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高校入試出願状況(根室) [57. 塾長の教育論]

高校入試出願状況(根室)

 27日北海道新聞夕刊7面に出願状況が載っている。出願数、(定員数)の順に表示。
  根室高校普通科    116(120)
             商業科     44 (40)
        事務情報科      27 (40)
  根室西高校普通科   83(120)

 出願者数は2校合わせて270名、定員は320名であり、出願者数が定員に50名足りない。5年前は出願者数が360名ほどあったのではなかっただろうか。中学生の数が激減しているのがわかる。根室の衰退をあらわすメルクマールの一つだ。
 普通科から商業科や事務情報科への志願変更は認められないから、商業科の定員オーバー分の4名は事務情報科へ出願変更することになるだろう。変更は4名を超えるかもしれないが、どのみち両方で13名定員割れを起こすことになる。

 以前のブログにも書いたが、中学校が内申点で高校出願を選別しており、入試はないも同然である。実質的に高校入学を決めているのは中学校である。これでは入試に意味がないので、中学は内申点での振り分けをやめるべきだ。見ようによっては、西高校が1学年3クラス体制を維持できるように、中学側が配慮したと思われかねない割り振り方である。根室高校が定員を満たせば、西高校に回る生徒は70名であり、2クラスでも10名の定員割れが生ずる。

 一番被害を受けたのは、2学期になってから成績が急激に伸びだした生徒である。内申点が足りないために足きりされて、西高受験を押し付けられている。内申点の足りない分を入試の点数でカバーできる生徒もいる。受け入れ側の高校では元気で成績の伸びに勢いのある生徒のほうがいいだろう。
 中学校の内申点による足きり指導は、教育の機会均等を妨げている。中学校の進路指導により、実質的に受験する高校を選べないというのは人権問題にも関わる。11月の学力テスト総合Cに比べて1月の模擬テストで300点満点で30点から50点上げた生徒がニムオロ塾で数名いる。
 生徒の可能性を信じることは教育上重要なことではなかったのか。中学校の進路指導は肝心なことを忘れている。教育の原点に戻って進路指導をすべきだ。

 もう二つ言っておきたいことがある。
 生徒の数が減っているのだから、西高校の定員を減らすべきだ。2クラスでいいではないか。出願数は根室市の人口統計からあらかじめわかっているのだから、年度によって生徒が多い年があればその年のみ3クラスにすればいい。 
 小中学校はもっと生徒数が激減している。1校当たりの生徒数が減ることで競争も小さくなり、生徒の学力は急激に低下しつつある。市街化地域の中学校が「郡部化」しつつある。学校規模を大きくして競争原理が働くようにすべきだ。小さな井戸の中で成績を競わせても、上位層が勘違いするだけである。学校規模が小さいと、上位層の成績が伸びなくなってしまう。学校規模の小型化と学力の間には相関関係がある、そのことに市教委は気がつくべきだ。
 全道14管内で最低の根室の学力低下はいまも加速的に進みつつある。H中学校をはじめ各中学校の学力テストの平均点の変化や成績上位ランクの人数の推移を見ればそのことは歴然としている。
 それゆえ、高校よりも先に小中学校の統廃合を急ぐのが筋だ。市教委の重要な仕事の一つは、統廃合の具体案をスケジュールを示して市議会に提出することだ。

  2009年1月27日 ebisu-blog#507
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