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ニューヨークダウ1万ドル割れ [91.経済]

ニューヨークダウ1万ドル割れ

 金融安定化法案が下院を通過してもさらに369ドル下がって、ついにNYダウ工業平均株価1万ドル割れが起きた。04年10月以来4年ぶりである。
 72兆円の不良債権買取を認めた金融安定化法案が可決されたが、実際の買取水準が不明で、実効性が疑われている。市場は効果なしと見ているようだ。高く買い取れば大きな赤字を政府が背負い込むことになる。イラク戦争は撤退までまだ巨額の戦費が予定されているから、これ以上の赤字拡大は避けたい。
 したがって大統領選挙や下院選挙に影響が大きいから不良債権の高額買取はできないし、時価に近い額で買い取れば、金融機関に大きな赤字が出てしまう。両すくみの状況から株式市場は値を下げ続けている。経営基盤の弱い金融機関ほど不良債権を処分できずに抱え続けることになるだろう。
 その一方で、法案には公的資金投入による金融機関の資本増強支援策が盛り込まれていない。これも選挙民の反応を気にしてのことである。経営者や社員が散々高額の報酬をむさぼり、ブッシュ政権は株主に高額配当をし続けた後にツケを税金で尻拭いすることは選挙民が許さないと読んだ。

 EUも首脳が集まるも、統一行動がとれず各国ばらばらに対応することが決まった。そうこうしているうちにドイツの不動産金融機関ハイポ・リアル・エステートが破綻の危機に直面しメルケル首相は慌てて7兆円の支援策を発表している。

 日銀は14日連続で短期金融市場に毎日1兆円を超える資金を供給し続けている。外銀が短期資金を借りられなくて困っているという。いわばカンフル注射を14日も続けている、たぶん今日もやっているだろう。やはり無策である。

 どの国も当座の破綻を防ぐだけのことしかやっていない。手の打ちようがないというのが各国の実情だ。しばし冷静に様子を見ていよう。

 2008年10月7日 ebisu-blog#342
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