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SARS対策は必要か?(1) [87.根室の話題]

  2,008年4月27日   ebisu-blog#176 
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  今日はSARS(重症性呼吸器症候群)とか新型鳥インフルエンザという名前で呼ばれている病気に対する備えが必要か否かを考えてみたい。

 2002年5月3日に出版された本に次のようなことが書いてあった。

 ウィルス学の権威である土屋清博士は、
 「ウィルスを含めた生物はすべて磁気を帯びている。地球もまた北極と難局という磁場が形成され、宇宙の微生有機物も磁気の強い北極に吸い寄せられている。つまり宇宙のインフルエンザが磁気の強い北極地方に引き寄せられている可能性がある」
 と解説する。
 つまり、11年周期で活発化する太陽の黒点によって太陽風が発生し、宇宙空間のインフルエンザ・ウィルスなどが地球の北極に運ばれるというわけである。
 北極地方のカモの腸には生まれたときからインフルエンザ・ウィルスが寄生し、そのカモが中国や北欧諸国などに毎年群れをなして南下している。假説ではあるが、宇宙から太陽風に乗って10年ごとに飛来する新型のインフルエンザ・ウィルスが北極のカモに規制する可能性があると指摘されるのだ。
 北海道大学の喜田宏博士は、
 「中国南部のある地方では、新型ウイルスが人に感染する条件がそろっている。個々では人間とアヒルや豚が共に生活する世界で唯一の生活習慣をもっている。新型ウィルスはアヒルに感染するが、アヒルのウィルスが人間の細胞に結合することはなく、そのウィルスがアヒルから人間に直接感染することはありえない。ところがアヒルから豚には容易に感染し、その豚のウィルスが形を変えて人間に移動することができる。つまり新型ウィルスは豚を媒介することで人間に感染する。アヒルの新型ウィルスは冬に北極から南下する鴨によって感染することがわかっている」
 と指摘する。

 中国発のSARS(重症呼吸器症候群)が発生したのが2002年11月であるので、その半年前にこの本が出版されている。まるでSARSの出現を予告したような内容である。本の後半部分の内容に多少問題ありと判断したので書名は書かない。

 新型鳥インフルエンザによるSARSは2003年3月から広東省を中心に大流行の兆しを見せた。
 とくにアジアの人種に強い毒性を持つようで、欧米人は罹りにくいようだ。カナダに飛び火したが広がらなかった。そのことから新種のコロナウィルスを遺伝子操作して、特定の人種にのみ感染するように作られた生物兵器が試験的にばら撒かれたという謀略説まである。

 死亡率は60歳以上だと40%60歳以下だと6%のようだ。年寄りが弱いことはよくわかる。体力が衰えていたり免疫力が低下しているから、風邪を引いて肺炎で亡くなる老人は普通に見られ、珍しくはない。まして重症性の呼吸器症候群であれば老人の死亡率が高いことは当然である。

 最近の新聞報道では東南アジアでSARSが定着しつつあり、人から人への感染によるパンデミック(爆発感染)が近づいているようにみえる。豚を媒介として鳥インフルエンザ・ウィルスが変異を起こせば、人から人への大規模な感染が始まる。
 接触感染や飛まつ感染を防ぐために、外出時は高機能の医療用マスクをつけるとか、外出から戻ったら入念に手洗いを行い、嗽(うがい)をすることが大切だ。
 
 もし、パンデミックが起こり人口の10%が4ヶ月間でSARSに感染、死亡率が5%とするとどのような事態が予想されるだろうか。
 人口3万人の町では3000人の患者が出て、150人が死ぬことになるように見えるが、年齢で罹患率や死亡率が異なるので、60歳以上と60歳未満に分けてシミュレーションすべきだ。
  60歳以上の市民の罹患率を20%、死亡率を40%とすると、4ヶ月間での60歳以上の市民の死亡数は
   8000人×0.2×0.4=640人
 60歳未満の罹患率を10%、死亡率を5%とすると死亡数は、
   22,000人×0.1×0.05=110人
 合計で4ヶ月間に750人が新型鳥インフルエンザで死ぬことになる。

 ウィルスは感染拡大と共に弱毒化していくらしいから、数年の間に死亡率は下がるだろう。しかし、当面の死亡率は60歳以上は40%、60歳未満は5%である。
 感染者が病院へ行けば病院はたちまちSARSの感染源となり、病院機能は麻痺してしまい、老人の入院患者を中心に死亡が相次ぐだろう。
 市立病院はしばらくの期間閉鎖を余儀なくされる。医者の中にも感染者が出るだろう。12人しかいない常勤医で1000人の患者を診ることは不可能である。
 1日平均6.25+α人と考えると、データはばらつくから最大で1日当り14人程度の死亡は予測の範囲に入れるべきだろう。焼却炉が3基あるが、一回に2.5時間かかると假定すると、陽のあるうちの葬儀を考えると、9人が通常の処理能力の上限ではないだろうか。火葬施設の処理能力を超える日があるので、順番待ちが予測される。遺体保管についても対策が必要になりそうだ。

 患者をどのような体制でケアするか?
 罹患率を10%とすると、一時的には1000人程度の患者を隔離して治療する必要が生ずる。病院以外に臨時の治療施設が必要だが、医者がいない前提である程度の治療ができるように準備をしておかなければならない。
 SARSの標準治療法について、発症後を数段階に分けて具体的なガイドラインを作っておかなければ、間に合わない。それは厚生労働省と呼吸器学会の役割だろう。
 SARSに限っては、医者でなくても治療できるように、臨時の法制も準備しておかなければならない。市にSARS対策本部を置いて、医者の協力の下に臨機応変に対応すべきだろう。

 臨時の隔離施設は患者の食事を準備できるところがいい。そうした施設は根室には限られている。広さからみて学校しかなく、給食設備を考えると光洋中学校に限定される。緊急医療施設として利用する場合、4ヶ月間は学校として使用できない。そのために生徒を柏陵中学と啓雲中学に振り分けなければならない。1校で300人程度までしか収容できないのではないだろうか。小学校も花咲・北斗・成央のうち1校は入院・隔離施設に転用する必要があるだろう。
 感染拡大の時期は12月から3月が予想される。中3年生は受験シーズン真っ只中であるから、不安を小さくするためにも、事前の準備が必要だ。
 食材や作った料理の受け渡しで感染しないように、手順を決めておかなければならない。食事を作る人と患者との接触もできるだけ避けなければならない。
 中学校の給食が一時停止になる。お弁当で切り抜けられるだろうか?親が隔離された場合に、子供の世話は誰が面倒を見るのか?老人の世話をしている人が隔離された場合には残された老人はどうやって面倒を見るべきか?事前に検討しておかなければ対処が難しい問題だらけである。
 使う布団も患者が持ち込むしかないだろう。患者が退院するときには消毒が必要だが、その手順も決めておかなければならない。消毒用アルコールの濃度が何%だったらウィルスを殺せるのか。高機能マスクや消毒用アルコールの備蓄はどれくらい必要かなど、事前の準備で感染被害は小さくできる。
 発症後、治った人は免疫をもっているから、そういう人の協力を仰いで患者のケアをすることも考えられる。
 1918年のスペイン風邪では、当時の世界人口12億人の2~5%が死亡したと推計されている。栄養状態や衛生状態、医療技術や薬がまるで違うので、新型の鳥インフルエンザでそのまま歴史が繰り返されるとは考えにくい。ただ、新種のウィルスに対して人類が免疫をもたない点だけは同じである。
 パンデミックがおきないことを願うが、起きた場合でも適切な準備と冷静な対処があれば、それほど怖いことではあるまい。
  *スペイン風邪http://ww1.m78.com/topix-2/flu.html
                                             備えあれば憂いなし
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