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学力テスト直前の授業(数学編) [62. 授業風景]

学力テスト直前の授業(数学編)

 さて、今日の授業風景は10月14日ブログ#353『学力テストあるから前置詞やって』の数学編である。学力テストは明日。光洋中学だけは明後日やるらしい。光洋中学の平均点が高くなるかもしれない。同じ問題だから同日にやるべきだろう。

 主要な登場人物は、金髪で青い目をしたAlice、Susie、Lisa、中3の三人組である。登場人物同様にフィクションである。
 早く来た三人はそれぞれ机にかじりついて、勉強を始めている。こんなことは初めてだ。明後日がテストなのであせっているようだ。これが普段からきちんと勉強していれば・・・と思うのは教師ばかりである。当人たちはいまは目の前のテストに「どうしよう」状態である。
 Aliceは1年の計算問題の復習をやっている。学校が終わったらまっすぐ来いと言っているが、なかなか来ない。やることがあるのだそうだ。昨年11月に入塾したから、1・2年の範囲の数学に穴ぼこがたくさんあいている。2週間も毎日が学校が終わってからまっすぐ来てくれれば、全部教えて上げられるのだが・・・Susieは因数分解の問題をやっている。2次方程式と混同がある。Lisaは英語の勉強をしている。昨年の同じ学力テストの問題がさっぱり分からないとぼやいている。総合Bは入試問題と形式が一緒だから、「長文」問題ばかりで、英語が苦手のLisaは問題文すら読まずに過ごしてきた。
 「今日は数学だから、数学中心にやれ」
 「だって、英語わかんないんだもん。先生、明後日、あさってだよ、学テ!」
 「だから普段勉強しろと言っているだろ?」

 7時半になり他の生徒も来て授業が始まった。Lisaはやはり英語の問題とにらめっこだ。
 「テスト範囲をやるぞ、確率の復習をする。ページは・・・、3年でやってところも全部テスト範囲になっているから、平方根の計算・因数分解・2次方程式のところを復習する者は印がついている問題をやれ」
 すぐにLisaが手を挙げた。
 「先生!この問題わかんない」
 英語の長文問題だ。長文は前後を読めば半分以上正解できる。まるっきり読めなくても三分の一くらいは正解できる問題がある。要は丁寧に設問を読んで該当箇所を本分の中から見つけることができるかどうかだ。ニムオロ塾ではその辺りの受験テクニックは冬季特訓で教える。
 「先生、冬季特訓では遅い、いまやって」
 「だから言ってるだろう、今教えたら、勉強しなくなるだろ?いまは地道に勉強することだ。そうしないと高校に入ってからが大変になる」
 そうは言いながらも、次々に手を挙げるLisaに問題を解くコツを教え始める。
 「な~んだ。よく見たらわかるんだ。答えが問題文にある。この問題は同じ文を見つけるだけでいいんだ。先生これならとれそうだ、いままで損しちゃった」
 他の生徒がどの問題をやっているか確認して回りながら、半分程度の生徒がやっている確率の説明を黒板でやる。先週から来ている生徒は二次方程式の文章問題をやっている。過去問もすでにやり、大丈夫なようだ。50/60点とれるかな?
 少子化対策で高橋はるみ知事は全道の中学生や高校生に具体的な提案の仕事を委嘱している。この塾では中学生、高校生どちらも各1人関わっている。「全道から30人だけだぞ、たいしたもんだろう?」とお喋りしながら、確率の問題を一緒にやっている。ときどきお喋りをやめて考えたり、樹形図を書いてみたりしている。Lisaは昨年度のテスト問題を出し、手を挙げている。次々質問するのはいいが、問題文を読んでいない。
 「先生、読んだってば、何回も。だけどわかんない」
 「円錐の展開図で・・・なになに・・・扇の半径を求める問題か。この問題は忘れている人が多いだろうから黒板でやろう。自信のない人は一緒にやってみよう」
 「扇の弧の長さと底面の演習が同じ長さになるから、扇のこの半径をrとして方程式を作るぞ」
 「この問題は何度かやっている、よく出題されるから、苦手な人は3回解いておけ」
 Lisaがまたすぐ手を挙げる。
 「ルートa+bが整数になるような数か、平方数だ、a+bが4と9になる組合せを考えろ、簡単に分かる」
 Lisaが手を挙げている。
 「方程式の文章問題か、カレンダーだな。任意の日で考えろ。具体的な数字に置き換えて考えるというのが文章題攻略法4つの内の最初だ。それから文字に置き換えること。」
 「求める日をxにすると真上の日は?」
 「わかった、ⅹ-7だ」
 「真上の日は?」
 「x-7だ」
 「そこが“ヘソ”だ!いつもいっているように“ヘソ”がわかれば何とかなる。もう方程式がつくれるだろう」
 「わかった、できる」
 また、手を挙げた。次の問題だ。一つが終わるとすぐ次の問題だ。問題文を読む間隔すらない。個人指導ではなく個別指導だから、他の生徒の質問にも答えなければならないので「問題読んで考えてろ」と言い渡し、回って他の生徒がやっている問題をみて歩く。質問をしない生徒もいるから、こちらから問いかけて質問の有無をチェックする。Lisaが手を挙げている。
 「問題文よく読んでいないだろう?何度も読め、それから質問しろ」
 「読んだってば」
 「何回も読め、読めていない」
・・・
 「証明問題か、三角形の合同だから最後の根拠を書くところは、3つの合同条件のいくつかだ、言ってみろ」
 SusieやAliceと相談しながら答える。
 「もう一度問題をみてみろ、条件が①②③と番号が振られて、その結果となっているだろう。何が等しいと書いてある?」
 「えーと、①辺が等しい、②角度が等しい、③角度が等しい、あ、そうか、"一辺とその両端の角がそれぞれ等しい"だ」
 「そうだよ、だからきちんと読んでいないと言っているんだ。その前の問題も見てみろ」
 だんだん腹の立ってくるのがわかる。
 「角度AとBとCがあるだろう。角度Bの求め方が書いてある。角度Cから角度Aを差し引いたらどの角度になる?」
 「わかった、角度Bだ。∠FBCと書けばいいんだ」
 「きちんと読んでなかっただろう?読んで後追いするだけで正解できただろう。Lisaはせっかく数学が得意なのに、文章問題になるときちんと読まずに“わかんない”状態になり、あきらめるから得点のアップダウンが激しい。」
 「これからは文章問題の半分以上は正解できると確信して問題を徹底的に読め。そうすれば60点満点で40点はコンスタントにとれる。わかったか」
 「わかった」
 ほんとうだろうか?口で言うは易し、行うは難しだ。明後日の試験の結果がいいことを祈ろう。期末テストで内申点を上げる必要がある。三人ともしばらく気が抜けない。

 2008年10月15日 ebisu-blog#357
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