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授業速度は適切か? [B2. トピックス]

2,007年12月13日  ebisu-blog#022 
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 授業速度が遅いことが学力低下の要因の一つとなっているのではないでしょうか?
 高校と中学校の具体例で説明します。

【簿記検定試験】
 事務情報科と商業科の諸君、1月と2月の簿記検定試験に向けてがんばっているかい?
 1年生は全商簿記実務検定3級2年生は全商簿記実務検定2級と全経協2級へ挑戦だね。
 昔は、といっても、昭和40年前後のことですが、全員受験というのはなかったね。この点は改善点の一つかもしれないし、昔のほうが生徒の自主性に任されていたとも言えるでしょう。学習習慣のない生徒が中学生の30~40%はいるようですから、全部を生徒の自主性に任せるわけには行かないのが現状かもしれません。

 この40年間で授業スピードがずいぶんと遅くなりました
 昔は11月の日商簿記検定試験3級に1年生の80%が合格していました。今は一人も受験者すらいないようです日商の3級は全商の2.5級くらいだから、11月に日商3級に合格した人のうち10%程度の人が1月の全商簿記検定試験2級に合格していました。つまり1年生の約8%が2級に合格していました。(現在1年生で簿記2級受験者は皆無です)
 全部を授業スピードのせいにはできないでしょう。生徒の全体的なレベルが多少低くなっている(四十数年前は、中学卒業生の40%程度しか根室高校の定員枠がなかったし、商業科は倍率が2倍でした)ことは否めませんが、同じスピードで授業すれば、いまでも1年生の10%を1月の全商簿記検定試験2級に合格させることができませんか

【戦略目標とその具体的な達成手段の重要性】
 要は目標の立て方と達成方法の問題ではないでしょうか?根室高校商業科と事務情報科の日商一級合格者数を全国一にするという目標を立て、具体的な達成計画を立案して、それを実行に移せばいい。5年あればそういう体制を定着させることができます。10年経てば、それは伝統と化します。結果は戦略目標とその達成手段次第です。今までどおりやれば今までどおりの結果に終わります。適切な戦略目標とその達成手段があれば、結果は変えられます
 大学では公認会計士試験を受験するグループがあります。クラブでもないし、特別な存在です。使える教室があてがわれます。ある大学では「計修会」という名前でした。合格者の大半は、受験の直前一年間は授業はほとんど出ないで、毎日8時間前後の受験勉強に没頭します。公認会計士受験者の多い学校にはたいていこういう組織があります。
 高校でも優秀な生徒を集めて、学校主導でエリート教育をやったらいかがですか。放課後に特別コースを設定するだけでも大きな効果があるでしょう。毎年日商簿記一級合格者を出せたら、少なくとも明治大学や中央大学商学部には別枠試験で、商業科や事務情報科から現役合格者がだせます
 ニムオロ塾では簿記を教えているのでわかりますが、確認できた限りでも、こういうレベルの力のある生徒はいます。2年生ですが、もう1年早く簿記講座を開設すればよかったと悔やまれます。速度の速い講義と特別な環境を用意してやれば、高校生でも日商1級合格者がでます

【どうして毎年同じことを繰り返すのか?】
 授業スピードが遅いのは、高校だけではない。中学校の授業スピードが遅い。どの学校もです。
数学を例に挙げます。この前の二学期期末テストでは約190ページある教科書の100ページまでが範囲となっている学校は進んでいるほうで、一番遅い学校は90ページだった。
 1年の3分の2の期間が過ぎているのに、教科書は半分しか消化できていない。残りの半分を3分の1の期間でどうやってやるのですか?
 1年生は図形2年生は三角形の合同と確率です。3年生は相似と三平方の定理および空間図形。どの学年も前半よりもすっと難しく、より多くの時間数が必要なところです。そこをどうやって12月・1月・2月の3ヶ月でやるのでしょうか?
 やれっこない。やれっこないから、やったことにしている。 だから翌年4月の学力テストの点が取れない。取れないわけだ、超スピードでやったことにはしているが、実質を言えばやっていないのだから。
 ひどい年には、ある学校は2月も終わりになって、2次関数(前の教科書では2次関数が一番最後の単元になっていました)は自分でやっておけという指示がでていました。

【中学の授業速度低下は高校教育へ影響あり】
 高校数学の半分が関数ですから、その年の卒業生は、準備なしに高校へ入学したわけです。高校生の進研ゼミの平均点が数学も英語も20点台になる理由が推察つくでしょう?
 全国レベルの競争になったら、結果は悲惨です。本来もっている潜在的な能力に比して開発され、顕現している学力がかなり低い。これは東京の子供たちを教えた経験があるので、とくに強く感じます。上位5%は東大を受験できるレベルになって当然です。
そうした潜在力をもっています。
 80%もの人間が根室から出て行って、都会の激烈な競争社会で生きていくのに、学力という点で大きなハンディを背負ったまま送り出しているのが現実の姿です。
 英語も同じ。最後までやっているのは一部の学校だけです。ほとんどの学校が単元の最後のほうはやっていません。翌年の学力テストの点数が低くなるわけです。

【責任の所在】
 教科ごとの進捗状況を管理しているのは誰ですか?学科の担当主任?最終的には校長先生でしょうが、どの学校も同じ状況では、学校を管理している教育委員会にも問題がありませんか?適切に機能しているといえるのでしょうか?

 教科主任がマネジメントしても防げるし、教頭先生が管理しても防げる。校長先生が管理しても防ぎうる。教育委員会が管理しても防ぎうる話しです。もちろん教育長もね。何重にもロックされているはずですが、私の目にはどのロックも役目を果たしていないように見えます。

いったいこの町の教育はどうなっているでしょうか?
誰が何を管理しているのか、誰がどのような責任を持っているのですか?

民間会社では、管理職は年度計画をつくります。進捗状況はもちろん管理されます。
計画通りに進捗していない場合は減点です。もちろんボーナスはカットされます。
昇給や昇任にも影響が出ます。それどころか年度計画を達成できなければ、管理職の降格さえありえます。

教えてください?いったいだれが何に責任を持っているのですか?

【学力テスト問題差し替えについて一言あり】
ついでにもう一つ。
Ha中学は学力テストのたびに一部の問題を差し替えています。授業の進捗が遅いから、やっていない単元の問題を差し替えています。他の学校ではそのようなことはやっていません。学校が勝手に問題を差し替えたら、地域の生徒の学力比較ができません。テストにかかる費用が無駄になります。全国学力テストで生徒に答えを教えたと批判された小学校がありましたが、問題の差し替えは同じようなことです。インチキですから。このような愚行をいったい誰が認めているのですか?
 市議会には教育関係の部会があるようです。そこで採り上げたらいかがですか。関係者がこの点について誰も発言しないのはなぜですか?
 教育に係る問題はあきらめたら終わりです。目標を掲げて、具体的な達成手段を示して闘い抜く覚悟がなければ何も達成できないのではないでしょうか。

ふるさと根室へ戻って5年、しがらみが強くなるほどに物が言いにくくなりますから、この辺で虚心坦懐に感想を述べておかないと、永遠に言えなくなりそうです。


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