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養老牛温泉夜話(3) #784 Nov.4, 2009 [23. 養老牛温泉夜話]

養老牛温泉夜話(3) #784 Nov.4, 2009

<医師不足は10年経っても解消できない>
  絶対的な医者不足は今後10年間は解消できない。大学病院は10%の定員増を実施しているが、10年経っても、医者不足の状況は変わらないというのがKさんの説明だった。
 たとえば、医学部定員が8000名だとしよう。10%増で8800名だ。假りに65歳まで働くとしたら、「40年×8000人=32万人」の医師がいることになる。そういう市場へ10年後に医師が8000人増えるだけだから、たった2.5%増に過ぎないというのである。私が理解した限りで、話しのおおよそはこういうものだった。
 単純な計算の結果から、定員10%増では今後10年間は医師不足の状況が改善されないことが理解できる。私にはショックな数字だった。漠然と、もっとよくなるものだと思っていた。

<大学付属病院化の提案>
 根室の地域医療をどうしたいのか、根室に住むわたしたちが具体的なビジョンやマスタープランをもつべきだ。そのビジョンを掲げて旭川医大、札幌医大、北大と話し合い、いずれかに運営を任せるのがいいというのがKさんの提案だ。
 大学への寄附講座を設け(たとえば、医師18人で年間5億円)市立根室病院を大学付属病院として運営してもらうのである。
 これには先例がある。筑波大学と水戸地域医療センターだ。Kさんの説明は次のようなものだった。

 茨城県厚生農業協同組合連合会(JA)が筑波大学に寄附講座を開設し、これに所属する医師はJAが解説する水戸協同病院内で勤務するというものです。形式的には病院内に大学の「水戸地域医療教育センター」を設置し、実質はここに所属する医師が病院で診察するというものです。医師は大学に所属するので報酬が大学が医師に支払うのであって、病院は払いません。水戸協同病院の一定の診療科目の診療を大学が業務委託したといえます。医療教育センターに所属する医師は大学からの教授なり准教授といった称号をもらいます。また、異動は大学内の人事異動で決まります。
 大学は寄附講座としてお金をもらいますが、すべてを報酬にあてるわけではないので研究費を確実に確保できます。一方、病院は寄附講座分として一括して大学に支払う代わりに診療する医師を確実に確保できます。
 実際には、まだ病院にはプロパーの医師がいるので、大学の医師との診療連携をしにくいとも言われています。一番の問題はプロパーの意思のほうが報酬が高いということです。プロパーの医師がいなくなれば、徐々に寄附講座を大きくしていき、最後にはすべて大学の所属医師になる可能性もあります。

 以上がおおよそKさんの提案であるが、少し補足をしておきたい。JAの病院だから寄附講座への資金はJAが拠出している。根室は市立病院だから根室市が大学へ寄附講座をもてばいいことになる。
 大学は独立行政法人となったから、採算を改善するために、適法な運営改善策が必要だ。両者のニーズを合致させることで病院に医師を確保する。根室はこのような案を実行案まで練り上げ、実現できるだろうか?

<具体的ビジョン作りを地元医師と市民が担うべき>
 「○○大学付属市立根室病院」なんとも安心な響きである。こういう要請を大学へぶつける前にしておかなければならないことがある。そこがKさんの話の要点だろう。
 根室市民自身がどのような地域医療が欲しいのか、10年間の具体的なビジョンを提示すべきというのだ。それに賛同する大学に病院運営業務を受託してもらう。面白い仕事だ。ボランティアでマスタープラン作りに参加する地元医師と市民が必要だ。コアーを担う人が数人現れないものだろうか?
 


*筑波大学付属病院水戸地域医療センター
 
http://www.mitokyodo-hp.jp/

*「筑波大学(学長:岩崎洋一)と、茨城県厚生農業協同組合連合会(会長:市野沢弘、以下「茨城県厚生連」)は、総合病院水戸協同病院内に、「筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター」を設置し、来年の4月から運営することについて合意し、11月7日に調印式を行いましたのでご報告申し上げます。」
 
http://www.ib-ja.or.jp/kouseiren/tukuba_medical.html
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