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新年度も常勤医11人(北海道新聞より) [26. 地域医療・経済・財政]

  2,008年4月1日   ebisu-blog#155 
  総閲覧数: 9037/127 days (4月1日20時30分) 

 北海道新聞4月1日朝刊、根室地域版より転載。

 新年度も常勤医11人
   想定の4人確保できず
【根室】市立病院の1日からの常勤医体制が、現行と同じ11人となった。2008年度予算で想定した15人のうち、4人を確保できないままのスタート。夜間救急外来の完全再開は見送られ、診療体制は07年度とほぼ変わらないという。(仁科裕章)

 夜間救急外来
  完全再開は見送り
 1日からの常勤医は内科6人、外科2人、小児科1人、泌尿器科1人、眼科1人の11人。08年度予算で見込んだ整形外科2人、外科1人、産婦人科1人の4人を確保できなかった。
 整形外科は旭川医大の出張委による週5回の外来診療を継続するが、常勤医の派遣が実現せず、夜間救急外来の完全再開のめどはついていない。国の常勤医派遣中止が決まった産婦人科は、釧路赤十字病院の出張医による週2回の外来診療を続ける。診察日が増えるのは現行週2回の耳鼻咽喉科で、水曜日午前に予約外来を設ける。
 常勤医の札幌医大からの派遣では、東浦勝浩副院長(48)が足寄国保病院に転出し、函館五稜郭病院の高丸博之医師(30)が着任。道の派遣では中川紘明(31)が利尻島国保中央病院に移り、道立羽幌病院の村松司医師(32)が就任する。4人は1日以降も月2回、応援で外来診療に入るという。
 常勤医4人の不足が続けば、約4億円の減収になる見通し。
 同病院事務局は「現在も国やどう、大学と交渉中。何とか早いうちに、医師を確保したい」としている。

《コメント》
 仁科記者はきちんと追跡取材をしている。こういう報道姿勢が根室の町を良くすると信じたい。
 ずいぶん入れ替わっての、現状維持11名体制ということがわかった。年度途中での、増員はほとんど不可能と見てよいだろう。道内の大学病院は医師派遣増員に応ずる余裕がない。
 市立病院で診療している医師のみなさんの名誉に関わることだから、医師4人で4億円の減収にしかならないという病院事務局の主張を訂正しておきたい。もっとハードに診療している。資料によれば、常勤医一人当たり1.4億円の売上がある。4人欠員なら、売上への影響は5.6億円である。病院事務局は予算との辻褄合わせのために常勤医一人当たり1億円というような数字をあげざるを得ないのだろう。あちこちに遠慮して数字を操作すると、全体として整合性のないものになってしまう。

 縮小均衡が最善策だろう。いつになったら具体的な検討に入るのだろうか。10億円を越す赤字が3年続いている。経営推進課などと組織を増設する場合ではない。組織や病棟などを減らすべきときがとっくに過ぎてしまっている。10年後2万6千人へと人口が減るのだから、もう199ベッドの規模の病院は必要ないかもしれない。必要な診療科や病棟はどうあるべきかを詰めて、確保可能な医師数に応じたベッド数に病棟の整理統合をすべきだろう。もう皆わかっている筈だ。早いほど傷を大きくしないで済む。


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