First farms may have averted ice age (3) #767 Oct.22, 2009 [18. global warming]
《パラグラフ・リーディング⇒コンテキストからのアプローチ》
First farms may have averted ice age
Rise in greenhouse gases coincided with agriculture; cooling trend halted
David A. Farhenthold
Has climate change been around as long as the pyramids? It is an odd-sounding idea, because the problem is usually assumed to be a modern one, the product of a world created by the Industrial Revolution and powered by high-polluting fossile fuels.
But a professor emeritus at the University of Verginia has suggested that people began altering the climate thousands of years ago as primitive farmers burn forests and build rice paddies from which methane bubbles. The practices produced enough greenhouse gases, he says, to warm the world by half a degree Celsius or more.
Othe scientist, houwever, have said the idea is deeply flawed and might be used to dampenmodern alarms over climate change.
Understanding the debate requires a tour through polar ice sheets, the farming habits of 5000-year-old Europeans and trapped air bubles more ancient than Rome.
1000年単位でCO2やメタン濃度、土地利用率、地球人口がどのように変化したのか、過去12000年間の推移を表すグラフが載っている。説明文だけ紹介しておく。
"Atricultural impact, then and now"
"A university of Vieginia scientist theorizes that slash-and burn farming methods began reversing carbon dioxicide trends more than 8,000 years ago, that rice farming boosted methane releases."
日本語訳:
現在まで続く気候変動はおおよそピラミッドほどの歴史があるのだろうか?そのような問は奇妙に聞こえるかもしれない、というのはこの厄介な問題は大方は現代的な問題であるという前提で取り扱われているからである。(すなわち)それは18世紀産業革命によって作り出された世界の産物であり、化石燃料の大量消費による汚染によって動力を与えられた世界の産物であるからである。
《パラグラフ・リーディング⇒コンテキストからのアプローチ》
英文の意味解釈のアプローチとして生成文法的なアプローチの他にもう一つ有力な方法がある。それはパラグラフ・リーディングであるが、ちょいとハイレベルで高校生にはなかなかつかみ辛いだろうが、英文解釈の王道だ。
高校生にちょっとハイレベルで難しいというのは、レベルの高い日本語の本を論理的に読むトレーニングを積んでいないと不可能だからだ。英語の理解力は日本語の理解能力以上にはならない。
だから、小学生のうちから英語の勉強をする必要はない。そのような暇があったら日本語の本をもっとたくさん読めと言いたい。
中学生や高校生は児童書を卒業して、文庫本や岩波新書や中公新書をたくさん読め。新書版の書籍は良質なものが多いし、専門書への入り口にもなっている。
このレベルの本が読めるようになれば、興味のある分野の専門書が独力で読めるようになる。だから、ニムオロ塾では中学生に『読書力』斉藤孝著、『国家の品格』藤原正彦著、『日本語を磨く』林望著、『風姿花伝』世阿弥著・林望現代語訳などを採り上げて、音読と三色ボールペンで線を引くトレーニングを実施している。
日本語で書かれた文章の理解のレベルを上げ続けた者だけが、英文のコンテキストを理解できるようになる。パラグラフ・リーディングは熟練の技なのだ。日本語のパラグラフ・リーディングやパラグラフ・ライティングができる者は、英文のパラグラフ・リーディングも比較的容易にできるようになるだろう。日本語で準備が整っているからだ。このように理解すれば、小平邦彦の英語教育論も藤原正彦の英語教育論もその理由が具体的にわかるだろう。「塾長の教育論」というカテゴリーの中にあるから、まだ読んでいない人はチラッとでも好いから見て欲しい。
Hirosukeさんが「問題文の3回読み」を提唱しているが、これはたしかに有効な方法で、理にかなっている。
全体をザーッと読み、なにがテーマなのか、キーワードが何なのかなどに注意してとにかく全体を把握する。つぎにパラグラフ単位で読み、3度目は問題文に即して読む。こうすれば全体のコンテキスト(前後関係、脈絡)がつかめる。
パラグラフ単位のコンテキストがつかめると、意味の解釈できないパラグラフや、そのパラグラフの中の1文も「こういう展開になっている筈だ」と推論できる。その推論に沿って読むことで、文法工程指数の高い文でも理解可能である。これも英文攻略の有力な方法である。ただし、彼のように日本語能力の高さに裏打ちされていないと高みに届かない。
この際に気をつけなければならないのは、自分勝手なコンテキストをつくり上げてはならないということだ。ここを間違えると、とんでもない誤訳をすることになる。質のよいプロの翻訳家でも、ときにこうしたことをしてしまう。当然自分は気がつかない。論理がまるで違うことになるから、パラグラフや著作の論旨にかかわることもある。読者に大変な迷惑をかけることになるのである。
だから、生成文法的アプローチとの併用を欠かすことができないとわたしは思う。一部の能力の高い者は例外であるかもしれない。独断によるコンテキスト理解を防止するために生成文法的アプローチを併用するのは、かなり著名で、品質のよい翻訳をする経済学者ですら、コンテキストの読み間違いをしていることがあるからだ。
それに、高校生に理解できるように説明するためには、簡便な生成文法的解説が欠かせない。コンテキストだけで英字新聞レベルの記事を読み切る技は日本語文章修行が足りない普通の高校生には無理がある。難度の高い英文の意味をつかむ技としては、この三十数年間ほかに有力な方法がみつかっていない。三十年ほど前までは好奇心に駆られてチョムスキーの著作を数冊原書で読んだし分厚い生成文法に関する解説書も読んだが、深みに嵌りすぎると本来の目的=英文の意味を理解するという範囲を逸脱していた。それはそれでいいのだが、経済学徒ではあり続けたいと思ったが言語学の学徒になるつもりはなかった。私の場合、外国語は読みたいものを読むための手段であって目的ではない。塾教師の立場からは生徒が理解できるような説明ができるだけで十分である。いくつかある大事な「引き出し」の一つになっている。
この記事に関していえば、グラフのキャプション部分がアンダーラインの文の論旨を推論するのに役に立つ。
「農業の衝撃、8000年前と現在
8000年以上前に大気中の二酸化炭素濃度に減少から増加へ逆転現象が起き始め、その後の稲作農業がメタンの大気中への放出を加速したという假説をバージニア大学の科学者が提起している」
2番目の文である"It is an odd-sounding idea, because・・・"以下の文章があるので、「奇妙に見えるアイデア」が冒頭の文で提起されていることが論理的関連として理解できる。具体的内容は「産業革命やその後の化石燃料を大量に消費しさまざまな汚染物質を大気中に放出している世界」が対置されているので、それ以前の世界についての叙述であるらしいと気がつく。つまり第1文はグラフのキャプションと等価な内容だというわけである。グラフがあればグラフそのものとキャプションを丁寧に見るべきだ。そこにはその記事の重要なポイントが表現されている。
2段落目は人間が数千年前に森林を焼き払って稲作を始め、メタンガスを大量に大気中に放出し、気候変動を引き起こしたという假説が具体的に述べられていることも、第1文の意味解釈の適否を判断する材料になる。
第3段落で、他の学者がこの假説の問題点を二つ指摘していることが紹介される。何かと言うと、假説の深部に傷があること、数千年も前からの傾向だとすると、現在の気候変動に対する警告を弱めるものになりかねないということの二つである。
こうしてみると、最初はわからないところはそのままにしてどんどん読み進めるのがいい。後の段落を読むことでわからなかったところが論理展開のジグゾーパズルを埋めるように理解できる。読み進むことでさまざまに言い換えられるキーワードや動詞群など、知らない単語も前後関係で結構見当がつくものだ。
辞書はしょっちゅう引くことにしているが、ジャパン・タイムズを読みながら辞書を引かずに知っている英単語が増えていくのも事実で、それはうれしいものだ。
「あ、こういう表現するんだ」、「こういうときにこの単語を使うんだ」というように、読む都度新しい発見がある。もちろん既知の表現も何度も出てきて語彙力補強に役に立つのである。採り上げる記事は好奇心をそそる面白いものを選んでいる。
高校生になったらちょっと背伸びしてジャパン・タイムズを読んでみないか?最初のうちはわからなくてもいい。写真を見て知っている単語だけを拾い読みしてもいい。そのうちに辞書を引きたくなるし、内容を知りたくなるものだ。
根室では駅のスタンドで売っていないから、欲しい人はいつでもおいで、読み終わったのがたくさんあるからあげる。
*HirosukeさんのブログのURLを貼り付けておく。わたしのアプローチとは違うが、わたしはこの人のやり方、音読中心のトレーニングを支持する。「イミ・カタチ・キモチ」いいね。このトレーニングの必要を私も感じる。とくに英語の勉強で行き詰っている人は彼の方法を半年続けてみれば好い。努力を続けれらる人だけが光が見出せるだろう。
http://tada-de-english.blog.so-net.ne.jp/
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