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東証暴落 終値9203円 [91.経済]

東証暴落 終値9203円

《FACTsと周辺状況》
 北海道新聞の見出しには「下げ幅は一時996円」とある。下落率は9.38%で過去3番目。円高が急進し100円を切り、99円台に突入。外為特別会計では十数兆円の評価損が出てしまっている。年度末まで回復しなければ公になるだろう。効果のうすい暫定予算など組んでいるときではない。
 各国中央銀行は協調して一斉に0.5%金利を下げた。政策金利は米国1.5%、ECB(欧州中央銀行)は3.75%、英国4.5%。利下げの救済がなければ各国金融機関は経営破たんに追い込まれる。米国政府が当初7兆円の資金をつぎ込んで救済したAIGにさらに3.8兆円つぎ込んだが、AIGは子会社の売却によって借金を減らそうとしている。利下げはAIGのような財務状況の悪化した大手企業に対する別の形の救済策でもある。
 わが日銀はゼロ金利状態(0.75%)だから下げようがないので、相手にされていない。
 たとえば、輸出企業の代表であるトヨタ自動車は別名「トヨタ銀行」と呼ばれるほど潤沢な(数兆円単位の)自己資金を保有しており、利下げによるうま味はない。うま味が出ているのは金融機関である。低利で円預金を預って、外貨で高利で運用できる。金融機関支援と円安誘導による輸出企業保護のためのゼロ金利政策である。
 日銀の政策金利は懐かしい公定歩合という呼称を数年前にやめて基準割引率および基準貸付利率というらしい。

《日銀のゼロ金利政策は誰に得で誰が損なのか》
 話しを単純化すれば日銀の政策がよくわかる。日本から10兆円資金を調達してユーロで運用すれば、年間2000億円稼げるということである。もちろん、為替先物取引には金利裁定が働いて、先物円高になるから為替予約によってリスク回避はできないし、ユーロに転換する場合には手数料をとられるし、円に転換する歳も手数料が取られるから、このように単純にはいかない。
 しかし仕組みそのものはよく理解できる。日銀は国内金利をゼロ金利状態に据え置くことで、国民が手にすべき預金金利を銀行の利益として吸い上げてしまう。それが外貨へ転換されてドルで運用されることで円売る圧力が高まり、為替が円安に誘導される。つまり、輸出産業が為替差益を手にすることになる。こうして、国民が手にすべきはずの預金金利が銀行の利益と輸出産業の超過利潤へと化けている

《円高・金利高歓迎》
 日銀が金利を上げれば、国民はより多くの預金金利を手にできるし、円買い圧力が高まるから輸入物価が安くなる。円が70円/$になれば、ガソリンは120円、灯油も格段に安くなるだろう。
 わが町の経済に関して言えば秋刀魚漁に必要なA重油も原油の値下がりと円高でピークの70%以下になるだろうから、補助金が必要なくなる。病院、学校や除雪に使う燃料費も少なくてすむ
 それゆえ現下の経済状況は悪いことだけではないだろう。いままでゼロ金利状態と言われる異常な手段で日銀によって誘導されていた円安が調整される、自然なバランス回復過程とみることもできる。日銀は米国並みに政策金利を上げ、円高を容認すべきだ。
昨今の金融危機は、一部の詐欺的金融業者やそれに群がった投資家たちが損をしているだけのことたが、実体経済にまで悪影響がではじめてきているところが困る。

 2008年10月9日 ebisu-blog#345
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