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市立根室病院建て替えへの疑問 #762 Oct.18, 2009 [32. 市立根室病院建て替え]


 雨の日曜日である。今週の出来事を省みたい。

 大きな疑問をいくつか残したまま、市民へ十分な説明なしに病院事務局と病院建設特別委、そして市議会が本会議で基本設計に関する補正予算(2900万円)を全会一致で可決し、見切り発車してしまった。
 ほんとうに強引でかなわないな、これが率直な感想だ。

 病院の採算を悪くし、経営上のポイントを外した維持費のかかる広い病院が残される。特別委のメンバー、病院事務局、市長の責任は重大だ。10年後に病院経営に携わる者たちの嘆きが聞こえてくる。

 建築費削減についても、院内情報システムについても、機器の購入についても具体的な検討がなされていない。この5年間の活動は一体なんだったのか。与えられた仕事をまっとうしたといえる人はいるのだろうか。
 やるべき仕事に対する病院建設特別委のメンバーの知識と能力不足は否めない。6年かけてビジョンすらつくれないようなら、この先何年議論しても同じで、時間の無駄である。

 根室市のホームページでH15年からの議事録が公開されているので読んでみたらいい、井戸端会議、よくて座談会だ、根室市の医療の将来に関わる議論をしているという責任感が感じられないから仕事のレベルではない。根室の将来を考え、熱い思いで仕事をしていたのは道庁からの出向組みの二人のみ。メンバーの市議たちは肝心なことを議論しないどころか、議論することに横槍を入れ、議論を封じた例すらあった。特別委に関わった市議は根室の将来を考えて発言していたのだろうか?党派の利害に拘泥し、根室の将来のことを忘れていたシーンもある。根室の将来に思いをはせず、根室の可能性を閉じてしまっているのは一部の根室人だと言わざるをえない。

 現在でも入院患者は100人前後に過ぎない。12年後人口が2万5千人へ減少することを考えたら一般病床150は多すぎる。わずか150ベッドで専門医がそろえられるわけがないから、足りない部分は釧路の病院群と機能を棲み分けるべきだ。
 そして療養病床は人口3万人の町には必要な機能であり、他地域との棲み分けができない。このままでは将来一般病床を療養病床に転用することになるから、療養型基準を満たす広さにしておかないと経営採算悪化を加速する。このままでは将来に禍根を残すことになる。
 市は老人医療をどのようにやろうとしているのか、病院の基本設計をやる前に具体的なビジョンを市民へ説明すべきだった。いまからでも説明すべきだ。
 療養型施設のない歪さは「介護保険余剰金全道一」*に現れている。こんな町は北海道で根室だけである。

 * 2008年11月9日blog#389『介護保険余剰金全道一は根室市』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-11-09
・・・剰余金が発生したのはサービス利用が伸びていないためで、06年度は全道で計17万8千人の利用が見込まれたのに対し、実際は15万7千人(利用率88%)にとどまった。・・・介護保険に詳しい道医療大の石川秀也教授は「魅力的なサービスがないのも一因。市町村はサービス内容を工夫すべきだ」と指摘する。
 道内34市の一人当たり剰余金額は、根室市が41,500円と最も多く
登別25,600円、紋別市25,200円の順。・・・。


 疑問を思いつくまま並べておこう。
①当初は療養病床30一般病床120でスタートすべき。12年後には療養病床50、一般病床100にできるような設計仕様とすべきである。
②病床数が50減っているにも関わらず、建築面積が現在よりも増えている。何がどのように増えるのか詳細な比較表をつくり、市民へ公開すべきだ。
③いわゆる「提案型」というやり方について。業者へ丸投げするのは病院事務局や病院建設特別委の仕事の放棄だ。「提案型」を許容しなければならないとしても、建築概略仕様は病院事務局と特別委が作成して、市民へ説明し、市民が理解と納得をしてから、その概略仕様に基づいて業者へ「提案」を求めるのが当たり前のやり方である。丸投げしたら、業者は設計単価と建築面積を膨らませて建築費を高額にする。理由は簡単だ。設計監理料が建築費に比例して支払われるからである。
③システム開発費も同じことがいえる。病院建設特別委の議事録を読んだが、素人の集まりで、この方面では議論すらできない。院内で仕様を固めるのが先で、それから業者へ基本設計を依頼するのが当たり前のやり方である。このままでは通常の2倍以上のコストがかかってしまう。5年前の業者の見積もりでは5億円だった。ハードも含めて1億円以内におさめる努力をすべきだ。
④医療機器の買い方に関する議論もなされていない。買い方次第で3割前後は違ってくる。

 病院建て替え投資額は59億円から30億円台へカットできる。その具体的な手段も提示した。それでも59億円かけるというなら、誰のための、なんのための市政だろう。

*【病院問題関連過去ブログ記事】
 10月11日blog#756『療養病床設けず・・・いやーまいった』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/c55757-1

 10月10日blog#755『地域医療再生基金根室は対象外』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-10-10

 9月11日blog#732『市立病院建て替えに暗雲、民主が基金停止の可能性』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-09-11

 8月27日blog#721『医師集めの具体策:根室市の場合』
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-08-27

 8月1日blog#680『病院建設特別委員会「基本計画案」了承批判』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-8-1

 7月30日blog#677『「根室市立病院の再生は出来るか」病院コンサルタント長隆氏失望を隠さず語る』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/20090730

 「長隆さんは「無駄を省けば、百床の病院が十億円ちょっとでできる」と北海道新聞の取材に答えている。2008年10月8日の北海道新聞記事が長さんのホームページに載っていたのでURLを貼り付ける。さらにみたら、10月7日根室新聞の取材に答えて「病院建設は医療機器を含めて20億円から30億円で出来る」と主張している。建築費だけだと20億円前後だろう。
 この数字は私が現実的だと言っている、2600坪×坪単価75万円=20億円の建築予算と同程度の金額である。多少専門知識や経験があれば建設予算の推計は似たような金額になるものだ。」


 7月30日blog#676『市立病院建て替え 基本計画の課題続々』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-30

  7月25日blog#667『市立根室病院4~6月営業収益予実差異9660万円』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-25

 7月3日blog#635『あらゆる手段で市民負担減らす(市長)』
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-02
 わたしはこのブログで59億円の総投資額を36億円にカットする具体的な方法を提案した。詳細はブログ本文をお読みいただきたい。
 H20年10月6日に根室商工会館ABホールで開かれた講演会で長隆氏は、病院建て替え事業の総予算枠を、医療機器を含めて年間売り上げの範囲内に圧縮すべきだと提案している。根室市保健医療対策協議会主催の講演会であり、市の幹部職員や病院事務局、特別委の市議などが出席していたはずだが、この論点はその後どのように検討されたのだろうか。関係者に聞きたいものだ。URLをクリックすれば、講演会議事録が閲覧できる。病院建て替え問題に関心のある市民は見て欲しい。
 長隆氏講演会記録(平成20年10月6日)
 この中で長氏は一般会計繰入金を除いた「医業収入の範囲内で」病院建設をすべきだと述べている。市立根室病院に当てはめれば概ね21億円から25億円だ。長氏は市立根室病院の赤字が10億円だとも述べている。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/69444edddc9a05b2492570c700077f92/$FILE/kouenkaikiroku01.pdf


 7月2日blog#634『病院建て替え基本計画案への7つの疑問』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-01-1

 2009年6月21日#619「定数削減と市立病院問題について(J&K対話)-(3)」
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-21

 2009年6月26日#625「立替必要なし33%、なぜ? 市立根室病院建て替えアンケート・ショック」 
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-26 

 2009年5月27日#592「市立根室
病院建築仕様の前提条件」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-05-27

  2008年10月17日#343『国立道東医科大学新設と同付属根室病院構想』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-10-08
 長隆さんの意見を載せておく
 「十年前に建て替えを勧めたが、まったく進んでおらず、遺憾だ。医師招聘がうまくいかなかったのは、大学が医師を送り込むのにふさわしい労働環境を、市が整備できなかったことが大きい。おんぼろだから来ないわけではないが、あまりにひどい。来年着工し、20ヶ月ぐらいで早くオープンできるような姿勢を全国に示せば、医師招聘も確実さを増す。市が目指す150床はほんとうに必要なのか。無駄を省けば、百床の病院が10億円ちょっとでできる


  2008年2月18日#094「市立根室病院改築」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-02-18

 2008年3月23日#147「2018年の根室の人口」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-03-23


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