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サイクリング14 気温5度・風強し [85.サイクリング]

サイクリング14 気温5度・風強し

 いまテレビに元航空幕僚長の田母神氏が出演して国防について議論がなされている。日本テレビだろうか。面白そうなので、聞きながら書いている。田母神氏は案外に子どもっぽい人で、テレビ向きだ。航空幕僚長という肩書きの人という感じが少しもない。

 柏陵中学が来週から期末テストである。今朝は10時から英数の補習をした。参加は3人、そのうち2人はやる気が出てきた生徒なのでチャンスだ。ここで一押しすれば、一気に成績が上がりそうだ。実績がでれば自信がつく。自信がつけば成績はさらに上がる。好ましいスパイラルだ。
 もう一人は「文武両道」つまり勉強と部活と両方で活躍のできる生徒だが、5科目合計点が460点を超えたことがない。このレベルの生徒たちは気の毒だ。テスト問題が簡単すぎて、全国レベルで通用する実力があると勘違いしてしまう。実際には、上位層の底辺にすぎない。ほんとうはこういうレベルの問題で競争させたくはないのだが、ハイレベルの問題は学校のテストではお目にかかれないのでしかたがない。真の実力をつけ損なう恐れを感じながら教えている。
 ともかく、数英合計で190点取れれば470点いきそうだ。問題は国語だ。男子生徒は国語を系統的に勉強したがらないので、国語がネックになりがちだ。数学と同じように勉強すればいいのだが、なかなかそういう参考書がない。
 理数系が得意な者に向いた国語のトレーニング問題集があるといいのだが・・・めぼしい参考書や問題集をときどき購入してチェックしているがこれだというものが見つからない。謳い文句はいいが使ってみるとそれほどの効果が望めないことが分かる。
 しようがないので読書を薦めたりしている。小川洋子・藤原正彦著『世にも美しい数学入門』、小川洋子著『博士の愛した数式』、デカルト『方法序説』、林望対訳世阿弥著『風姿花伝』、吉田兼好『徒然草』などだ。数学者の藤原先生の本は達意の文章でなおかつ面白いものが多いので薦めたい。少しレベルが上がるが『岡潔・胡蘭成』(新学社現代浪漫文庫)は数学者岡潔の発想の淵源に触れられる良書である。ずいぶん前に本屋通いの好きな濫読派のSが「刺激的な本だから読んでみたら」と送ってくれた本だ。なるほどユニークな着眼がある。論理の極みの数学に、感性・情緒がもっとも大事だと書いてある。温帯に属し、四季の変化に富んだ日本の自然が育む情緒に優秀な数学者を輩出する源泉をみている。この点では数学者の藤原正彦と同じことを言っている。藤原正彦が岡潔の説の受け売りなのか、それとも彼独自のオリジナルなのか定かではないが、美しい自然と数学の関係を藤原は亜熱帯のインドにも求めている。インド人の数学者ラマヌジャンと彼の故郷を例に挙げている。わざわざインドまで行って確かめているのだ。英国に留学したあと身体を壊して古里に戻り、33歳で夭折している。それにしてもラマヌジャンの数感覚は超越的で神秘的だ。女神ラウナギリが夢の中で教えてくれると言っている。どこからそのような直感的な確信が生まれるのかさっぱりわからない、ほんとうに女神が教えてくれたのだろうか、それとも何かのメタファーであるのか・・・、
 脱線が過ぎたが、根室の自然も美しい。一流の数学者が誕生してもよいではないか。そうではないと思うが、オホーツクと太平洋に突き出した自然を有する根室半島の原野に引かれた「サイクリングロード」を走り、四季折々の風の中でわたしはそういう生徒との邂逅を密かに期待しているのだろうか。ありえない偶然を。
 
 補習が12時に終わって、家へ戻るときに5ミリくらいのアラレが降ってきた。たちまち道路は濡れてしまう。サイクリングは無理だなと思いつつ、食事をしてから路面の様子を見たら乾いてきていた。気温は5度、ちょっと寒いがこれなら大丈夫だ。

 いつものコースを13キロ・40分間、ゆっくり走ってきた。原野に出ると北西の季節風が強い。防風パネルが道路脇にセットされているところは風が渦を巻くのかうなるような音がしていた。上空を低い音を立てて風が渡ってゆく。気温は5度くらいだろう。グローブをつけた手が冷たい。
 しかし、風に逆らわず、15~20キロぐらいで景色を楽しみながら走るのもいいものだ。風が運んでくる匂いに懐かしい薪の香りが混じっていた。薪ストーブを使う家では、家の中に薪が置かれていて木の香りがする。昔、どこかの家に遊びに行ったときにかいだ匂いだ。そのようなことを思い出しながら牧の内をT字路まで走ってきた。今年のサイクリングはたぶんこれで終わりだろう。
 冷たい風がほほにあたる。ほっぺがりんご色になりそうだ。鼻腔を通る空気も冷たく、粘膜を刺激するので鼻水がでる。走っていると手はかじかむし寒いのだが、背中はじっとり汗をかく。夏のサイクリングとは違った感触だ。
 思えば、季節ごとに違う香りが風に載って運ばれて来た。オホーツクと太平洋を分けるように突き出した根室半島の自然に感謝したい。自然も私も、サイクリング間中、同じ時間の中を生きている。

 2008年11月30日 ebisu-blog#424
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立川時代のチョットだけ部下

大変ご無沙汰しています。ゴルフとスキーのブログを書いてます。良かったらぜひ遊びにいらしてください。

by 立川時代のチョットだけ部下 (2008-12-16 01:14) 

ebisu

さきほど気がついて、10月24日のブログまで遡ってみました。「15位」の写真の笑顔は少し太っていました。ずいぶんあちこちでゴルフしてますね。仕事のついでに北京でもやったのですか。写真が満載で楽しいブログですね。
11月15日の同伴者のTさんは、元同僚と書いてありましたが、私の知っているTさんですか?もし彼ならずいぶんおっさんになったように見えます。写真を見て笑っていたとよろしく伝えてください。
by ebisu (2008-12-30 01:40) 

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