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養老牛温泉夜話(7)番外編 <根室市大企業論> #791 Nov. 8, 2009 [23. 養老牛温泉夜話]

養老牛温泉夜話(7)番外編 <根室市大企業論> #791 Nov. 8, 2009

<市立病院中小企業論⇔根室市大企業論>
 150床の公立病院は企業経営の規模としては中小企業であり、院長は中小企業の「オヤジ」だから、その経営成果はひとえにオヤジの力量で決まるというのがKさんの假説であった。

 この論に従えば、地方自治体としての根室市は「従業員数」が500を超えているから大企業に分類されることになる。
 大企業は諸規定が整備されている。社内の重要な仕事は主として文書で決裁が行われる。

 大企業の経営成績は何で決まるのか。やはり人だろう。それに組織機能が業績を上げるのに最適に編成されていることだろうか。だから、外部環境の変化に適応するために、数年に一度は大きな組織変更が行われる。
 権限と責任が表裏のものだと假定すれば、一番権限が大きい社長に経営責任がある。経営成果は社長の経営能力と、社長を補佐する取締役の能力に左右される。
 根室市を大企業としてみた場合、社長たる市長の能力はどこに現れるのか?もちろん経営成績として現れるが、公的会計が現状を正しく表さないので、成果がつかみにくい。

 公的会計基準を廃し、企業会計基準に統一して公認会計士による外部監査を導入すれば、全国の自治体や国の赤字隠しがすべて明るみに出る。夕張市のような破綻(死)を迎える前に、傷の小さいうちに手当て(治療や手術)ができるようになる。
 公認会計士試験は司法試験と同様に合格者が10年前の10倍ほどにもなっているから、地方自治体や国の決算を監査する余力が生まれつつある。

 能力のある経営者は利益をだし、自己資本を大きくする。損失の繰り延べをせずに将来にツケを回さないのが優良な経営者の条件の一つだろう。
 企業経営だと赤字特例債発行は長期負債として扱われるが、公的会計上は資本の部に表示され、財政状況を正しく表示しないことになる。民間企業でこのようなことをしたら議論の余地のない粉飾決算となる。ライブドア事件を思い出して欲しい。上場企業なら刑事事件として立件されるのであるが、官がやるのはお咎めなしである。これも官民格差のひとつだろうか。

 良い市長は決算で純損失を出さないし、損失の繰り延べもしない。特別な災害や将来の予測せざる損失に備えて年々積立金を増やし、自己資本を厚くする。
 根室市の場合は、病院事業会計では損失の繰り延べをしているから、企業経営者としては現市長は落第点だ。任期も残り少なくなってきたから、次年度はしっかり運営して有終の美を飾ってもらいたい。

 赤字を少なくする経営改善に取り組むのがまっとうな市政だ。自分の任期中に出した赤字を繰り延べて、次の市長へバトンタッチする姿は醜い。国や道への陳情を繰り返し、中央依存を当然のこととして、自助努力を放棄したかのような姿も同様に醜い。独立心を放棄したかのような市政は、子供の教育上も誠によろしくない。
 赤字を繰り延べず、その期で処理し、職員と共に経営改善に全力で取り組む、そういう仕事のやり方が美しい。残りの任期で、現市長がそうした市政運営をされることを望みたい。

 根室市を企業経営としてみたときに、根室市長に元支庁長や助役がなるのは非常にまずいと思う。
 理由は誰にでも理解できるだろう。取締役あるいは社長に助役をスカウトした大企業は前例がないがなぜだろう。助役に企業経営ができると思う経営者はいないからである。根室市は規模から言えば「大企業」に分類される。理想を言えば、規模の大きい企業経営ができるレベルの市長が望ましい。

 根室市の「経営改善」をするために、将来にツケ回し(赤字特例債発行)をしない覚悟が必要だ。それにはまず10億円の赤字見込みなのに6億円の繰り入れ予算しか組まないというごまかしをやめるべきだ。未来は、現在なにを選択するかで決まってくる。子供たちに回すツケを大きくしてはいけない。できるだけ小さくすべきだ。できたらゼロに。そのための具体的なビジョンや達成プログラムを市長は語ってほしい。
 ツケを将来へ回さず、己の職務に忠実に、渾身の力で職員と共に取り組む、そういう市長が次回選挙で誕生して欲しいと願う。
 民間大企業の社長や取締役としても仕事ができるくらいの人材が欲しい。いや、能力がなくてもいい。正直に課題に取り組む市長であれば十分だ。足りないところは市の幹部職員や一般職員が補えばいい。
 根室市民の一人として、職務に全力で取り組む市長を私も応援したい。そういう姿をこそ「オール根室」と言いたいものだ。


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