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市立病院建て替えに暗雲 民主が基金執行停止の可能性 [26. 地域医療・経済・財政]

市立病院建て替えに暗雲
  民主が基金執行停止の可能性


 耐震化交付金満額は無理?
  不安募らせる市
【根室】民主政権が本年度補正予算に盛り込まれた地域医療再生基金の執行を停止する可能性が出ていることで、市立病院の立替の財源に同基金を利用したい市が不安を募らせている。もう一つの“頼みの綱”である医療施設耐震化臨時特例交付金も申請件数が多く、希望に届かない可能性が強いため、しは「少しでも多く補助をもらいたい」と気をもんでいる。(幸坂浩)

・・・「医療再生計画に国が交付する。交付額は100億円が10圏域、25億円が84圏域で、道内は2件域程度が指定を受ける可能性が高い。
 市は道に対し総事業費59億2800万円の市立病院建て替え事業が同計画に位置づけられるように要望している。道内に21ある医療権のうち20圏域が申請しているため、ハードルが高いが、、配分がえられれば、現段階で56億8210万円と見込む起債額(借金)を圧縮できる。
 ところが、16日の特別国会で・・・
 一方、耐震化臨時特例交付金について、師は11億5千万円程度の交付を希望している。
 ただ、厚生労働省が4日内示した道への交付総額は約34億5千万円。道によると、現段階で道内の18医療機関が交付を希望している上、市の希望額は内示総額の三分の一を占めており、実際の交付額は希望額を下回る可能性がある。
 道は今後、医療機関がです実施計画を審査するため、実施計画を審査するため、個別の配分額が決まるのは来年度になる見通し。市立病院の○○事務長は「市立病院は道内でも地震被害が懸念される地域にある災害拠点病院。配分額は案文で決めるのではなく、地域の特殊性に配慮してもらいたい」と話している。(9月10日北海道新聞根室地域版より転載)

〈病院問題に関する市民オンブズマンとしての意見〉
 どうしてこういうことになるのか理解に苦しむ。59億円の事業費なんてとんでもない。市が招請した病院コンサルタント長隆氏の意見でも30億円以下に圧縮可能である。病院事務局や特別委員会は事業費の圧縮努力をなぜしないのだろう?市の起債額(借金)を減らすことや低コストで病院を建て替えることも彼らの仕事のはずだが・・・

 耐震についても言わねばならない。
 1994年10月4日22時22分にM8.2の根室東方沖地震があった。M8.2は1923年9月1日の関東大震災M7.9よりも規模の大きい巨大地震であるが、その地震にすら築35年余りだった市立病院建物は耐えた。なぜか。あの辺りは岩盤だからである。
 震度計の設置されている合同庁舎や市立病院、保健所などは根室で一番強固な岩盤の上に建てられている。だから震源地から遠い釧路が震度6なのにも関わらず、震源地に近い根室は震度5しか揺れていない。もちろん、本町や梅ヶ枝町、緑町、松が枝町、鳴海町、汐見町、千島町などは地盤が軟らかいから震度は6を超えていたはずである。
 どのような耐震構造も地盤が弱ければだめである。逆に地盤が固ければ普通の構造でも大丈夫なのだ。市立病院の敷地は最大震度6を想定して建てれば十分で、それ以上の耐震構造は必要ない。ましてや、お金のかかる(地盤と建物の間にアイソレーターを入れて揺れを軽減する)免震構造は必要がない。記者の取材に応じた病院事務長は、病院が建っている場所の地盤の硬さや1994年の巨大地震の際の実震度5を知らないわけはないだろう。
 医療施設耐震化臨時特例交付金は根室市立病院が強固な岩盤の上に建てられることを考えれば必要のないものである。補助金ばかりを当てにして、事業費削減というまっとうな自助努力をしようとしない卑しさはなんだろう?
 ちょっとばかり見栄っ張りのところはあるが、卑しくないのが根室人の美質である。失いたくないものだ。
 病院建て替え問題特別委は市民ニーズの大きい療養型病床ばかりでなく、耐震構造についてもまったく議論していない。職務怠慢。

 こうしたことを配慮すると、新病院は耐震よりも断熱に金を掛けるべきで、外断熱仕様が維持費を逓減し、患者や医療スタッフの居住性をよくするための必要条件だ。
 屋上は太陽光発電パネルを設置して停電に耐えられるようにしたほうがいいだろう。もちろんいまでも自家発電設備はあるだろうが補助電源として太陽光発電設備をもっておいたほうがいい。
 場所は、成央小学校を廃校にして建てるのが一番良い。あの場所は交通ネットワーク上も良いし、良質の水が出る。災害時は電気とともに水の確保が重要だ。場所は広いし、市街化地域3校の小学生数は減少し1学年2クラスになっている。若年人口は根室市全体の人口減の2倍の速度で減少している。根室はとっく小中学校の統廃合をしていなければならない。

 病院問題はまず病院関係者および関係機関の努力が改善の端緒だ。責任ある立場のものは自らの職務をまっとうしてほしい。真面目に誠実にごまかしのない仕事をしてもらいたい。もちろん、選挙されたばかりの市議たちも。

 病院問題に関しては過去ブログでさまざまな角度から論じてたので、そちらを参照して欲しい。待っていてもだれもやらないので、病院問題に関しては「暫定市民オンブズマン」としての役割をしばし担おうと思う。

*【関連過去ブログ記事】
 8月27日blog#721『医師集めの具体策:根室市の場合』
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-08-27

 8月1日blog#680『病院建設特別委員会「基本計画案」了承批判』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-8-1

 7月30日blog#677『「根室市立病院の再生は出来るか」病院コンサルタント長隆氏失望を隠さず語る』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/20090730

 「長隆さんは「無駄を省けば、百床の病院が十億円ちょっとでできる」と北海道新聞の取材に答えている。2008年10月8日の北海道新聞記事が長さんのホームページに載っていたのでURLを貼り付ける。さらにみたら、10月7日根室新聞の取材に答えて「病院建設は医療機器を含めて20億円から30億円で出来る」と主張している。建築費だけだと20億円前後だろう。
 この数字は私が現実的だと言っている、2600坪×坪単価75万円=20億円の建築予算と同程度の金額である。多少専門知識や経験があれば建設予算の推計は似たような金額になるものだ。」


 7月30日blog#676『市立病院建て替え 基本計画の課題続々』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-30

  7月25日blog#667『市立根室病院4~6月営業収益予実差異9660万円』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-25

 7月3日blog#635『あらゆる手段で市民負担減らす(市長)』
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-02
 H20年10月6日に根室商工会館ABホールで開かれた講演会で長隆氏は、病院建て替え事業の総予算枠を、医療機器を含めて年間売り上げの範囲内に圧縮すべきだと提案している。根室市保健医療対策協議会主催の講演会であり、市の幹部職員や病院事務局、特別委の市議などが出席していたはずだが、この論点はその後どのように検討されたのだろうか。関係者に聞きたいものだ。URLをクリックすれば、講演会議事録が閲覧できる。病院建て替え問題に関心のある市民は見て欲しい。
 長隆氏講演会記録(平成20年10月6日)
 この中で長氏は一般会計繰入金を除いた「医業収入の範囲内で」病院建設をすべきだと述べている。市立根室病院に当てはめれば概ね21億円から25億円だ。長氏は市立根室病院の赤字が10億円だとも述べている。
http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/dcitynd.nsf/image/69444edddc9a05b2492570c700077f92/$FILE/kouenkaikiroku01.pdf


 7月2日blog#634『病院建て替え基本計画案への7つの疑問』
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-07-01-1

 2009年6月21日#619「定数削減と市立病院問題について(J&K対話)-(3)」
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-21

 2009年6月26日#625「立替必要なし33%、なぜ? 市立根室病院建て替えアンケート・ショック」 
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-06-26 

 2009年5月27日#592「市立根室
病院建築仕様の前提条件」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-05-27

 2008年2月18日#094「市立根室病院改築」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-02-18

 2008年3月23日#147「2018年の根室の人口」
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-03-23

 2009年9月11日 ebisu-blog#732
  総閲覧数:160,137/656 da
ys(9月11日8
時30分)


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コメント 2

katu

耐震についての事実は驚きです、事実を知りませんでした。

病院の新築もこんな巨額な赤字になる事業は非現実的ですが、病院は必要ですので、なんとかしなければなりません。

以前の病院についてのBlog全部読みました。
あまりにも、自分が知らないままだったと思いました。
これから考える・・でも、遅くないですよね?
ダメなものは変化させて欲しいです。
それにしても、コンサルの方が30億以下に圧縮可能と言っているのですから検討なしでこの予算を許すことはできないですね。
難しいので、一度に意見を言えませんが、予算減額・・それだけは決意した感じです。
by katu (2009-09-12 21:00) 

ebisu

すごい、全部読んでくれたのですか?
ありがとうございます。

わたしたち市民が病院問題に持続的な関心をよせて、市議や特別委員会メンバーや病院関係者、そして市役所などにいる友人・知人に話しをすることが大事です。
そういう地道な努力がいつか根室を変える現実的な力になることを祈っています。

by ebisu (2009-09-13 00:14) 

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