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教師全員で補習して生徒の学力を上げた中学校 [57. 塾長の教育論]

教師全員で補習して生徒の学力を上げた中学校

 夕方6時から「真相報道バンキシャ」という番組で、東京都北区神谷中学校の学力向上例が紹介されていた。生徒の喫煙でボヤ騒ぎを2度も起こした、いわゆる荒れた学校だった。当然学力も低かった。そこへ赴任した中村文隆校長はピンチではなくチャンスだと考えた。
 なんと教師全員で持ち回りで補習を始めたのである。そして2年で学力は劇的に上がった。日によっては社会の先生が英語を教える。自分の担当教科外だから生徒の質問に答えられないこともあるが、教師用の資料で調べたりして懸命に質問に応えていた。先生方の努力をしばらくみていた保護者は進んで学校に協力するようになった。こうして学校と地域の一体化が進んだ。まずは、教師の側が汗を流すこと、そうすると周りの状況がいい方向に変化してくる。頑張っている先生たちに感謝の心が生徒を通して保護者にも広がっていくようだ。神谷中学校ではそうだった。(根室管内は先に発表された支庁別学力テストデータでは道内最低だった。宮崎県知事なら「なんとかせんといかん」というだろう。根室ではどうだろう、神谷中学校のように「先生全員補習」を試してみる価値はないだろうか?)
 神谷中学校では、近くの高校に応援を頼み、高校生に補助教員役で参加してもらっていた。マンツーマンで中学生に高校生が教えていた。出身中学校の後輩ならなおのこと力が入るのではないだろうか。
 高校生に個別指導の応援を頼むというのは素晴らしいアイデアだ。

 学力の低い生徒の補習は根気がいるし、時間もかかる。個別指導か少人数のグループ指導でやると効果が大きい。わたしも成績不振の生徒は、週1度部活を休んで塾へ来させ、個別指導している。根室に戻り塾を始めたときから、成績不振の生徒には個別補習をしている。週1日部活を休み補習に出てきた初めての生徒は、半年後に英数合計で120点アップして根室高校へ入学した。部活顧問の先生に自ら事情を話して週1度休むことを認めてもらった。そういう交渉ごとも大切な経験である。潜在能力はあるのに勉強の仕方がわからないで困っている生徒がたくさんいるのが根室の現状だ。学力テストの点数分布から判断すると40%いる。
 学力不振の生徒は大体が1対1で時間を費やす必要があるが、そこを教師が逃げてはいけない。手間隙を掛ければ掛けるだけ効果が必ずある。ただ、手間がかかりすぎるため、人数が多いと教師の努力の限界を超える。
 現状は30~40%の生徒が20点以下だから、この層に効果が上がるまで補習するのは現実問題として先生方のみでの対応は無理だ。神谷中学校のように、根室高校生にボランティアをお願いして、毎週1回補習したらどうだろう。出身中学の後輩のためなら一肌脱ごうという先輩が多数いるに違いない。英語と数学は6年間いろいろな生徒に試してみた結果、効果が大きい。やる気を起こしてくれれば、教える側の努力で大半は救うことができる。
 
 神谷中学校は埼玉県の農家に協力を依頼して、農作業の実習もやっている。農作物を育て、それを食べることで食育も兼ねている。自分たちでつくった農作物を食べる、これが以外に効果が大きい。農作業中や収穫した野菜を食べているときの生徒の笑顔が印象的だった。根室は水産の町だ。何か工夫の余地がありそうだ。
  生徒の学力を上げ、学校と地域の連帯を強めることはできる。教育は現場の教師が変われば変えられる。教育委員会よりも、現場で教えている先生学校を管理している校長の役割が大きい。荒れた学校も生徒の学力も先生たちの一致協力した努力で変えられる。目標は「根室の中学生の学力を全道一に!」、根室の先生、頑張れ!

 2008年12月7日 ebisu-blog#432
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