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中学1・2年学力テスト日(2月4日) [57. 塾長の教育論]

中学1・2年学力テスト日(2月4日)

 今日(2月4日)は市内の中学1・2年生の学力テストが行われている。現在の1・2年生は3年前に比べると著しく学力が落ちてしまっている。たぶん、2年前から市内の小学6年生の学力テストの平均点は急激に下がっていただろう。
 市教委は一向にテストデータを公開する気配がない。別海町は町内の小中学生の学力が低いことを認め補習を行っている。このことは、ブログにも書いた。現職の先生がコメントを寄せてくれた。補習には反対のようで、教師の授業力の向上で何とかなると言う意見だった。
 もしもそういう技術がおありなら、ぜひ情報公開して欲しい。他の先生がその技術を学ぶことで生徒の学力は向上できるだろう。もちろん、わたしもその先生のやり方に学びたい。

 わたしは20点未満の生徒を数ヶ月間にわたり何度か個別補習した経験がある。その結果の3例については現職教師のY先生がご存知だ。手間隙はかかるが、飛躍的に点数があがる場合がほとんどである。数ヶ月で80点以上の点数をとるようになった例を何度も経験している。

 どんなに上手な授業をしても、すでにオチこぼれてしまった生徒を集団授業で救うことはできない(ある特殊なやり方を採用するしかないが、だれもそういう方法で授業していない。私は個別指導とグループ指導を組み合わせてやっている)。たとえば、中学2年生の授業を中断し、小数位取りや分数計算を教えるわけにはいかない。教科書が終わらなくなってしまうからだ。半分以上の生徒はその間アイドルタイムとなる。母親たちから苦情が来ないほうがおかしい。だから、通常授業時間を潰して落ちこぼれた生徒を救うことは現実の授業ではできない。それゆえ別海町では補習を始めた。

 授業速度の問題に少しだけ触れたい。中1数学を見ると、1月末で200ページある教科書の120~130ページまでしか進んでいない学校がほとんどである。中2は140~150ページだ。後一月余でどうやって教科書の三分の一をやるのだろう。毎年、2ヶ月弱で教科書の最後のほうの一番難しい箇所をやったことにしている。正直な中学校では、4月に遣り残した確率の章をやっていたことがある。その学年で一番難しいところを、3倍以上のスピードでやったことにするから、4月の学力テストの平均点がさらに低くなる。当たり前のことだ。
 原因がなくて結果があるわけではない。そういう意味で、授業速度も含めて、教師の授業力向上は必要だ。この点だけはわたしもコメントを寄せてくれた現職教師の方に諸手を挙げて同意できる。

 教師の授業スキルの向上は絶対的に必要であるが、スキルが向上しないような仕組みになっていることも、この間の現職教師の方からの意見にコメントとして書いたので、再説しない。この点はご同意いただけたようだ。教育を支えているのは現場の先生たちである。そこが変われば根室の小中学生の学力は確実に向上する。だから、お互いにいいと思う意見を出し合い、現実を変えていくべきだ。
  大統領就任演説のことばを引用しておこう。IをWeと読み替えるだけで、根室の子どもたちの学力向上のために大人たちがそれぞれの立場で、全国47都道府県中44位の北海道、その北海道14管内中最低の学力という現実を目の前にして謙虚な心で取り組むべきだと語っているように聞こえる。
   I stand here today humbled by the task before us.*
  (私はここに立っている/厳粛な気持ちで/私たちの前にある課題(=大統領として何が何でもやらねばならぬ職務))
  (私は今日、我々の前にある職務に対して厳粛な気持ちを抱きここに立っている)
 *『大統領就任演説を読む』⇒http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-01-28
 

 教育問題は学校関係者や教育行政関係者のみで語っても改善できない性質の問題ではないだろうか?家庭教育や学校教育外、つまりは私塾とも手を結ばないと地域の学力向上は望むべくもない。協力し合えば必ずできる。根室の子供たちの学力を全国一にだってできる。
 "Yes, we can"

 さて、中3は先月最後の学力テストが終わった。ほとんどの生徒が25点前後前回11月よりも5科目合計点を上げた。釧路湖陵受験の生徒にはレベルのすこし高い複合問題中心にやれせていた。ようやく東京都立高校の入試問題で85点がとれるようになった。道立高校の入試問題なら、英数合計で105点/120点満点はかたいだろう。
 成績上位の生徒の点数を上げるのと成績下位の生徒の点数を上げるのとでは、やり方がまるで違う。

 1年生と2年生が昨日と一昨日5~6名高校生の授業時間に来て、それぞれ分からないところを質問していた。個別授業だから、てんてこ舞いの二日間だった。高校生には多少なりとも迷惑だっただろう。ごめん。後輩たちの学力向上のためだ。テスト前になるとこういうことがこれからもあるだろう。入塾半年でようやく勉強をやる気になり始めた1年生が数名いる。協力をよろしく頼む。余裕があれば、君たちが教えるのを手伝ってくれてもいい。可愛い後輩の面倒を先輩が見る、微笑ましい構図だ。

 2009年2月4日 ebisu-blog#520
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