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#147 2018年の根室の人口 Mar. 23, 2008 [26. 地域医療・経済・財政]

 10年後、2018年の根室の人口はどれくらいだろうか?

 昨年末の人口は・・・ 30,881人
  10年前の1998年は34,534人
 20年前の1988年は39,010人
 30年前の1978年は44,073人
 40年前の1968年は49,892人

 40年間の人口データを一覧してみるとみごとにその傾向が浮かび上がる。10年ごとに約5000人減少している。最初が5,819人、次の10年が5,063人、その次が4,476人である。総人口数に対する減少人口数の割合はほぼ一定である。10年単位で並べてみる。
      11.7%⇒11.5%⇒11.5%
 このデータを使って平成20年度末の人口を計算すると30,562人となる。実際にはこれよりも150人くらい小さい数字になるだろう。H19年度の減少幅が例年よりも大きかったためだ。これが一時的なものなのか、そうでないのかは判断がつかない。北海道新聞根室支局の記者は1月24日の記事で、昨年の減少に「人口流出が加速化」という見出しをつけてデータを紹介した。10年単位で見ても、このままでは減少率は11.9%に上がりそうだ。毎年500人規模で流出(転入-転出)が続くようなら減少率は50%アップして、年率1.66%である。今年度も500人なら傾向が変わったと判断してよいだろう。根室の将来にとっては由々しき問題である。

 平成元年は38,335人だった。年平均減少率は1.12%(以下“r1”と記す)であるが、1月24日のブログ『人口流出が加速化』に書いたように減少率が拡大している。假りに1.5倍になっているとすれば、減少率は1.68%(以下“r2”と記す)となる。
 r1を使って推計すると2018年の人口は27,385人(3,496人の減少)であり、r2を使うと25,751人(5,129人の減少)となる。10年後根室市の人口は概ね26,000~27,000人である

 ついでに10年後の老人人口も推計してみたいので、しばし、退屈な話にお付き合いいただきたい。
 平成17年度の国勢調査データから2018年に65歳以上となる人数を計算してみた。単純に55歳以上の人数と50~54歳の人数の半分を老人人口として加算すると13,200人である。死亡による減少を2,500人考えても、人口が26,000人に減少すれば市民の5人に2人は老人である。現在の7,000人強の1.5倍程度に増える。老健施設は2倍でも足りないだろう。療養型病床群の病院・病棟はひとつもないが、慢性期の病人は市立病院には長期入院できない。入院管理料が下がり、売上が減るからだ。20年後には特別養護老人ホームも数百人規模で必要になるだろう。これからこういう施設の整備や運営に巨額のお金がかかる。30~40年もすれば老人はほとんどが死んで、施設はがらがらになる。そのときの解体費用まで積み立てておかねばならない。建物の解体作業は材料別に細かく分別しなければならないので、費用がばかにならない。老人が住んでいた住宅もそのままに放置されるものが増えるだろう。数百あるいは千を越える、持ち主が死に絶え、老朽化した建物群は安全上の理由で市の負担で処分せざるをえなくなる。

 積立金を取り崩すのではなく、今後10年間くらいは毎年5億円規模で積み立てなければ間に合わないのではないだろうか。積立金を取り崩して赤字の穴埋めに使ったり、年10~12億円の病院会計の赤字を一般会計からの繰入で穴埋めしている余裕はとっくにないのだろうと思う。このまま推移すれば、10年後、20年後に、医療にかかれず、孤独死していく老人の屍の山を築くことになる。その原因はここ数年の市政にあることになるのかもしれない。偉そうなことを言いたくはないが、先を見て仕事をするということはかくも厳しい現実と対峙することである。
 
 はてさて、人口減少が加速化したのはなぜだろう?転入と転出の差が近年500人ほどに拡大している。平成18年度、転入者数が1,000人を切った。転出は1400人台である。
 町の中を歩いてもその理由の一端が見てとれる。ポスフール裏手の通り沿いはお店が並んでいるが、空き店舗が増えている。アクアラングを売っていた店は花咲港へ引っ越し、空いたままである。海鮮パスタの美味しいフランス料理店も昨年店を閉めて、空き店舗になっている。お蕎麦屋さん東雲はひとつ向こうの通りは移転した。やはりその後が空いたままである。花咲ロード沿いにあった日本蕎麦店「季心庵」のご主人は一生懸命に本物の手打ち蕎麦を作っていたが、残念ながら1昨年店を閉めた。緑町は時計の鈴木の旧店舗を市が借りて「街中サロン」として利用しているが、空き店舗である。伊沢書店も古い方の店舗を閉めた。本町・梅ヶ枝町・緑町界隈のスナックは店を閉めたあと買い手がなかなかつかない状態だ。この数年でずいぶん軒数が減った。同級生のO君も店を閉めたうちの一人である。

 小売業は大型店が繁盛している。ポスフール、札幌コープ、マルシェの3店だ。セブンイレブンが5店舗開店するという噂が飛んでいる。2箇所は確実のようだ。
 地元仕入では大型店に対抗できなくなっている。マルシェはJRの傘下に入って息を吹き返し、シーサイドは結局、店をたたんで札幌コープへ身売りした。セブンイレブンも全国チェーンで品揃えが違う。もう地元資本で独立に仕入先を開拓して経営するのが無理なようだ。だとすると中標津の東武(サウスヒルズ)は良くやっている。
 大型店が熾烈な競争を繰り広げる一方で、中小小売店が今後も経営が厳しくなり廃業が出るスナックをはじめレストラン等サービス業も数が減っている
 こうしてみると個人営業の店が成り立たなくなっていることが人口減少の一因であるようだ。蟹の業者は小さいところがたくさんあったが、量が減ったのと、大手の1船買いで小さい業者の生きる余地がなくなった。個人経営が立ち行かなくなって起きた事件がこの数年でいくつかあった。
 個人経営のお店が急速に衰退してしまえば、根室全体では働く場所が少なくなり、人口が減る。
 これは行政によってどうにかなる問題ではない
根室の民間の活力が失われているのだから、町の縮小は避けられない

 出生数の減少は人口減少のおおよそ2~3倍の速度で進んでいる。婚姻数が4年間で30%弱減少していることを考えれば、出生数はもっと加速的に減る可能性が大きい。婚姻数と出生数には論理的にも相関関係がある。データを見ると、おおよそ婚姻数の1.5倍が出生数となっている。(離婚数が平成18年度婚姻数の半分を超えた
 平成7年の出生数351人を基点にして平成18年252人への変化率を計算すると、年平均減少率は3.45%(r3)となる。婚姻数は平成14年203組から平成18年147組へと減少した。年平均減少率は7.75%である。出生数の2倍の減少率である。このままの率で婚姻数が減少すると、10年後の婚姻数は66組となる。これでは出生数は100人前後となりかねない。ちなみにr3で推計すると、10年後の出生数は96人となる。婚姻数から見た出生数推計データと出生数の年平均減少率から計算した出生数データが一致している。
 産科学会は常勤医師2名体制を提唱しているが、出生数が150人程度(6年後)に減れば、市立病院の産科も医師が一人で間に合うようになる。幼稚園はひとつになるかもしれない。保育所もひとつあるいは二つあれば充分だろう。

 若者の職場のないことが、根室の人口減少の主要な要因であることは論をまたない。根室支庁が統廃合されて振興局になるようだが、反対論の根拠として人口減少が加速化することを挙げる人がいるようだ。それは間違いだろう。すでに根室の人口減少は加速化しているのだから。
 人口減少の原因は町の外にあるのではない。大型店に押されて個人商店経営が成り立たなくなったことや、カニの仲買業者のような小さな業者が食べていけなくなったことが人口減少を加速化している。高卒者が地元で正規職員として就職できないだけではない、親の仕事を継げなくなってきているのだ。
 親も先に見切りをつけて、息子に商売を継がせようとしないケースが増えている。勉強の動機付けを探るためだったり、なりたいものにどうやったらなれるのかを一緒に考えるために、私は生徒に将来何になりたいのか聞くが、継ぐべき家業の将来に希望のもてるケースは少ない。
 
 どうすればいいのだろうか?個人商店経営の復活はほとんど希望がもてない。打つ手が狭い。地の利を生かしたブランド化のヒントになりそうなことはあるが、育てるのに時間がかかる。ブログで少しずつ検討してみよう。
 店頭公開企業をいくつか出せれば、市税収入は大幅に増える。しかし、地元金融機関にそうしたノウハウがない。まず、どこかがやって見せることだ。店頭公開支援を生業とする業界最大手のジャフコ(日本合同ファイナンス)社長は根室出身の伊藤君だ。彼のオヤジさんは大地みらい信金の元理事長(?)だったと記憶する。大地みらいは店頭公開支援のノウハウをジャフコから仕事を通じて教わるといい。やればやれる。
 もうひとつは、25,000人規模の町を想定して、行政組織や機能、病院、学校などを縮小することだ。先手必勝である。手を打つのが遅れれば、夕張市の例に見るようにツケは膨らむ。
 大きなツケを小さくなる町に残さない、次の世代にツケ回しをしない、それがわたしたち大人の義務だ。
 万が一ツケを回すようなことになったら、責任のある大人たちも責任のない大人たちも老人となったときに、特別養護老人ホームは数百人も順番待ちになり、病気になっても入院する医療施設(慢性期の患者をケアする療養型病床群の病院あるいは病棟)すらなく、無策のツケをあまねく支払うことになる。


*#2173 市立根室病院の小児科はどうなる? Jan. 12, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-12

   
  総閲覧数: 8186/117 days (3月23日17時20分) 


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