEANS (2010-05-01 05:08) 

ebisu

なるほどね。
意見の違う人との議論は楽しい。
訊いてみなけらばさらに突っ込んだ奥が見えてこない。
スピード重視の解き方は、受験テクニックとしては大いに意味がある。
ご意見は参考になりましたよ。
たぶんこの欄を読んでくれている他の人にもそうだと思います。

初見で極論を言われているのはわかりましたが、どういう意図なのかが見えませんでした。それが2度目のコメントで理由を開示していただきましたので、よくわかりました。
統語規則に関して一時期、人工知能による自動翻訳の仕組みに興味があり、20年ほど前にチョムスキーの著作とその解説書を数冊読んだことがあります。
だから文法規則と統語規則だけで解けるというあなたの主張に興味がわいたのです。
わたしが学んできたものとは違うものがあるようだと。
だから、今回のコメントはとても面白く読ませていただきました。

ところで、宗教論も面白いですね。
神との契約、啓典宗教は日本人にはわからないところがある。日本人のいう神とかれらのいう神は同じ言葉でまるで違うものをさしています。
宗教観と関係があるのでしょうが、英語は二律背反で物事を捉えているような気がします。真ん中の道がない。日本人には真ん中の道がいつも見えている。
宗教観と言語表現や思想についてちょっとだけ触れられましたが、受験問題の解法と関連させたユニークなご意見です。
受験生には参考になるでしょう。
もうすこし解説していただけたら、本文で取り上げて、わたしのところの受験生にも読ませたい。

3度目のコメントと意見の違うところを少しだけ述べておきます。
長文問題ですが、すくなくともセンター試験レベルの長文は、仰るようなリジッドな読み方をしなくても90%の得点が可能と思います。文意がおおかたとれていれば大丈夫です。細部をきっちり読み込まないといけない問題はせいぜい20%程度ではないでしょうか?
でも、普段は徹底して読み込むトレーニングはやはり意味がある。普段好い加減に読んでいたら、本番の試験で20%の注意を払うべき問題でミスをする確率が高くなる。半分賛成、半分反対というあいまいな辺りがわたしの意見です。

KEWL-BEANSさん、楽しいコメントどうもありがとう。
by ebisu (2010-05-01 08:06) 

TB

議論とはあまり関係がありませんが。
--
easilyは、「ある事柄を解決・実現する行為に困難さを伴わないさま」を表す様態副詞、最上級を表す名詞句を伴って「楽々(他のものを抜いて)」「断然」のように強意副詞的に働く:
He is easily the tallest man here.
「ここでは彼が断然一番背が高い」
This is easily the best method.
「これが間違いなく最良の方法だ」
(以上、小西友七編『英語基本形容詞・副詞辞典』より抜粋引用)
--
easilyが最上級や比較級を強めるのに用いられることは普通の学習辞典にも掲載されていますのでご確認いただきたいところですが、語感も含めてとなると上掲の解説が参考になるのではとご紹介しておきました。
スワンもいいですが、和製の辞書類も本当に優秀ですよ。
以上、ご参考まで。
(根室出身の専門家より)
by TB (2010-05-07 00:54) 

ebisu

「小西友七編『英語基本形容詞・副詞辞典』より抜粋引用」
驚いたな、面白い辞書が出ているのですね。

形容詞・副詞はニュアンスがわからないことが多い。
根室出身の専門家のTBさん、いい辞書を教えてくれました、買って見ます。
どうもありがとう。

 ところで、コメントを再読していただければわかると思いますが、easilyが強意の副詞として用いられていることはわたしにも異論がないのですよ。
 その上で、なぜこの文章で他の強意の副詞ではなくeasilyを選んだのかという点が気になるのです。
 TMさんも書いているように、「ある事柄を解決・実現する行為に困難さを伴わないさま」を表す様態副詞」だとすれば、パーティに関して、準備には手間のかかるものだという一般的通念があるとすれば、楽々で最悪=手抜きで最悪のパーティという解釈の余地はありませんか?ということなのです。

 たとえば、あるパーティに行ったら、食べ物はスーパーで売っているお寿司や乾き物が並んでいるだけ。手作りの料理は一つもなし、こういう情景なら、どういう種類の様態の副詞を選ぶかということです。
 文も単語も話し手が考えていること=なんらかの意味運ぶもの、どういう意味内容を伝えたいのかで選択する語彙が違ってくるのではないでしょうか?

 挙げてくれた2例文についても検討しなければなりませんね。
>He is easily the tallest man here.
>「ここでは彼が断然一番背が高い」
>This is easily the best method.
>「これが間違いなく最良の方法だ」

屁理屈を承知で言えば、2メートルの身長の生徒が同級生にいて、2番目が180センチだったとしましょう。そうすると比べてみても「楽勝に一番」という情景が浮かびます、それでeasilyを選ぶ。
 どうも我田引水のような気がしていけませんね。最初の文はたしかに単なる強意としか考えられませんが、二つ目は最良の方法のなかでも「楽々できる」という点で最良という解釈は成り立たないですか?

 
 専門家になればなるほど、辞書は参考にしても、鵜呑みにするとか、100%その訳語を使うということにはならない、違いますか?専門家のTMさんだからお聞きするのです。

 小西先生が辞書の分野において大家であることは百も承知ですが、それでもそれに頼りきってはいけない。辞書は参考にすべきもので、それ以上でも以下でもないというのが私の基本的スタンスです。

 でも、基本形容詞・副詞に関する辞書は他に類例を知らない、そして役に立つものだと思います。わたしも一冊手元において折りに触れて引いて勉強しようと思います。
 良い物があればまた教えてください。どうもありがとう。

by ebisu (2010-05-07 11:07) 

TB

> パーティに関して、準備には手間のかかるものだという一般的通念があるとすれば、楽々で最悪=手抜きで最悪のパーティという解釈の余地はありませんか
> 二つ目は最良の方法のなかでも「楽々できる」という点で最良という解釈は成り立たないですか?

いずれも、無理のある解釈だと思います。「他者と比べれば『簡単に』結論づけられる程の」最悪のパーティーである・最良の方法である、というくらいの解釈しかできないでしょう。
文脈がない以上、周囲の状況をどう想像するかは自由ですが、与えられた文からどこまで読み取れるかははっきりしています。

文法書や辞書の例文は、その語がどう使われているかを示すためのものです。なぜその単語が選択されたのかを考えるには、もっと文脈のある中でお考えになるのが適切でしょう。

私とて、辞書を盲信してばかりではないつもりではありますし、一つのことを調べるにも数冊にあたるのが常ですが・・・、今回はそういう疑念を持つ必要もないほどの話題だと思います。

ちなみに、日本の辞書群は本当に優秀ですから、そんなに誤りはないと思って用いるのが私の基本スタンスではあります。
例えばですが(揚げ足とりになるかもしれませんので恐縮なのですが)、上でどなたかがお示しになった
He paid another visit to Paris.
という文は、私には少々奇妙に感じられます。
きっと辞書を数冊当たれば、その奇妙な感じに答えが出るかなと思っているのですが。

by TB (2010-05-08 18:16) 

KEWL-BEANS

>He paid another visit to Paris.

ご参考までに、この文章は原書・Henry E. Sigerist著の「The Great Doctors:A Biographical History of Medicine」からの一節です(若干前後の文を補足しておきます)。

Returning to Tübingen, he became assistant at St Catherine's Hospital, where he turned to practical account what he had learned in Paris, percussing and auscultating the patients. His chief made no objection. In 1839 he paid another visit to Paris, and, after his return, became instructor in Tübingen.
by KEWL-BEANS (2010-05-08 22:25) 

ebisu

コメントが二つ追加、うれしいですね。
どうもありがとう。

>文法書や辞書の例文は、その語がどう使われているかを示すためのものです。なぜその単語が選択されたのかを考えるには、もっと文脈のある中でお考えになるのが適切でしょう。

まず、意味のほうからいきます。easilyはwithout difficult or effortとなっています。TBさんが挙げてくれた形容詞副詞の専門辞書とは違いますが、小西さんの辞書でも「容易に、楽に、努力しないで」となっています。文例として、次のものが最初に挙げられています。
He easily won the race.(彼はレースに楽勝した)

「努力しないで楽々勝った」というのが文意でしょう。別に文脈がなくてもwonと一緒に使われることで意味は「想像」できます。「創造」ではありません。 

『イメージ活用英和辞典』には次のよう例が載っています。
This is easily (=certainly) the best computer for biginners.(このコンピュータは初心者には断然いちばんだよ)

訳は見たとおりですが、文意は「初心者にも努力なしに使えるほど簡単なコンピュータだ」というのは明らかでしょう。easilyにはほとんどの場合そうしたニュアンスがついて回ります。この場合はby farよりもeasilyのほうが最上級を修飾する強意的な副詞として適切でしょう。

ネットで検索してみました。検索キーは"easily the worst"です。

easily the worst products
Offsetting album
scenario
artist
song
Sport Center
.....
 どれも人間の営為が関係している語群にみえます。「努力しないで 」という意味が「最悪」と結びつくと「手抜き」というニュアンスが生まれます。日本語でもそうでしょう。
 人間の営為が係る語といっしょに使われると、「手抜き=(悪い意味での)好い加減」というeasyの悪い意味のほうが表面に出てくるのではないでしょうか?

by farも検索してみました。
by far the worst brother
News of the week

これらの文例でeasilyを使うことに違和感はないでしょうか?


KEWL-BEANSさん、あなたはわたしとはまったく異なるジャンルの本をお読みになっている。それはすぐに察しがつきました。
だから、挙げられた文例も変わった表現をするなという感覚はありましたが、違和感はなかった。
英字新聞を読んでいてすらこのような言い回しもするのかと、驚くことがよくあります。
だから、挙げられた文例もストライクゾーンに入っていました。あくまで感覚の問題です。
わたしが目にしている本の分量なんて多寡が知れています。おまけにジャンルも極端に偏っています。

日本人の書いたものだって文体も表現の仕方も人によってさまざまです。だから多様で面白いのだと思います。
漱石も鏡花も荷風も露伴も龍之介も三島もそれぞれに使う語彙の範囲も、表現方法も異なる。

楽しく勉強させていただきました。お二人に感謝申し上げます。

異論・反論があればどんどん書き込んでください。顔も知らない人との会話、楽しいものです。
by ebisu (2010-05-09 09:10) 

TB


私はあまり顔を知らない人と会話するのは好きではありません。故郷で熱心に教育に携わる方とお見受けしましたので、自分のよく分かることにのみ、ご参考になればとご意見してみました。このまま投げるのは非常に失礼と思いますので、もう一度コメントさせてください。取り分け、1点目については、議論の余地がない内容と思われますので、これで最終といたします。ご容赦下さい。

(1) easilyについて
副詞は、被修飾要素の出来るだけ近くに置くのが原則ですので、ここでは直後の最上級にかかると考えられます。したがって、「『易々と』最上級と判定できる、」ということまでは読み取れますが、宴席の内容にまで踏み込めるものではありません。宴席が手抜きであったとこを表現するのであれば、また別の表現を加えるなりしてそれを表そうとするでしょう。
同様に、
> This is easily (=certainly) the best computer for beginners.

>「初心者にも努力なしに使えるほど簡単なコンピュータだ」

と解釈するのは無理があります。「初心者に向いているのは簡単に分かる」だけで、「努力なしにも使えるパソコンである」とは踏み込み過ぎなのです。(なお、ビギナーの綴りは訂正しておきました)

「レースに勝った」例については概ね異論はありません。多くの辞書で、こういった動詞を修飾するものと、最上級を修飾するものとは、項立てが違っていることに注目されるとよろしいかと思います。


(2) visitについて
出典までお示しいただいて恐縮です。
いくつかの辞書にあたってみましたが、私の違和感は遠からずともあたらず、といったところでした。失礼いたしました。
pay O a visit
という語順であれば、その場合の目的語は「人」のみ容認される、ということのようです。


なお、ジーニアスなど多くの辞書で、第一義として「人から人への訪問」としてあるのは注目に値します。特に、visitをpayする場合は、to以下に場所を明示したとしても、その場所に居る人や、そこで会う人との用事などが念頭に置かれることが多いように感じられます。
時間ができたら、もっと多くの例を集めて検討してみようと思っています。ありがとうございました。

蛇足ですが、何の予備情報も与えずに、
(1)He visited Paris again.
(2)He paid another visit to Paris.
との二つの例文をイングランド出身の女性とアメリカ出身の男性、いずれも二十代の方々に示してみました。両人とも、「(1)はいいが(2)は奇異な感じがする、Parisを人に代えれば共に何の問題もなく受け入れられる、」との解答でした。

というわけですので、初学者にpay a visit to…というような連語を示す際は、to以下には人を補ってpay someone a visitとの書き換え例まで示しておく、とするのが最も無難なやり方ではないかと存じます。

以上、ご参考まで。
長文失礼いたしました。
by TB (2010-05-09 20:46) 

ebisu

 根室出身でしっかりした英語の専門家がいることがわかり、うれしい限りです。

 専門家の「読み方」もたいへん参考になりました。
 何よりきちんとしてらっしゃる。
 脱帽です。
 いいお仕事をされることを期待しております。
 (本を出されているならぜひ読んでみたい気がします)
ご教示ありがとうございます。
 m(_ _)m
by ebisu (2010-05-09 22:16) 

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